【シャープ横断♪バトンリレー】第23走者◆バーチャル美少女になったり、メタバースって叫んでたらVR担当になっていた話

 人はいつ大人になるのでしょう。

十八歳になった時? 大人になったと自覚したとき? それとも、自動販売機で初めて水を買った時?
私はいまだに毎週週刊少年ジャンプを楽しんでいるので、まだ大人になれていないかもしれません。
人はいつ大人になるのか。それは私の中で明確に定義されないまま、それでも自分のことをなんとなく大人と認識して生きている毎日です。

それでは次の質問。

 人はいつ、若手社員じゃなくなるのでしょう。

後輩を持った時? 年次が一定ラインを越えた時? 入社時の年齢がバラバラなんだ、きっと年齢じゃあないですよね。
こちらは私の中で明確な定義があります。もちろん私の中で、なので人によって定義は違うと思いますが。

 五年目社員までが若手です。

これは新卒で入社したときに、五年目の社員さんを見て「若手なのに凄く仕事ができて憧れるなあ」と思ったことが由来です。あとはなんとなくキリがいい数字だから。

そんなわけで、あと一か月で五年目が終わるギリギリの若手社員、ユニバーサルネットワークグループのコネクテッドソリューションズ事業統轄部(以下、CSB)に所属している小山誠也と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

左が私です。 向かってね


同じくCSBの荒井さんからこの話を頂いて他の方の記事を拝読したところ、みなさん経験豊富な方々ばかりで、「私にそんなオモシロ体験談ないよぉ~」と焦っている次第ですが、がんばって書きますので最後までどうぞお付き合いください。

というわけで早速私の経歴を並べて見てみましょう。

一年目:通信事業本部の無線開発部に技術者として配属。
    スマホの通信回路系を学ぶ。
二年目:5G通信の工程検査の立ち上げのため、コロナ禍真っただ中に中国出張へ。
    入国直後に南京で二週間監禁。部屋から出られず乱心。室内でdancing
三年目:通信事業部の商品企画部へ移動。
    AQUOS zero6っていう超軽量5Gスマホを主担当してYouTubeでプレゼン。
四年目:メタバースやXRの検討のために新設された新規事業推進部の唯一の企画
    人間としてVRプロトタイプの仕様や戦略立案。ラスベガスで行われる
    展示会CESに説明員として参加。
五年目:VR初号機発売に向けてやいやい。

 ちょっと待って!!

 ……こいつの経歴ちょっと面白くない?
 
さて今日は今社内で最もホットな話題と言っても過言ではない(さすがに過言か?)XR事業に関しての経緯とか失敗とかをお伝えしていこうと思います。
もしかすると社内イントラの記事で私の顔や名前を見たことがあるかもしれませんが、そうです。あいつです。あのバーチャル美少女のガワを被ったシャープ社員です。
改めてよろしくお願いします。

**

まずは5年目の若手社員(何度だって言います)である私が、なぜシャープVRの主軸メンバーになったのか、その成り行きからお話しましょう。

2021年スマートフォンAQUOS秋冬モデル発表会

旧Facebookのマークザッカーバーグ氏が「メタバース!」と声高に叫んだ2021年秋。
私の所属していた通信事業本部に激震が走りました。(たぶん)
メタバースとは何なのか。当時のメタバースはXRやWeb3.0、NFTと絡めて語られることも多く、日々ゲームばかりしていた私にとって、訳の分からない単語が突然たくさん生えてきた状態でした。
しかも当時は怪しげな説明をしている解説サイトも多く、『誰でもラクに部分痩せ』『レターパックで現金送れ』『メタバースで大儲け』みたいなイメージを持っていた人も多かったと思います。

