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「SHARP Tech Day」の先行イベントとして、「半導体」をテーマにした「SHARP Tech-Forum」を開催!

「SHARP Tech-Forum」の様子

シャープは、8月7日、東京国際フォーラムにて、創業111周年記念イベント「SHARP Tech Day」(本年11月11日開催)の先行イベントとして、昨今産業界で大きな関心を集める「半導体」をテーマにした「SHARP Tech-Forum」を開催しました。

■「SHARP Tech-Forum」の内容

「半導体」は次世代通信技術・AI応用・ロボティクスの進展等の社会イノベーションを支える基盤技術であり、各国で戦略的な取り組みが行われ、世界中の企業や研究機関でも活発に研究開発が進められています。日本においても、米中貿易摩擦や経済安全保障上の観点から国内生産の重要性が高まっており、政府が後押しするなど、半導体技術の国内回帰の動きが加速しています。

そこで、本フォーラムでは、「半導体」の最新の業界動向や将来展望をお届けするため、「産学官」の第一線でご活躍される国内外の専門家3名<鴻海グループ 最高半導体戦略責任者 蔣尚義 博士、大阪大学 菅沼 克昭 名誉教授、経済産業省 商務情報政策局 情報産業課長 金指 壽 様>をお招きし、前半は講演会、後半は当社メンバーを交えたパネルディスカッションの2部構成で実施しました。

開会の挨拶を行う 当社 常務 研究開発本部長 種谷 元隆

<第1部>

●[基調講演] 鴻海グループ 最高半導体戦略責任者 蔣尚義 博士
 テーマ:「集積回路から集積チップレットへ」

蔣尚義 博士より、半導体集積回路は、ムーアの法則が物理的な限界に直面し、半導体業界として大きな変革の瀬戸際にある一方、近い将来、AIoTは多様な製品を生み出し、チップレット1の相互接続性を高める可能性があることをご説明されました。そして、この環境変化に適応したIC技術の変革についてご紹介いただきました。

鴻海グループ 最高半導体戦略責任者 蔣尚義 博士
  • ※1 これまで1チップに集積していた半導体集積回路を、複数の半導体集積回路で1つの基板上でブロックのように接続する技術。

●[講演] 大阪大学 産業科学研究所 フレキシブル3D実装協働研究所長 菅沼 克昭 名誉教授
 テーマ:「協働で拓く次世代半導体実装技術」

続いて、菅沼 克昭 名誉教授より、個別技術の進化とコラボレーションによる次世代半導体実装技術のオープンイノベーションが進んでいること、そして、それにより生み出される新たな中核技術の未来像についてご紹介いただきました。

大阪大学 菅沼 克昭 名誉教授

●[講演] 経済産業省 商務情報政策局 情報産業課長 金指 壽 様
 テーマ:「グローバル時代を勝ち抜く半導体産業戦略の展望」

最後に、金指 壽 様より、社会のDX化の根幹をなす半導体産業で熾烈なグローバル競争が続いていることをご説明いただいた後、安定したサプライチェーンの確立と先端半導体技術の発展を担う重要政策として、国内産業拡大・グローバル展開に向け推進していることをお話しいただくとともに、今後の政策展望についてご紹介いただきました。

経済産業省 商務情報政策局 情報産業課長 金指 壽 様

<第2部>

●パネルディスカッション
 テーマ:AI時代におけるユーザーニーズとLSI技術の方向性

休憩をはさんで、蔣尚義 博士、菅沼 克昭 名誉教授、金指 壽 様、シャープ側から常務 研究開発本部長 種谷 元隆、研究開発本部 ソサイエティイノベーション研究所 副統轄部長 兼 第四研究室 部長 伊藤 典男、Panel-Semicon研究所 プロセス開発室長 牧田 直樹、シャープセミコンダクターイノベーション株式会社 第二開発部長 堀川 豊史の4名を加えた計7名によるパネルディスカッションを行いました。

冒頭、最先端のディスプレイ、センサなどの新規開発したデバイスを半導体技術と融合し、新たな商品、サービスを提供するため7月1日に新設したPanel-Semicon研究所を紹介しました。

パネルディスカッションでは、チップレット技術の次世代通信用SoC※2への応用の可能性やインターフェイスの標準化、さらには米国と連携した日本の新たなLSI産業の創出などについて議論しました。

パネルディスカッションの様子
左より、常務 研究開発本部長 種谷 元隆、シャープセミコンダクターイノベーション株式会社 第二開発部長 堀川 豊史、金指 壽 様、蔣尚義 博士、菅沼 克昭 名誉教授、研究開発本部 ソサイエティイノベーション研究所 副統轄部長 兼 第四研究室 部長 伊藤 典男、Panel-Semicon研究所 プロセス開発室長 牧田 直樹
  • ※2 SoC(System on a Chip):一個の半導体チップ上にシステムの動作に必要な機能の多く、あるいは全てを実装する設計手法。また、その手法を使って作られたチップのこと。

パネルディスカッションに続いてQ&Aセッションを行い、第2部を終了しました。

最後に、ご来場の皆さまに、本年11月11日に開催します「SHARP Tech Day」を紹介し、フォーラムを終了致しました。

オンラインでの視聴を含め約600名以上の多くの方にご参加いただき、とても盛況なイベントとなりました。 

 多数のご来場で満員になった会場

シャープでは現在、「Be a Game Changer」を合言葉に、自社の開発リソースを強化するとともに、グローバル企業との協業やスタートアップ企業との連携などオープンイノベーションを加速、AIやロボティクス、XR(クロス・リアリティ)、6G(シックス・ジー)、食・水・空気、グリーン、宇宙等の分野を中心に、世の中を変える革新技術の創出に取り組んでいます。

11月11日に開催予定の「SHARP Tech Day」では、今後の技術戦略を紹介するとともに、独自技術を採用した革新的な製品やソリューションを展示する予定ですので、ぜひ、「SHARP Tech Day」にご期待ください。

(広報H)

<アーカイブ配信>

SHARP Tech-Forum 第1部 講演

SHARP Tech-Forum 第2部 パネルディスカッション

<関連サイト>
■ニュースリリース:
 8月7日に専門家を招聘し、「半導体」をテーマに「SHARP Tech-Forum」を開催
 創業111周年を記念し、Sharp Technology Dayを2023年11月11日に開催

■SHARPBlog:

 

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