7月23日(火)東京都港区で、南インド料理店「エリックサウス」の総料理長 稲田俊輔氏の著書「現代調理道具論 おいしさ・美しさ・楽しさを最大化する」刊行イベント(株式会社講談社のWebサイトwith class主催)が、同日発表の当社新製品、水なし自動調理鍋 「ヘルシオ ホットクック」proシリーズとともに実施されました。
2024年に、発売開始から10年目を迎える「ヘルシオ ホットクック」は、材料や調味料を入れてボタンを押すだけで簡単に調理できます。また、独自の「まぜ技ユニット」により自動で食材をかきまぜることができ、手軽においしく調理ができる自動調理鍋として、多くの方々にご愛用いただいています。
イベントには新刊を購入した方々が参加し、稲田氏が監修した「真の無水チキンカレー」、「聖なるキーマカレー」と「ブロッコリーとポテトとコーンのサブジ(野菜のおかず)」を実際に試食していただきました。これら3品は今回のイベントのために開発したオリジナルメニューです。
まずは、稲田氏がメニューの説明をしながら、「ホットクック」に香味野菜や合挽ミンチ、たまねぎ、トマトピューレ、スパイスなどの材料を入れていきます。
あっという間に準備が終わり、「ヘラでのかきまぜ」を実現する別売アクセサリー「もっとクック」をセットしてメニューを選び、スタートボタンを押します。稲田氏によると、付属の「まぜ技ユニット」よりカレーの仕上がりが良いそうです。
■稲田氏による新書刊行イベントトークショー
カレーの完成を待つ間に、稲田氏のトークショーが行われました。テーマは「ホットクックでお店レベルのカレーを作るには?」です。
はじめに、日本にどうやってカレーが伝わったかのお話がありました。
「カレーはインドの植民地化などによってヨーロッパを経由し、欧風カレーとして日本に伝わりました。有名ホテルで出されるカレーはこの欧風カレーです。その後、インドが独立し、これまで家庭で食べるだけだったカレーが、飲食店でも食べられるようになりました。『北インドレストランカレー』が日本に伝わり、最近では『ガチ系』と呼ばれるカレーも日本に直接伝わってくるようになりました。私の『エリックサウス』も『ガチ系』の一つです。インドにカレーは無限にありますが、日本に伝わっているのはそのごく一部です。日本では、『汁気』『とろみ』『旨味』があるものが人気です。」
次に、カレーのジャンルについて説明がありました。
「カレーにはさまざまなジャンルがありますが、私は『昭和生まれの文化系カレー男がはじめて作るタイプのカレー』があると考えています。どういうものかというと、ルウを使わずスパイスを使って作るカレーに挑戦するも『しゃばい』『コクがない』汁はさらさらしていて、ご飯にかけると汁が全部落ちて、ご飯の上に具材だけが残るものを指し、食べるとこれはこれで意外とおいしい?と思うようなものです。」
稲田氏が大学生の時に初めて作ったカレーがまさにこのタイプのカレーで、友人や知人が作る初めてのカレーもこのタイプだったとのこと。しかし、このタイプのカレーはインドカレーの調理のセオリーに則っているそうです。
「インド人はカレーを作る際、肉をおいしく食べる手段として調理を進めていくそうです。そのために、香味野菜やスパイスを入れ、肉を柔らかくするため仕方なく水を入れます。しかし、濃厚な味に仕上げたいので水分を飛ばします。副産物としておいしいスープができあがります。」
「一方の日本人が作るカレーは、肉入りのおいしいスープを作るのがメインと考えます。そのために、肉や香味野菜、スパイスを入れます。できれば、とろみをつけたいと考え、期待できそうな玉ねぎを入れます。そして、たくさんのおいしいスープを手に入れるため多くの水を加えます。同じ工程でも、実は考え方が違うのです。日本人のカレー作りの考え方は欧風カレーに似ています。」
「インドでは、中華鍋でカレーを作ります。肉や香味野菜を炒め最小限の水を加えます。肉や野菜から水分が染み出し、水分は蒸発します。この過程を見て、日本人が思いついたのが無水調理です。」
「カレーは強火で炒めるのがおいしくなるコツなのですが、焦げ付くリスクがあります。目を離すとあっという間に水分が蒸発して焦げて食べられなくなるリスクがありますが、『ホットクック』はその心配をする必要がありません。この話をしている今まさに、ホットクックが高温で調理をしています。これを手作業でするのは至難の業です。ふたをしたまま火を入れ、水分が飛ばないように混ぜることができるのは『パワフルに調理する』『焦げ付きの心配がない』の両立を可能にしており、人力ではできません。」
