シャープ広報ブログ

今ある電話回線に繋ぐだけ! 「詐欺対策強化」と「見守り」に着目したデジタルコードレス電話機が本日発売

2017年5月18日

本日5月18日(木)に、デジタルコードレス電話機3モデル<JD-AT82CL/CW/CE>を発売しました。

新たに追加した固定電話回線を使った「見守り」機能の詳細やその開発背景について、担当者に話を聞きました。

 


デジタルコードレス電話機/電話機用緊急呼出ボタン
<左:JD-AT82CL(ホワイト系) 右:DZ-EC100(緊急呼出ボタン)>
●画面はハメコミ合成です。実際の表示とは異なります。

 

高齢者が抱える3つの不安とは?

商品企画担当(以下、企画)

――スマホや携帯電話の普及により、固定電話は減少傾向にあるように思うのですが。

(企画)「家の電話は使われなくなったよね」とよく言われるのですが、固定電話回線の加入数の推移を見ると、約5,600万回線をほぼ維持※1しています。決して使われなくなったわけではないんです。また、当社の電話機を購入いただいたお客さまへのアンケートでは、約7割の方が60歳以上という回答をいただいており、特にご高齢者は、家で固定電話をお使いの方が多いと考えています。

※1 出典:総務省発表 各年度3月末時点

――昔から使ってきた電話番号を止めて、すぐにスマホや携帯に、というわけにはいかないですね。

(企画)その現状から、ご高齢者が抱えるお困りごとを固定電話で解決できないかと、日ごろから考えてきました。ご高齢者が抱える3つの不安として、「お金」、「孤独」、「健康」の3Kがあると言われています。その不安につけこんだ詐欺や悪徳商法も増えています。この社会問題を解決する手助けになればと、2015年2月に詐欺対策強化機能を搭載した電話機を発売しました。

詐欺対策強化機能
http://www.sharp.co.jp/fax-phone/sagitaisaku/

――今回新たに、ご高齢者のご家族にも安心の見守り機能が追加されましたね。

(企画)詐欺対策強化以外にも、固定電話でできることはあるのではとアンケートを取ってみると、「親御さんの日常生活で不安なことはありますか?」という問いに、健康面を中心に「ある」と回答した方が約7割に上りました。また、「その不安に対して何かしていますか?」という問いにより、約8割の人は「何もしていない」という現状が見えてきました。

――何をしたらいいのか迷いますし、家族ならではの気恥ずかしさもあります。

(企画)様々な見守りサービスは既に存在しますが、インターネット回線が必要だったり、新たなサービスを契約しなければいけなかったりと、ハードルが高く、導入したくてもできない方が多いと思います。そこで、普及率の高い固定電話回線を使った、見守り機能の企画開発がスタートしました。

 

毎日連絡を取ることの大切さから生まれた「見守りモーニングコール」

――その一つが、「見守りモーニングコール」ですね。

(企画)毎日声をかけたり電話をしていれば、詐欺被害を未然に防ぐことができ、見守りにも繋がります。一番の対策は声かけなどのコミュニケーションです。ただ、コミュニケーションの取り方って、とても難しいんです。毎日電話をしても、特に話題がないとか。逆に、迷惑をかけたくないからと、親御さんが遠慮してしまうこともあります。

――確かに、毎日電話するのって難しいですよね。

(企画)遠く離れて暮らしていると、コミュニケーションの機会はどうしても減りがちです。「見守りモーニングコール」は、毎日決まった時間にモーニングコールがかかり、電話に出なかった場合にのみ登録されたご家族へ連絡がいく機能なのですが、例えばトイレや入浴中など、電話に出られない時ってありますよね。その時は、ご家族から「大丈夫?」と電話をかけてみる。そんなコミュニケーションのきっかけにしていただけたらなと思っています。

――しかし、毎日モーニングコールが来るのも面倒になったりしないでしょうか。

(企画)毎日同じことを言うのではつまらないですし、長続きしないと思います。そこで、日付や季節に合わせた日替わりの話題をお話しするようにしました。

――毎日違う話題を言ってくれると、今日は何だろうと楽しみになりそうですね。しかし、その話題というのはどなたが……?(ちなみに、この日は野菜の「ニラ」の話題でした)

