オススメの一冊(15)ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望
みなさんから募集した、とっておきの書籍を紹介します。ご自身の参考や、ご家族に紹介したくなる一冊とめぐり会えるかもしれません。
トーマス・ラッポルト 著 赤坂桃子 訳 (飛鳥新社)
私が、ロケット・ササキと並んで最も尊敬する人物の一人、ピーター・アンドレアス・ティールの半生とその思想を網羅した良い本だと思います。
彼はメディア露出が極端に少ないため、その叡智について触れられる本書は大変貴重ですし、トランプ政権復活の兆しのある2024年米大統領選を控えたこのタイミングでぜひご一読をと思いました。(今回は彼による献金はなさそうですが)
彼はトランプ政権の立役者であり「影の大統領」と目され、現Meta(元Facebook)最初期投資家、ペイパルマフィア※1のドン、シリコンバレーで最も影響力がある男、ビルダーバーグ会議運営委員メンバーでもあります。
※1 ペイパルマフィアとは1998年にPayPalというオンライン決済サービスを共同創業したメンバーで構成されている「天才実業家集団」とも言われるグループ。イーロン・マスク氏が有名。
またChatGPTを開発したOpenAIを創出し、仮想通貨の信奉者でテクノロジーの最先端には常に彼の存在が見え隠れしています。
中でも彼が生み出した最高傑作Palantir Technologies inc.※2は20年間続いた赤字を脱し、AIP(AI Platform)サービスにおいて政府案件依存から民間需要の獲得へと第二の創業期を迎え、今後の活躍が楽しみです。
※2 AI(人工知能)を使って、さまざまなデータとそれを分析するためのソフトウェアを開発・提供し、ユーザーの意思決定を支援するサービスを提供している会社。
本書を読むことで、そんな彼の成功に、彼を特徴づける「逆張り思考」「リバタリアニズム※3」が如何に寄与したかがわかります。
※3 他者の心身の安全確保を前提とした「個人的自由」と「経済的自由」の両方を最大限重視し、国家や他者による干渉や侵害に反対する政治思想の一つ。
本書では、彼の「逆張り思考」といえる問いかけ「賛成する人がほとんどいない、大切な真実は何だろう?」という言葉が出てくるのですが、この言葉との出会いが私の人生の在り方を大きく変えてくれたと思います。感謝しかありません。