「このように、カレー作りの基本的なロジックを理解すれば、『ホットクック』はカレー作りの便利な道具になりうることがお分かりいただけるかと思います。もちろん、『ホットクック』はどんなカレーでも作れる便利な道具なのかというと、そういうわけではなく、得意不得意もあります。ただ、日本人が好むカレーと『ホットクック』が得意なカレーはおもしろいことに同じです。」
「『ホットクック』で完全に満足のいくカレーを作れることが分かったと思いますので、『ホットクック』を使ってワンオペのカレー屋さんをすると仮定したときの1日のスケジュールを披露します。」
とおまけのお話もしてくださいました。
「10:00に出勤し、前日に仕込んでおいた材料を6台のホットクックに入れてスタート。途中に次の日の仕込みをしながらも、コーヒータイムや2時間のお昼寝タイムもしっかり挟み、21:30退勤で月商140万円、給料は40万円になるんじゃないかと思います。」
机上の空論とのことですが、夢があります!
■カレーの試食
トークショーを聞いている間に、カレーのいい匂いが会場を包み、カレーが完成しました!
試食のメニューは「真の無水チキンカレー」、「聖なるキーマカレー」と「ブロッコリーとポテトとコーンのサブジ」です。「エリックサウス」の店舗で卓上に並べられている、「大根のウールガイ(南インドの漬物)」も添えられていました。サブジを作るのにこれほど向いている調理機器はないのではないかとの事。冷蔵庫にある残り野菜をホットクックに入れ、その総重量に対して、適正なレシピのスパイスや油を入れれば確実においしい「サブジ」ができあがるそうです。
■質問タイム
試食中、参加者のみなさまからの質問をお受けしました。「カレーを作るときに『もっとクック』と『まぜ技ユニット』はどう使い分けたらいいの?」「お塩を入れるタイミングや量はどのように決めているのか?」「スバイスの香ばしい香りを出すのは、『ホットクック』だと難しいと言っていたが、上手に簡単に出す方法はないのか?」など、さまざまな質問がありました。
それぞれの質問に対して、「カレーは『まぜ技ユニット』を使ってもできない訳ではないが、しっかりしたあめ色玉ねぎを作るのには『もっとクック』の方が良い。ポタージュのように素材を砕きたい場合は『まぜ技ユニット』が向いている」「塩の量は調理後は少し総量が減るので、出来上がる量を想定して約1%を入れている。ホットクックは材料と出来上がりの量がほぼ変わらないので塩の量の調整もしやすい」「スパイスを活かすためぜひ事前にテンパリングして欲しいが、スリランカの知恵を借りて、深めに炒った引き立てのスパイスを使うのもおすすめ」など、解説を交えながら丁寧に回答してくださいました。
■新刊ご紹介
最後に、稲田氏から新刊について紹介がありました。
「とても実用的な本になっています。暮らしに役立つページとしてwithに連載していましたが、思想が濃くなり、自分なりの日々の生活における幸福論のようなものが書けていると思っています。道具選びの本として役立つように、良いところだけでなく欠点も書いています。実用的なレシピもたくさん掲載しています。実用書として活用していただきつつ、読書タイムに楽しんでいただければうれしいです」
『現代調理道具論 おいしさ・美しさ・楽しさを最大化する』
稲田俊輔著
224ページ/1760円 講談社刊
ISBNコード 978-4065359884
【COCORO BOOKS】
https://galapagosstore.com/web/book/detail/sstb-B511-1511001-BT000162233300100101900209
稲田氏の新刊には、「ホットクック」も紹介されており、著書で初公開の「ホットクック」専用レシピが掲載されています。今回特別にオリジナルレシピを一部お見せします。
【ヨーロッパの香り〈新しい肉じゃが〉】
稲田氏のお話は、常にユーモアを交えながら進められ、会場から時折笑い声が聞こえる明るい雰囲気の中で行われました。「言いたかったことの1/3しか話せなかった!」とおっしゃっていましたが、もっとお話を聞きたいと思った方も多いはずです。
■新製品の「ホットクック」proご紹介
最後に、同日に発表した新製品の「ホットクック」proシリーズについて、当社の企画担当者吉田より紹介しました。今回の新製品の特長は主に3つです。
