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「スマートバス停」を商品化、カギは進化した反射型カラーIGZO液晶ディスプレイ!

2021年4月2日

記事:c

みなさん、バスはよく利用されますか? 次のバスがくるまであとどれくらいか、バス停の時刻表で確認することってありますよね。しかし郊外のバス停には明かりのないところもあり、暗くて時刻表を読むのに苦労することがあります。そのようなところではたいてい電源も確保できず、明るいディスプレイを使った時刻表を置くこともできません。

シャープが株式会社YE DIGITAL※1と共同で開発した「スマートバス停」はソーラーパネルと蓄電池を搭載しており、このような電源のないバス停に明るい時刻表を提供します。昼間に太陽電池で発電した電気を蓄電池に蓄えるので、日照量の少ない日や夜間でも利用可能です。通信機能も搭載しているので遠隔操作で時刻表の書き換えができ、掲示物の張り替えが不要となり、バス運営の作業コスト削減にも貢献します。

※1 本社:福岡県北九州市、代表取締役社長:遠藤 直人 様

左:「スマートバス停」、右:表示モニター部(画像はハメコミ画像)

このスマートバス停、表示モニター部には進化した反射型カラーIGZO液晶ディスプレイ(以下、反射型IGZOディスプレイ)を採用しています。昼間は外からの光(外光)を反射して表示するディスプレイでありながら、バックライトを搭載しているため夜間でも十分な視認性を確保しており、一般的な反射型ディスプレイとは異なります。(通常の反射型ディスプレイは外光がないと読み取れません)

ぜひとも進化のポイントを知りたいと思い、反射型IGZOディスプレイの開発を担当したシャープディスプレイテクノロジー株式会社 開発部 技師の大坪にインタビューしましたのでご紹介します。

反射型IGZOディスプレイ(実機)と担当の大坪さん

反射型IGZOディスプレイについて教えていただけますか?

(大坪)一般的な液晶ディスプレイは下図左のようなバックライトの光源からディスプレイ表面に対して映像を映し出す構造です。ディスプレイを見る人は上の方から偏光板を画面として見るようなイメージです。光源からの光はオレンジ色の矢印の方向に出てきます。

一方、一般的な反射型ディスプレイは下図右のように液晶層の後ろの反射電極のところで外光を反射する構造となっています。

当モデルは通常の反射型モデルとは違い、ひと工夫あります。

夜間など、外光が少ないと、一般的な反射型ディスプレイでは表示内容が見えなくなってしまいます。そのような状況でも表示性能を確保する「バックライト」が利用できるよう、反射板にあたる部分に「小さな穴」を複数空けているのです。

下図の左のように、反射電極(MRS)にバックライト透過用の穴がある構造で、外光が十分にあるときは外光の反射を光源として利用し、外光が少ないときにはバックライトを光源として利用することができる「良いとこ取り構造」になっています。

反射電極(MRS)に穴を空けると反射する光が減ってしまいますが、それを上回るメリットがあるということでしょうか?

(大坪)ご指摘の通り、外光に頼る昼間は、反射面の減少がデメリットになりますが、それよりも夜間の表示性能を十分に確保することを選んだところに、この商品の特長があると思っています。

実のところ、光源をフロントライトにするか、外部照明にするか、またはバックライトにするか、開発時に商品像を踏まえてしっかりと検討し、このバックライト方式にたどり着きました。

夜間の表示性能を十分に確保するということは、光源の消費電力増加につながります。ソーラーパネルと蓄電池のスタンドアローンな蓄電システムと組み合わせることを想定していたため、夜間の消費電力をできるだけ抑えなければなりませんが、それは明るさと相反する要求になります。その2つのバランスをとるのに非常に苦労しました。 「スマートバス停」に採用するにあたり、屋外向けのプロトタイプを実際に製作し、想定される朝・昼・夜、および、配置位置、角度など複数の環境において、視認テストを重ねてこの仕様に決定し、商品化にこぎつけました。

反射型でありながら透過型の機能も備えたこのディスプレイ、従来製品との違いを説明いただけますか?

(大坪)反射型液晶と透過型液晶の特長を併せ持つ液晶ディスプレイを半透過型モードの液晶ディスプレイと言いますが、これまで一般的な半透過型モードの液晶ディスプレイはTN※2方式でした。反射型液晶ディスプレイがTN方式になってから、ここ20年ほど大きな進歩はなく、そのため一般的な半透過型モードの液晶ディスプレイも同様でした。

※2 TN:Twisted Nematicの略。ねじれた糸状/線状のという意味。液晶分子のねじれ角が90度のネマティック液晶を使う方式。

今回、「スマートバス停」に採用の反射型IGZOディスプレイはVA方式※3の半透過型モードのディスプレイです。 

従来のTN方式に比べてコントラスト比、視野角などが向上し、ディスプレイとして更なる進化を遂げているところ、また、IGZO液晶ディスプレイなので省エネなところが特長です。

※3  VA:Vertical Alignmentの略。垂直配向方式。一般的にコントラスト比が高く、暗い部分と明るい部分を同時に表示した時にハッキリとした画面表示が可能なことが特長。 一般的な液晶テレビなどで広く採用されている方式。

具体的には、VA方式を採用したことによりノーマリーブラック(電圧オフ時に黒表示)とすることができ、これまでの半透過型モードの液晶ディスプレイ(TN方式)のように黒表示のために画素内にブラックマトリクス※4の領域を配置しなくても、高いコントラスト比が得られるようになりました。

このため、ブラックマトリクス部分の開口率(光を反射or透過する領域)を大きくとることができ、明るさを改善できました。また、今回、反射率が高くなる液晶も新たに導入し、さらに明るくなっています。

※4 ブラックマトリクス(Black Matrix)とは、RGB画素の間に碁盤の目のように縦横に配置された黒く見える格子状の部分。

―― ありがとうございました。

「スマートバス停」は、商用電源への接続が困難な郊外のバス停をターゲットに商品化したものですが、他にも、公園や史跡、臨時イベント会場の野外電子案内板などへの応用が考えられます。ほかにも店舗の入り口に設置する電子看板に使えば、お客さまが電源コードに足を引っかけることもなく、スマートに設置できそうです。少し想いを巡らしただけでさまざまな広がりが考えられます。

この「スマートバス停」に搭載したバックライト方式の反射型IGZOディスプレイ、国内はもとより、海外からも引き合いをいただいており、今後の展開が楽しみな商品です。

(広報担当:C)

ニュースリリース

反射型カラーIGZO液晶ディスプレイ搭載「スマートバス停」を製品化

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