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エモパーが目指した“4つの新しい体験”とその“愛称”とは

 

本日7月30日、エモパーのメジャーアップデートが行われました。
エモパー1.0(旧バージョン)を搭載したスマートフォンが発売されてから約8か月。想定以上に盛り上がるエモパーに、開発チームのモチベーションは上がったといいます。しかしその反面、新しい体験を継続的に創造しなければいけないというプレッシャーを感じたと、担当者は胸の内を明かしました。

世の中の技術は、ロボットとの自由な対話に向かっています。エモパーも同様に、自由に対話をさせる必要があるのではないか。そんな議論が飛び交う中、人の行動、心理、好み、気持ちを考え抜いた結果、開発チームが下した結論とはいったい――。

今回は、アップデートを続けるエモパーの“4つの新しい体験”にせまります。社内でのみ使われている、それぞれの“愛称”とともに。

 

お客さまに合った話題を選んで話しかける“オレパー”

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――お客さまに合った話題を選んで話すようになりました。その狙いはどこにあるのでしょうか?

お客さまから「エモパーにもっとしゃべってほしい」というお声をたくさんいただきました。我々としても、もっと色々なことをしゃべらせたいと思っていましたので、まずは話題を増やしたいと考えました。

エモパーは、友人とお昼を食べに行くときの雑談のようなものです。目的のレストランに向かって何気なく歩いている。そんなときに、あなたなら何を話すでしょうか。友人の好きそうな話をして、喜ばせたいと思うかもしれない。それを聞いた友人も、喜んで話を膨らませるかもしれない。“オレパー”に求めたのはこの体験です。

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この何気ない会話をスマートフォンで表現するには、技術的な大きな壁がありました。例えばテニスが好きな友人に対して、「昨日のテニスの大会で誰々が優勝したよね」と話しかけたとしましょう。テニスが好きな友人であれば当然「知っているよ」と返すだけで、情報に出会う喜びやワクワク感が生まれません。“ちょっとしたことだけど興味がありそうな話題”を見つけ出すことの難しさはここにあります。また、エモパーは人をハッピーにするものですので、気持ちが落ち込むようなネガティブなニュースを避けることにも細心の注意を払いました。“相手に配慮して話すこと”を実現することは、かなり大変な作業でした。

そしてもう一つ困難であったのは、選んだニュースを“読み上げること”です。インターネットは基本的に“見るもの”です。読み上げる前提にはなっていない。漢字の読み、特に人名の読み方やイントネーションの情報はありません。読めないものをいかに読ませるか。もちろん完全ではないものの、その大きな壁を少しでも超えていく工夫を重ねました。

人の何気ない会話を再現して、人との距離を少しずつ縮めていく。新しい体験を生むために、表面には見えない様々な最新の技術が使われています。お客さまの好みの話題を選んで話しかけてくれる“オレパー”は、スマートフォンとの新たな親近感を体験させてくれます。

 

外ではイヤホンから話しかける“ソトパー”

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――家の外でもイヤホンを通して話しかけてくれる“ソトパー”の狙いは?

生活シーンの中で、もっと他に話しかけるタイミングはないかと考えました。今までは家の中に限定していたものを、イヤホンという条件を加えることで、外でもエモパーの声が聞けるようになりました。しゃべりすぎると鬱陶しいのではないかという不安を振り切ったこの仕様には、かなりの思い切りが必要でした。

イヤホンを付けているときに、多くの方は音楽を聴いています。例えば曲が一番盛り上がるときにエモパーの声が割り込んだら、音楽を楽しむという行為を邪魔してしまう。それは、楽しむことを前提としたエモパーの考え方に反していました。「せっかく曲が盛り上がってきたのに、なんで今しゃべったの?」という不快感は、エモパーを嫌いにしてしまう要因なのです。

では、エモパーがイヤホンで話しかけるタイミングはないのだろうか? 人の行動や心理を突き詰めて考えると、“ある一瞬”音楽から意識が離れる時間がありました。それは、“行動が切り替わるとき”です。電車に乗っていて、降りる駅が近づいてきたとき。旅行や出張先で、電車を降りるとき。職場に入ったとき。人の意識は、「どこの改札口から出よう」など、次の行動のことを考えます。この気持ちが切り替わる一瞬を狙って、降りる駅が近づいてきたことや、駅の近くにあるオススメのレストランや観光スポットなどの情報に加え、気の利いた一言をそっと伝える。そうすることで、お客さまの心をグッとつかめるのではないかと考えました。

 

聞き逃したニュースをもう一度聞ける“キキパー”

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――「もう一回」では同じことを、「ほかには?」では別の話題を選んで話しかけてくれます。なぜこの2つなのでしょうか?