話題を担当した商品企画担当(以下、話企)

(話企)1年365日分の話題を用意するのは、大変苦労しました。この季節にニラが美味しいって、あまり知らないですよね?(笑) 季節や記念日などを一つひとつ調べては、話題をつくっていきました。1日1ヶ月分くらいしか進まない中、一回つくっても、この季節にこれはおかしいだろうとか。NGの話題もたくさんありました。

――例えば、議論になるポイントはどのようなところでしょうか?

(話企)話題には、地方性があるんです。例えば、5月5日の「子どもの日」によく食べるものって、関東では柏餅ですが、関西ではちまきです。もちろん、柏餅を食べる関西のご家庭もあります。

――なるほど。結局、柏餅とちまきはどちらが勝ったのですか?

(話企)結局は両方採用しました。「関東では柏餅、関西ではちまきを食べる人が多いんだって」と(笑) 桜の開花も、沖縄と北海道では全然違いますよね。

――言い出したらきりがなさそうですね……。

ソフトウェア開発担当(以下、ソフト)

(ソフト)話題として適切かという議論だけでなく、機械に喋らせて聞き取れるかという問題もありました。すべての文章に対してアクセントやイントネーションを決めていくのですが、どうやっても聞き取れないものがあって。これダメ、聞き取れないから文章を変えてとか(笑)

――大変な作業ですね。その苦労を思うと、「見守りモーニングコール」を毎日聞くことがもっと楽しみになりそうです。

 

もしものときにご家族にSOS「緊急呼出ボタン」

――「緊急呼出ボタン」が気になります。

(企画)「緊急呼出ボタン」は、もしものときに押すことで、ご家族に助けを求めることができます。高齢者施設でヒアリングしたところ、トイレや洗面所、お風呂場などが、病気やケガで倒れる危険性が高いそうです。10個まで同時に使えるこの「緊急呼出ボタン」を普段過ごす時間の長い場所に置いていただけます。助けが必要な時にボタンを押すことで、家中の電話が鳴り、ご家族に助けを求めることができます。

――実際に押してみてもいいですか?

緊急呼出ボタンを押すと……

(企画)すぐに家族に気付いてもらえるよう、大きな音にしています。30秒間応答しないと、あらかじめ登録した連絡先へ自動で電話がかかります。

――固定電話回線を繋げば、すぐに使えるのですか?

(企画)はい、必要な設定をするだけで使えます。契約やお申込みは必要ありません。

――それは簡単でいいですね。開発の際に、苦労されたことは何ですか?

ハードウェア開発担当(以下、ハード)

(ハード)トイレやお風呂場に置いていただくためには、防水性能が必須です。また、子機のような充電式ではなく、電池式にしています。子機のように充電台があると、使った後にセットしなければいけないですし、水周りには置けません。お客さまがご自身で電池交換をしても防水性能が損なわれないように、形や交換方法を工夫しています。

(ソフト)もちろん、電池交換を頻繁に行うようでは不便ですので、適切な省エネ設計をして、約2年間の電池寿命を実現しています。

――デザインが特長的ですよね。

(ハード)手に収まりやすく、持ちやすいサイズ感を心がけました。大きすぎると持てないし、小さすぎると失くしてしまう可能性があります。それから、ボタンを下にして置いても押されないように凹ませたり、焦っていても押しやすいように呼出ボタンを大きくしています。

――いろんな生活のシーンを思い浮かべながら、デザインが決まっていくのですね。オレンジ色も何か意図があるのでしょうか。

(企画)緊急性のイメージを出すためには、赤にした方がいいのではという意見もありましたが、見守りという優しい印象を製品そのものにも持たせたいと考えました。普段から目立つところに置いておくものなので、優しさや清潔感も出したかったんです。それから、持ってみると気持ちよくないですか?

