【シャープ横断♪バトンリレー】第14走者◆ここちよく暮らすために大切なものを考えた
奥田さんからバトンを引き継ぎました、SAS事業本部 国内デザインスタジオの小山です。
奥田さんとは、以前から一緒に調理家電の商品開発をさせていただきました。具体的には、コンシューマー向けのレンジや炊飯器、業務用のレンジの開発ですが、ベテランの奥田さんにいつもフォローいただき、大変お世話になりました。
入社して7年目ということもあり、前走者の方たちと比べて勤続年数は短いですが、このバトンをきっかけに、これまでの担当商品を2点振り返ってみたいと思います。
どちらも前走者の奥田さんが企画部として入ってくださり、一緒に取り組んだ業務です。
①小型オーブンレンジ RE-F18A
②PLAINLYシリーズ (キッチン家電群)
まず、①小型オーブンレンジです。
この商品は、一人暮らしや二人暮らしの人が購入されることの多い、庫内が比較的小さいサイズのオーブンレンジです。当時、リノベーションブームなどで、キッチンやインテリアにこだわる人が増えており、そのような方をターゲットにした商品開発でした。
ターゲットのキッチン空間に注目すると、質感にこだわったアイテムを飾ってコーディネートをしており、その空間に置いてもらいたいという思いでデザインしました。ドアは、キッチンに置いてある鋳物の調理道具や、ざらっとした器などに合うように、マットな質感に。アクセントとして、カッパー素材の色を取り入れたデザインです。
他にも、文字の印刷に関してもこだわりました。
当時の一般的なレンジでは、調理メニューを正面のガラスに印刷するものがほとんどでした。 この商品では、空間に飾るように置いてもらいたいという思いから、調理メニューの文字を庫内に印刷することで、使わない時にすっきりとした佇まいを実現しました。使うときは、当然ドアを開けるので、調理メニューを確認することができます。
私にとって、この機種が入社して初めてしっかりと担当した製品で、何から何まで初めてのことだらけで苦戦しました。
デザイン開発するプロセスの中で、検討過程が進むとデザインモデルという試作を作成します。検討を重ねたデータを、試作を作成してくれる協力会社に渡し、最終的に販売する際の製品と同じ形、色、仕上げで試作を作ります。 それを会議でプレゼンして、最終的にデザインが決定していきます。
試作には、作るものによってですが、何十万という金額がかかります。会社のお金を使って試作を作る責任を感じ、気持ちが引き締まったことを今でも覚えています。
特に、本体の中でアクセントになるハンドルの曲面形状は、試作を重ねて形状を決定しました。
もちろん量産の際は、さらに高額の投資をして商品を作っていくので、何千、何万という製品が自分のデザインで量産されるということには非常にプレッシャーもありました。 当時の上長や先輩方にフォローいただいたおかげで製品化することができ、いざ販売されて店頭に並んでいる商品を見たときは、とても嬉しかったです。
次に、②のPLAINLYシリーズのデザインについてお話しします。
このシリーズのコンセプトは、「ここちよく暮らすための家電」です。
ここちよく暮らすために、それぞれの商品ごとに、こだわった仕様になっています。 レンジでは、ボタンを操作フローに沿って配置し、流れるように操作ができることを目指しました。
炊飯器では、美味しく炊き続けるために、炊飯器の釜の周囲をステンレス素材にすることで、水が溜まった時にも拭き取りやすく、清潔に保てます。
冷蔵庫では、付け替えどっちもドアを採用しました。
部屋のレイアウトに合わせて、扉の開閉方向が変えられるので、生活環境が変わった際も使い続けられます。
ここちよく暮らせるために、佇まいもこだわりました。
コンパクトな住宅では、リビングの近くに家電を置くことも多く、生活の中で目に留まりやすいです。 家電は、空間の中でボリュームが大きいので、すっきりとした佇まいを目指しました。
冷蔵庫と、その上に載せるレンジは、フラット感を追求したデザインに。 炊飯器のパネルは、使う時だけ文字が点灯することで、すっきりした佇まいを実現しました。
これらのこだわりは、当時の開発メンバーと「ここちよく暮らすための家電」に大切なものを追求していく中で生まれました。
このPLAINLYシリーズは、ラインアップも増やしながら、4年継続しています。これからも、時代に合ったデザインを追求しながら、お客様のここちよい暮らしに貢献していきたいと考えています。
さて、次回は、私と同期で八尾に配属されました
SAS 清潔ランドリー事業部 清潔商品技術部
安川翼さん
にバトンを繋げたいと思います。
安川さんは掃除機担当で、家で使っている掃除機で困ったことは、いつも教えてもらっています。
次回のコラム、よろしく!
(小山拓哉/SAS事業本部 国内デザインスタジオ)
≪シャープ横断♪バトンリレー≫とは…?
みなさんの人脈を駆使しバトンのようにコラムを繋いでいくという、太古の昔からある数珠つなぎ企画!第14走者はSAS事業本部 国内デザインスタジオの小山さんでした。第15走者は、小山さんからバトンを託された安川さんです。お楽しみに♪