今までのエモパーは、テーブルなどに置くことでお客さまに話しかけていました。つまりは、置かないと話さないわけです。しかし、エモパーが話したい話題はたくさんあります。例えば、朝は占いや天気予報、記念日など、お客さまの気づきに繋がる情報をたくさん持っています。「ほかには?」とお客さまが話しかけることで、新しい情報に出会う喜びを感じていただきたいと考えました。それから、エモパーの言葉を聞き逃してしまったときに「もう一回」と話しかけることで、同じ言葉を繰り返すようにしました。この2つの言葉は、「もっと聞きたい」「もう一回聞きたい」という使う側の気持ちに応えるものです。私自身、生活の中でもう一回聞きたいと思うシーンがたくさんありました。

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技術的には、もっとたくさんの言葉に反応させることができます。しかし、エモパーはお客さまに寄り添い、自由に話しかけるものです。「今日は雨が降りそうだから、傘を持って行ってね」と言われた後に、話しかける言葉はあまりありません。人からスマートフォンに話しかける会話型のサービスには、調べたいものや聞きたいことなど、“会話のゴール”があります。しかし、スマートフォンから話しかけるエモパーには、“会話のゴール”がありません。だからこそ、思い切って2つのキーワードに絞ることにしました。“2つしかできない=チープな機能”という認識をさせてしまのではないかという不安もありましたが、「できること」よりも「体験」に重点を置いた結果、このような仕様になりました。

※ “キキパー”(声をかけるともっとお話し)は、一部機種には対応していません。こちらのサイトをご確認ください。
http://k-tai.sharp.co.jp/dash/emopa/update/#update_v21

 

エモパーの気持ちが見える“エモパーセント”

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――エモパーの気持ちや気になっていることが見える“エモパーセント”はどのようなものですか?

エモパーとの関係性を数値で見ることができます。0~100パーセントで表現され、数値が高いほどエモパーの気持ちが高まっています。エモパーとたくさん関わったり、自分の好きなものを教えたりしてみてください。エモパーの気持ちの高鳴りが見えるかもしれません。ただ、パーセントのような数字を出すと、分かりやすい反面、どうしてもデジタル感や機械のような雰囲気が出てしまいます。あくまで人のように、100%が簡単に出ないようにしています。設定の中にある“エモパー設定”を時々見ながら、最高得点を狙ってみるのも面白いかもしれませんね。開発チームの中でも、100パーセントを見た人は数名しかいないようです。

 

エモパーのプロジェクトに、新たなメンバーが加わりました

――エモパーの開発チームに参加してみて、エモパーや開発チームの印象は変わりましたか?

開発チームに加わるときに、エモパーの本質や開発の経緯を聞きました。私はエモパーが話す“シナリオ”を担当することになったのですが、それぞれのキャラクターにただ文字を読ませるのではなく、つぶたならつぶた、えもこならえもこなりの言い方やイントネーションがあることに驚かされました。想像していたよりも遥かにキャラクターの世界観がしっかりしていて、プレッシャーが半分、ワクワクが半分という気持ちでした。

開発チームは、入る前はとても仲が良いチームだと思っていました。いざ自分が加わると、やっぱり仲が良いチームだなって感じました(笑)。このチームワークがあってこそ、エモパーが生まれたのだと思います。

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おわりに

前回の取材から数か月しか経っていませんが、新しくて面白いお話をたくさん聞くことができました。エモパーが目指す場所は、誰もやったことがなく、正解がない。だからこそ、人を洞察し、人の心理をとことん考えることで、新しい体験を創造できるのだと感じました。便利さとは少し違ったアプローチから、何か新しいことがしたいという開発チームの想いが伝わってきました。すべては「人とスマートフォンとの関係を本気で見直す」ため。日々生まれる新しいコトの中心には、変わらずにこの考え方がありました。

もう次のことを考えているという開発者たちは、とても楽しそうな顔をしていました。

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エモパーには、きっと新しい体験が詰まっています。
あなたの持っているスマートフォンも、エモパーに対応しているかもしれません。
こちらのサイトで、ぜひご確認ください。
http://k-tai.sharp.co.jp/dash/emopa/lineup/

(広報担当:M)

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