だから私は、その日にVRヘッドセットを購入しました。こういうのは実際に体験しないとわかんないと思ったのです。当時は五万円しないくらいで買えましたし。

 そこで世界が変わりました。

私、通信事業に携わっていた身で恥ずかしいのですが、VRのことちょっと舐めてたんです。
ガビガビ画質のジェットコースター見るやつでしょ(笑)みたいに思ってました。

それがどうです。
私は無料のチュートリアルアプリを開いただけで、感動して崩れ落ちそうになりました。
その場で学生時代の友人10人くらいに連絡をしてVR機器を買わせてしまったと言えば、私がどれだけ感動したか伝わるでしょうか。(売人って呼ばれました。マージンもらってないのに)
同世代の方はわかると思うんですが、96年生まれの私の高校時代に一番流行っていたライトノベルは、間違いなく『ソードアートオンライン』というVRゲームをテーマに描いた作品でした。当然私も大好きで全巻読んでいました。
振り返ると、小学生の頃にARがキーデバイスとなる電脳コイルを見て、高校生の頃には前述のSAO、大学生になったらスピルバーグ監督がVR/メタバースを本気で取り扱ったレディプレイヤー1で興奮し、社会人になってからはVRが自然に使用される中国SFのド名作三体シリーズに心を打ち抜かれました。
私の青春は常にXRとともにあったのです。

他にもマトリックスやアバター、サマーウォーズや攻殻機動隊。これらの作品を見たことはなくてもタイトルくらいは聞いたことのある方々も多いのではないでしょうか。

そうです。
私たちの想像する近未来SFには、常にXRが絡んでいました。
そして今、私は想像する近未来に来た。
2021年秋。私はそれを強く確信しました。

近未来の私

そのあとすぐに、通信事業本部の商品企画部内で『メタバース勉強会』や『VR体験会』を開催し、「これからはメタバースが来るぜ」と叫び続けていました。
そしたらちょうどそのタイミングで上の方でも「通信としてもメタバースに取り組もう」となっていたらしく、「商品企画部になんかメタバースって叫んでる変なやつがいるぞ」ってバレて、VR検討チーム(当時三人)に選出されたのでした。

前置きが長くなりましたね。まだ読んでいる方いらっしゃいますか? ありがとうございます。

……やべ。

さすがに前置き長いかなと思って、他の方の記事を読み返したところ、だいたい2000~3000文字程度で収まっていました。私の文章はここまで2300文字を越えています。なんならもう終わってもいい頃合い。

というわけで続きはFANBOXで!

≪シャープ横断♪バトンリレー≫とは…?
みなさんの人脈を駆使しバトンのようにコラムを繋いでいくという、太古の昔からある数珠つなぎ企画!第23走者はコネクテッドSOL事業統轄部ビジネス推進部の小山さんでした。

……では許されないみたいなのでもう少しだけ書きます。失敗談をお求めなんでしょう?

22年6月ごろに正式に部署を異動し、スマホとVRの人からVR専属になった私は、ユーザーの視点を持った企画者として日々アイデア出しやビジネス検討を行っていました。

その中で「これはきっとVRユーザーに受けるぞ!」みたいなアイデアもいくつか出てきました。例えば「もっと簡単にVR空間を作れるように、VR機器で部屋をスキャンできるようにしよう」とか、「指先までトラッキングできたらVR内で演劇ができるようになるぞ!」とか。もう今となっては古いアイデアですが。
正直、こんなアイデアを出せる人は、うちの部門に他にいないと思っていました。だって、間違いなく私が一番VRで遊んでいましたから。

VRでゲームをしました。VRでフィットネスをしました。VRで映画を観ました。3時間ある『シンドラーのリスト』を見た時はさすがに首が痛かったです。VR SNSでVR上でしか繋がれない友だちができました。VRフレンドとVR飲み会をしました。Unityというゲーム開発エンジンやBlenderという3D制作ソフトを使い、自分だけのアバターや自分だけのVRワールドを制作しました。

