≪聞こえ診断あり≫難聴ってどういう症状?”健聴”寿命をのばすために、今すぐ試してほしいこと

最近、聞こえづらさを感じていませんか。ニューノーマルの定着によるマスク着用の浸透やリモート会議の増加によって、聞えにくいと感じる事が多くなりましたよね。
高齢化が加速する日本では今、「健康寿命」と合わせて、聞く力が健康である「健聴寿命」の延伸が重要としており、改めて「聞こえ」に対する課題解決が注目されています。

では、聴こえが良くないと自覚している人(難聴自覚者)は、日本にどれだけいるのでしょうか。日本における難聴や補聴器装用の実情調査「JapanTrak(ジャパントラック)2018」(日本補聴器工業会/テクノエイド協会調査)によると、推定約1430万人、日本全人口の11.3%を占めているそうです。

難聴は自分では気づきにくいですが、あなたはどうでしょうか?

突然ですが、テストしてみましょう。

以下の質問10問「はい(4点)時々(2点)いいえ(0点)」で回答してください(40点満点)

1) 初めての人に会うとき聞こえのことで気まずい思いをすることがありますか?
2) 家族と話すとき、聞こえのことでストレスを感じますか?
3) ささやき声ではなしかけられると聞こえにくいですか?
4) 聞こえのことで、何か不利なことがあると感じますか?
5) 聞こえの問題で友達や親類、近所を訪れて困ることはありますか?
6) 聞こえの問題で、集まりや会合に出るのをためらいますか?
7) 聞こえのことで家族と口論しますか?
8) ラジオを聴いたりテレビを見るのに困ることがありますか?
9) 聞こえが悪いせいで私生活あるいは社会行動的制約されることがありますか?
10)レストランで身内の人や友人との間の会話で聞き取りに困ることがありますか?


いかがでしたか?あなたは合計で何点になったでしょうか?

<診断結果>

10点以上≪軽度難聴≫ 耳鼻咽喉科受診をお勧めします

24点以上≪重度難聴≫ 補聴器などの治療をおすすめします。


難聴を放っておくとどのようなリスクがあるのでしょうか?
慶応義塾大学病院耳鼻咽喉科専任講師 神崎先生によると、
『難聴』と認知機能の低下とは密接な関係がある、とのことです。

45~65歳の間の難聴を放っておくことは認知機能の維持にとって最大のリスクです。65歳以上の難聴者は手遅れでよいのでしょうか?65歳以上の難聴者において補聴器装用前と装用6か月後を比較したところ、半数近くの患者さんの耳で語音聴力検査(ことばのききとり)の改善を認めました。認知機能検査の一つとして、複雑な図形を目で見て記憶する機能が改善しています。65歳以上の難聴者でも補聴器装用によって語音聴力の改善と認知機能改善を認めたことは福音です。

難聴を放っておくことによって、脳が「聞くこと」だけに集中してしまいます。本来なら脳の予備能力があるところを聞くことにしか使えなくなるわけですから、他のことに脳の活動を使えなくなってしまい、認知機能が落ちると考えられるそうです。その対策のためには、早い時期から補聴器の使用をすることが大事、また難聴への予防としては、耳を過剰な音の曝露から保護する必要があります。

また、神崎先生によると、補聴器を使い始めると、加齢による記憶低下の進行が抑えられる、ということです。ある調査では、補聴器所有者の89%が補聴器の使用により、生活の質(QOL)が改善したと答えています。また、全補聴器所有者の内、54%がもっと早く補聴器を使用していればよかったと思っているそうです。

難聴は40代からはじまるといわれています。
身の回りに難聴かもしれないという人がおられる方、また、最近自分の“聞こえ”に自信がない方、“聞こえ”に対する悩みを抱え込まず、放っておかずに、耳鼻咽喉科を受診するか、補聴器を試してみましょう。

【関連リンク】
神崎先生のご講演動画はコチラ:https://youtu.be/yGsMYu9q20w

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