――そうなんです。このゴムの感じ、ずっと触っていたくなります。

(ハード)手に伝わる印象も優しさや柔らかさを表現したかったので、クッション性のある素材にしました。ただ柔らかすぎると破損してしまうので、中に樹脂の骨組みを入れています。

――しかし、押された時にどのようにご家族にお知らせするのか、その仕様を決めるのは難しいのでは? 30秒間、家中の電話が鳴り、応答がなければ登録した3件の外線に、順番に電話がかかるというものですが。(1件目→2件目→3件目→1件目→2件目→…)

(ソフト)そうですね。本当に何かがあって押された時には、必ず知らせなければいけない。ただ間違って押されることもあります。音のボリュームひとつを取ってもそうです。知らせなければいけないのですが、あまりにも大きな音だとびっくりして大騒ぎになりかねないですよね。様々なご家庭の事情がある中で、どこに線を引くのかは悩みました。ただ、もしもの時を優先しようという考えは、ずっと変わりませんでした。

 

電話に出る前に一声かける「声かけコール」

――電話がかかってきた際に、出る前に相手の番号や日時に合わせた迷惑電話への注意メッセージが流れるようになりました。日時に合わせたメッセージとは?

(企画)日にちや時刻によって、詐欺や悪徳商法への注意も変わります。例えば、年金は偶数月の15日ごろに支給されるので、その付近には年金を狙った詐欺の電話が多くなります。あとは、銀行が開いている平日の昼には、振り込め詐欺への注意が必要です。

――詐欺対策の勉強にもなりますね。

(企画)それから、フリーダイヤルからかかってきたら何かの勧誘だろうとか、市外局番ならどこの県からかかってきたのかなど、電話番号や日時から推測できることはたくさんあります。電話に出る前に一言声かけを行うだけで、少し落ち着けたり対処も見えてくると思います。

 

何度も押したくなる「聞いてボタン」

――「聞いてボタン」について教えてください。

(企画)「聞いてボタン」を一回押すと、留守番電話の件数などをお知らせしてくれます。お知らせがなかったり、何度か押していただくと、季節の行事や祝日、旬の食材など、その日に合わせた話題を。また、詐欺の手口や防犯・防災に関する豆知識、健康に関する話題など、約500種類の日々の話題を提供してくれます。

――「見守りモーニングコール」の苦労が、ここにも活用されているのですね。

(企画)高齢者施設の方に相談した際にお聞きしたのは、一人暮らしのご高齢者は、人と話さない日も多く、中にはお風呂が沸いたことを知らせる「お風呂がわきました」という給湯器の音声を嬉しく感じる方もいらっしゃるそうです。「聞いてボタン」を押していただくことで、毎日違った話題を提供し、少しでも楽しさや安心を感じていただければと思っています。またご家族と暮らす方でも、「聞いてボタン」の話題を会話のきっかけにしていただくなどのコミュニケーションに繋がればと思います。

――楽しみの一つになれば嬉しいですね。

(企画)詐欺対策強化機能を搭載してから、警察から感謝状をいただいたり、モニターの方から感謝のお言葉をいただいたりと、多くの反響をいただいています。本当にお困りのことや現場の声をヒアリングし、固定電話で何ができるかを考え抜いてできた製品です。ご協力いただいた施設に試作品をお見せして、「これはいいですね」とお褒めの言葉をいただいたときは嬉しかったです。お客さまが困っていることは何か、自分たちには何ができるのかをしっかりと考えながら、これからも開発を続けていきたいと思っています。

――現場の声があったからこそ、生まれた製品ということですね。ありがとうございました。

担当メンバー

 

お使いの固定電話回線だけを利用して「詐欺対策強化」と「見守り」が始められます。声と声を繋ぐだけだった電話機が、家族を守り、家族同士のコミュニケーションをつくるきっかけになっている。電話機の進化はまだまだ止まりそうにありませんね。

(広報担当:M)

 

デジタルコードレス電話機<JD-AT82CL/CW/CE>を発売(ニュースリリース)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/170420-a.html

電話機 製品サイト
http://www.sharp.co.jp/phone/

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