思い出の家電(49)

これまで使ってきた家電と、その思い出をみなさんから投稿していただきました。
「そういえば、うちでもそんなことあったな」などと思いつつ、ほっこりしていただければ幸いです。

わたしは「ビデオ一体型DVDプレーヤー

2000年、営業から商品企画に異動になり、最初に企画した商品がHi-Fi(ハイファイ)ビデオ一体型DVDプレーヤー<DV-NC55>でした。

当時、当社は液晶付ポータブルDVDプレーヤーではトップシェアでしたが、デッキタイプではパイオニア・パナソニック・ソニー・東芝がDVD特許メーカーとしてシェア上位を分け合い、当社のシェアは数パーセントと寂しい状況でした。

Hi-Fiビデオ一体型DVDプレーヤー<DV-NC55>(2001年)

技術的な素養の無い私と、技術の分かる若手企画マンのコンビで企画したのが、「あるものを組み合わせる」という発想で、当時、斜陽であったもののまだ現役のVHSビデオデッキとDVDプレーヤーを組み合わせて、2つを1つにする「2in1商品」でした。

営業出身の強面の上司に恐る恐る説明したところ「これは売れそうだ」となり、10月に開発GOとなったのですが、その上司から春商戦・年度末の「3月に間に合わせよ!」との指令が発せられました。当時、ビデオデッキもDVDプレーヤーも技術部門が矢板工場にいて、ともにマレーシア(SMM)で製造していたことと、関係者に頑張っていただいたおかげで、企画開始から半年という超スピード開発が実現できました。ふり返ると当時の関係者の方々には感謝しかありません。

 

3月に発売した時には、日本初(韓国メーカーが同時期開発)ということと、1つのリモコンでビデオもDVDも操作できたこと、実売39,800円という値ごろ感もあり、DVDプレーヤーの売れ筋ランキングの1位となり、2001年5月26日当時、日経流通新聞(現日経MJ)紙面に大きく取り上げられました。

その後は他社のOEMを獲得して拡大、「2in1商品」の技術を活かしつつ組合せを変え、ソフト機能を強化し、DVD搭載デジタルハイビジョン対応レコーダーへと進化。私が事業部を離れた後に、さらにブルーレイディスク(BD)搭載となって、名称は「AQUOSブルーレイ」に変わりつつ現在に至っています。

 

※ Video Home Systemの略。1976年に日本ビクター(現・JVCケンウッド)が開発し、広く普及した家庭用ビデオ規格。

 

   

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