ここまでやってるのは自分だけだろうという自信がありました。その上で、VRユーザーに響くアイデアを考えました。毎日毎日、先の見えない暗闇の中を歩いていました。

でもある日気が付いたんですよね。

VRユーザーってまだそんなにいないんです、悲しいことに。VR空間を手軽に作りたい人も、指先まで感情表現したい人も、そんなにいなかったんです。(もちろんいることはいますし、そこは既にビジネスになっていますが)
だから私は、VRユーザーに響く企画よりも、どうしたらVRユーザーが増えるかについて考えるべきだったんです。

これは完全に私の驕りでした。確かにVRの現状は人より詳しかったかもしれませんが、VRが抱える解決すべき課題は全然見えていなかったんです。
そこから私は改めてVRの抱える課題を洗い出し、シャープがなりたい姿・シャープのVisionを定義しました。
そこの合意が取れて初めて、企画と技術が一緒になって足並みを揃えることができました。これは今当たり前の話をしています。ここが定まってようやくアイデア出しにも光が見えてきました。
その結果生まれたのが、『いつでもどこでも誰でも気軽に装着できる、超軽量メガネ型VR』です。こちらをアメリカで行われた展示会「CES 2023」で初お披露目したところ、好意的なコメントをたくさん頂くことができ、今も販売に向けて進むことができています。

CES 2023での私


来場者のリアクションなど、詳しくはこちらをご覧ください。

ここから学んだことは、「抱える課題と理想の姿、目指すべきゴールを設定してから中身に入ろう」ということ。めちゃくちゃ当たり前ですけどね。
それ以来、企画を考えるときだけでなく、日々の打ち合わせなどでも、今日のゴールの共有から入るようになりました。そのお陰か「小山さんが仕切ってる会議はやりやすい」と言ってもらったこともあり、これからも徹底していこうかなと思っています。

さて、シャープのXR事業は着々と進んでおります。
もし、他部門の方で「うちの事業とXRでコラボしたい」ですとか、もっと単純に「仕事とは関係ないけど、XRについて話聞きたい」みたいな事を思ってらっしゃる方がいましたら、小山までご連絡ください。
ここまで読んでくださった酔狂な貴方なら、私に連絡する際に変に緊張する必要がないことも理解してくださっていると思います。そのためにこんな抜けた文章を書きましたからね。ふふ。

「One Sharp」という標語を、形だけのものではなく、ホンモノにしたい。私はひそかにそんな夢を抱いています。あとは小籠包だけでお腹いっぱいになりたいという夢もあります。(3個くらいしか出てこないの、少ないって)

日々の業務で忙しい中、他部門と連携するのはものすごく難しいと思いますが、「人、モノ、社会を繋ぐ事業部」であるコネクテッドソリューションズ事業統轄部の設立をきっかけに、是非横横でどんどんつながっていきたいなと。既に他部門さん主催の展示会などにお邪魔したりしておりますが、そんな感じで繋ぐデバイスとしてXRが活用できたらいいなと思っておりますので、興味が出てきた方は是非チャンネル登録&高評価よろしくお願いします。
メアド貼っときますね。koyama-seiya@sharp.co.jp

ここまで読んでくださってありがとうございました。
受け継いだバトンは、既にXR事業に対して教育という観点でたくさん協力してくださっている、

SMJ-BS 公共S営AS販売企画
畑中佳子さん

にお渡しいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

最後に質問です。

 人は、若手社員じゃなくなったらどうなるんでしょう。

えっ。
私は4月から何になるんです?

(小山誠也/コネクテッドソリューションズ事業統轄部 ビジネス推進部)

≪シャープ横断♪バトンリレー≫とは…?
みなさんの人脈を駆使しバトンのようにコラムを繋いでいくという、太古の昔からある数珠つなぎ企画!第23走者はコネクテッドソリューションズ事業統轄部 ビジネス推進部の小山さんでした。第24走者は、小山さんからバトンを託された畑中さんです。お楽しみに♪

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