①かきまぜる能力をアップさせることで、炒め物の調理時間を最大約30%※短縮。
2人分の調理が約10~15分でできる「パパッとおかず」30メニューを新搭載。
※2人分を<KN-HW16G>のレシピで調理した場合(「麻婆なす」2021年発売機種<KN-HW16G>:22分01秒(3回の平均調理時間)、<KN-HW16H>:15分22秒(3回の平均調理時間)、「回鍋肉(ホイコーロー)」2021年発売機種<KN-HW16G>:17分52秒(3回の平均調理時間)、<KN-HW16H>:14分01秒(3回の平均調理時間)。<KN-HW16H>のレシピは異なります。
②残り物の食材活用やアレンジメニューの調理をサポートする「手動調理活用術」の 提供を
「COCORO KITCHENレシピサービス」や本体付属のメニュー集などで開始
③本体底の熱板(内鍋との接触部)に、汚れが取れやすい「らっクリーンコート」を新採用
「ホットクック」ヘビーユーザーの私にとっても、かくはん力アップによる調理時間短縮や、忙しい時に重宝する「パパッとおかず」は魅力的です。説明を聞きながら、何を調理してみようかとワクワクしました。
■稲田氏インタビュー
新刊で紹介されている調理道具の選定基準や、「ホットクック」に向いているカレーの種類、今後「ホットクック」で新レシピを監修する可能性について、稲田氏にインタビューしました。
――著書で「ホットクック」を選んでいただいた理由は?
今回の著書では世間で人気があるもの、話題になっているものは優先的に選んでいます。その中でも、自分が不便に感じていることを解消してくれそうなものピックアップしています。「ホットクック」は常に話題性が高く、愛用者の「ホットクック」愛が強いのが気になっていました。しかし、自分は料理のプロでもあるし、どこかで自動調理に頼る事に葛藤していました。気になるけど買って試すまではいかないのがずっと続いてたところ、調理道具の企画の話があり、これはチャンスだと考え、これを機会に長年気になっていたホットクックを使う事にしました。
――「ホットクック」はどういうカレーを作るのに向いていますか?
「ホットクック」は本当の意味でメリットのある無水調理ができるのが最大の長所だと考えています。インドカレーは最初に食材を炒めますが、柔らかくならないので水を加え蒸発させます。日本のカレーは弱火で長時間煮込みますが、インドのカレーはずっと強火で調理します。「ホットクック」でインドカレーを作ると肉と野菜の水分だけで十分なので水を加える必要がないので、蒸発させる工程が不要。スパイスを活かすためには、しっかり熱を加えてグツグツ煮る必要がありますが、常に焦げとの戦いになります。これが、「ホットクック」には一切不要なのは強み。「まぜ技ユニット」が材料を常にかくはんしてくれるので、スパイスの香りが立ちやすい。「もっとクック」だと、さらに仕上がりが良い。あらゆるインドカレーに適しているわけではないですが、ただ、「ホットクック」は日本人が好きなインドカレーが得意だと思います。
――今後も「ホットクック」で稲田氏監修のレシピを開発する予定は?
依頼があってもなくても、常に「ホットクック」のレシピを開発していて、どんどん増えています。レシピファイルのフォルダに「シャープ」があり、これまで公開したものも含め、ずらっと蓄えており、カレー以外も楽しんでいます。
この他にも、新刊刊行への想いなども伺っております。インタビューの様子はぜひ動画でもご覧ください。
https://www.youtube.com/embed/p3-xzpsfo_s
まだまだ続く暑い季節、キッチンで火加減を気にしながら調理するのも一苦労。「ホットクック」はさまざまな自動メニューを搭載しており、難しい火加減などが必要ありません。さらに使いやすく進化した「ホットクック」で新しい料理にチャレンジし、栄養満点のお料理で乗り切りましょう!
<関連サイト>
■製品サイト:水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」
■リリース:水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」2機種を発売
■ヘルシオ・ホットクック公式 Instagram:(healsio_hotcook_official)
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