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モンゴル国初※1のメガソーラー太陽光発電所が竣工しました!

モンゴル国の首都ウランバートルから約230km北に位置する都市ダルハンに建設したモンゴル国初※1となるメガソーラー太陽光発電所が、1月1日に商業運転を開始しました。1月19日には、竣工式を執り行いました。

(2月2日 記事の末尾に、竣工式の様子や受賞内容等を追記しました)

テープカットの様子

空から見たメガソーラー太陽光発電所

 

「ダルハン 10MWソーラープロジェクト」は、重光商事株式会社様※2と、モンゴル国の現地企業様※3、および当社の3社共同によるプロジェクトです。敷地面積は、およそ29万m2。サッカーグラウンド約40面分もの広大な敷地に当社の太陽電池モジュールを設置し、再生可能エネルギーの普及拡大に貢献します。

モンゴル国は、エネルギー源を主に石炭に依存しています。当社が培ってきた太陽光発電に関する技術やノウハウをもとに、クリーンなエネルギーを供給し、温室効果ガスの排出量の削減に努めます。

環境省が実施する二国間クレジット制度に基づく設備補助事業※4の採択を受け、日本の温室効果ガス排出量削減目標の達成にも貢献します。

※1 2017年1月19日時点。シャープ調べ。
※2 タオルをはじめとする繊維素材や建材関連の貿易商社。新規事業として太陽光発電所事業に取り組み、現在国内で8箇所(計9.2MW)の発電事業を展開中。(本社:石川県金沢市、社長:格根 塔娜氏)
※3 Solar Power International LLC(本社:モンゴル国 ダルハン市、社長:マンダルバヤル氏)
※4 「二国間クレジット制度を利用したプロジェクト設備補助事業」。途上国において、日本の優れた技術などを活用してCO2排出削減事業を実施し、温室効果ガス排出削減効果の測定・報告・検証を行う事業。これにより算出された排出削減量を、二国間クレジット制度により日本の排出削減量として計上することを前提に、事業者に対し優れた低炭素技術の初期投資費用の2分の1を上限として設備補助を行う。

 

現地では「ダルハンだより編集委員会」が設置され、プロジェクトの記録や安全に関する情報共有、スケジュール管理等を目的とした関係者向けの情報誌「ダルハンだより」が毎月のように発行されてきました。今回はその「ダルハンだより」をもとに、調印式から受電完了に至るまでの道のりをご紹介したいと思います。

「ダルハンだより」第01号 表紙の一部(モンゴル語Ver)

 

2016年7月

7月19日 ウランバートルで事業者間調印式を開催
モンゴル国の首都ウランバートルのバヤンゴルホテル特設会場にて、「ダルハン 10MWソーラープロジェクト」の事業者間調印式が開催されました。モンゴル国内の報道関係者も大勢集まり、事業参画会社の社長や事業責任者がインタビューを受けるなど、大盛況となりました。

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7月20日 ダルハンの建設現場で安全祈願祭を開催
チベット仏教を受け継ぐ僧侶2名に来場いただき、モンゴル式の四方祓いや地鎮(鍬入れの儀)に相当する行事をしていただきました。

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「ダルハンだより」には、「現在の施工現場ご紹介」として、施工を支える達人たちの熱い想いや、施工の進捗状況などを紹介するコーナーがあります。普段見ることができない現場の雰囲気が伝わってきますね。

第01号(クリックして拡大)

 

また、モンゴル国の文化を紹介するコーナーも。この月は、ダルハン市について紹介されていました。

 

2016年8月

8月27日 杭打ち開始
杭打ち機が故障するトラブルを乗り越え、作業員全員で協力しながらの作業は続きます。杭打ちのコツを一度つかむと、作業が一気に加速していったそうです。

8月31日 架台の組み立て開始
写真の下のほうに見える格子状のものが、杭や架台です。ここに太陽電池モジュールを設置していきます。

「施工現場のご紹介」コーナー。

第02号(クリックして拡大)

天神地祇が宿るとされる「オボー」について。

 

