あなたの○○教えてください!(3)思い出の家電(35)

これまで使ってきた家電と、その思い出をみなさんから投稿していただきました。
「そういえば、うちでもそんなことあったな」などと思いつつ、ほっこりしていただければ幸いです。

わたしは「窓コン」

「窓コン」とは部屋の窓に取り付けるタイプの小型のエアコンのことです。一般には窓用エアコン、ウインドウエアコンとも呼ばれます。

わたしが電装設計に関わった機種はウインドウタイプ<AF-183W>(1993年)、海外向けで販売されました。

<AF-183W>(1993年)と部品共用で
よく似た外観の<AF-180WP>(1990年)

従来機のリモコン電源は単四電池でしたが、ボタン電池電源に変更した薄型リモコンとし、外国向けだったので、リモコンボタンの間隔を広めにとるなど変更をかけました。変更対応は大変でしたが、本体へのビルトインタイプの薄型リモコンに仕上げ、自分では結構イケてると思っていました。当時の窓コンとしては豪華仕様でした。担当を引き受けた当初は、高くてあまり売れないのではないか?と心配もしました。

 

回路基板のパターン設計が出来上がり、電子回路部の論理テストも電気的な信頼性試験も一発でクリア出来た時は、周りからヤンヤと冷やかされたり拍手を頂いこともあり、緊張して汗だくになったことを覚えています。

 

まもなくSATLでの現地生産のため、量産試作時に真冬の日本から真夏のタイへ初めて3週間の海外出張を経験しました。

当時、タイの東大と言われるチュラーロンコーン大学の通訳の先生にタイ語と英語で、現地での通訳は勿論、エアコンの技術用語やその他文献調査までお世話になりました。印象が強い先生でしたので、今でもお顔をよく覚えております。

現地での量産試作張りつき対応の甲斐あって、まさにすきのない「窓コン」に仕上がり、現地の1st LOTのパイロットランではほぼ満点の評価を頂きました。

あっという間の3週間が過ぎ、海外に興味を持ちはじめるきっかけとなった海外初出張でした。帰国後にTOEIC®テストを受験しました。

 

約30年前のことですが、初めての海外出張だったこともあり昨日のことのようによく覚えています。このまま色々な人達に支えられ順風満帆な技術者生活が送れるんじゃないかと夢想するときでもありました。

 

※ 「TOEIC」は米国Educational Testing Service(ETS)の登録商標です。

 

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