2016年9月

9月17日 太陽電池モジュールの取り付け開始
工事着工から約2ヶ月が経過し、いよいよ太陽電池モジュールの取り付けがスタートしました。写真では、奥の方から設置されていますね。

太陽電池モジュールやケーブル接続を現場の作業員に説明する様子。

「施工現場のご紹介」コーナー。

第03号(クリックして拡大)

 

2016年10月

10月22日 太陽電池モジュールの取り付け完了
太陽電池モジュールの設置が完了しました。8月27日に杭打ちを始め、架台の設置を経て太陽電池モジュールの設置完了まで、わずか57日間。サッカーグラウンド約40面分を、です。

現地スタッフの方々のスキルは高く、コツをつかんだ後は、大きな問題は一つも起きなかったそうです。短工期や積雪などの厳しい環境の中、計画を上回る成果を上げ、SPI社※3より表彰されました。

お待ちかね、「施工現場のご紹介」コーナー。

第04号(クリックして拡大)

 

モンゴル国の気になる食事情。

 

2016年12月

12月10日 110kVトランス受電完了
工事関係者全員が見守る中、昇圧トランスの充電音が鳴り響いた瞬間、会場から拍手と歓声が沸き上がったそうです。

「施工現場のご紹介」コーナー。

第05号(クリックして拡大)

 

モンゴル国に常駐し、プロジェクトに取り組む当社社員の写真も届きました。ダルハンでは、冬の早朝にはマイナス20℃近くまで気温が下がる日もあったそうです。

 

2017年1月(2月2日追記)

1月19日 竣工式を実施
モンゴルの中央政府関係者やダルハン市政府関係者、日本政府関係者、電力会社、現地建設会社、機器メーカー、輸送会社、通信会社、弁護士事務所など、100名を超える関係者の方々に出席いただきました。

式典には、ロボホンもかけつけました。ロボホンが手に持っているのは日本とモンゴルの国旗です。気温は低いものの、雲ひとつない快晴に恵まれ、羊のモップで朝一に除雪した太陽電池モジュールが青空に映える一日だったそうです。

式典の冒頭、モンゴルの慣習にならい、チベット仏教の僧侶によるお祈りが行われました。その後、モンゴルの民族楽器である馬頭琴と歌い手による伝統的な音楽が披露され、一面雪景色の平原に響き渡るような美しい音色に皆さん感動されたそうです。

マイナス30℃で手がかじかむ中、完工を祝いテープカットが行われました。会場からは拍手が湧き、お祝いのムードに包まれたそうです。

竣工式の後には、ダルハン市のホテルで行われたレセプションパーティにて、ダルハン市より同市で最大の投資を行ったとして表彰状を頂きました。

左から、Solar Power International LLC 技術担当取締役 Enebish氏、
当社 エネルギーソリューション事業本部 海外事業統轄部 統括部長 佐藤立哉、
重光商事株式会社 代表取締役社長 格根塔娜氏、
Solar Power International LLC 社長 Mandalbayar氏

 

モンゴル国政府より、同国のエネルギー分野の発展に貢献した優秀な技術者として、当社の技術責任者、プロジェクトマネージャーの合計3名が技術勲章をいただきました。いただいた技術勲章メダルには、送電鉄塔のデザインがあしらわれています。

また、モンゴル国のエネルギー事情へ貢献したとして、当社の技術責任者が同国のエネルギー省より金メダルをいただきました。当社は約15年前にも、太陽光発電技術を通じた無電化村の電化プロジェクトに携わるなど、モンゴル国のエネルギー事情の発展に貢献してきました。

 

ダルハン市からは、経済、社会、文化へ貢献したとして、ダルハン友好メダルをいただきました。

 

「ダルハンだより」の一つひとつの写真や文章から、「ダルハン 10MWソーラープロジェクト」に関わる皆さんの技術力の高さ、結束力、熱い想いが伝わってきますね。

(広報担当:M)

 

産業用太陽光発電システム
http://www.sharp.co.jp/business/solar/

(ニュースリリース)モンゴル国初※1の太陽光発電所(メガソーラー)事業に参画
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/160719-a.html

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