【シャープ横断♪バトンリレー】第3走者◆大臣の訪印イベント準備でパニックになったこととは…

入社から今に至るまで20年以上お世話になっている福永さんからバトンをいただきました。福永さんから、配属初日の定時後に社会人のいろはを教えていただいたことを今でも覚えています。

最初の配属は、通信システム事業本部モバイルシステム事業部商品企画部でした。シャープ入社前の職種希望面談で申告した上位の希望ではなかった「商品企画」に配属となりましたが、この配属によって福永さんを始め大変多くの方とつながることが出来たことは今でも大きな財産となりました。配属先では、ザウルスのサービス・周辺機器の商品企画を担当しましたが、半年程度でザウルス事業の縮小と携帯電話事業の拡大の流れで携帯電話(ガラケーの時代です)の商品企画へ異動となりました。

SH506iC
SH702iS

携帯電話の商品企画では、商品コンセプトの作り方、商品詳細仕様の企画、使いやすいUI、コスト構造といった商品企画全般を学びました。
異動後まもなく商品コンセプトの企画に当たり、当時の上司からの「アイデアを100個出して、そのうちの一つがようやくコンセプトになる」という言葉から、アイデア出しを行いましたが実際は10~20個程度しかアイデアは出せず。。。その後、プロジェクトのリーダーを担当する機会をいただき、コンセプトとしてコンパクトスリムを掲げながら商品化が進むにつれ必要機能を入れるとどうしても端末が大きくなってしまったり、使いやすいUIに拘ってアプリを作ったのにそもそも画面が小さくて見づらいといったことがあり、当初のコンセプトを保っての商品化の難しさを、実体験をもって学びました。最後に携わったAQUOSケータイのフルスペック機SH-01Aでは、機能性とデザイン性を両立した商品というコンセプトで、フルスペックのAQUOSケータイにLEDが光ると浮かび上がる時計のサブディスプレイを搭載して、コンセプトを保った商品を企画出来たと思います。

AQUOSケータイ<SH-01A>
LEDが浮かび上がるサブディスプレイイメージ

その後2008年に本社経営企画に異動しスタッフ職となり、通信事業以外の本社スタッフの方や他本部の方々とのつながりを作ることが出来ました。

そして海外営業を経由して、経済産業省の南西アジア室へ2年間の出向を経験しました。

インド アンドラプラデシュ州にて


南西アジア室の主なミッションは、インドを中心とした南西アジアへ日本企業が進出したりビジネスを行いやすくするための環境を整えることです。初めて社外で仕事をすることで、全く異なる組織のルールや人の育て方などを見ることが出来ました。若手の官僚が政策立案から執行まで行う権限を持ちますが、代わりに自分の身は自分で守る必要があります。例えば、インドでどのような調査を行い、現地政府にどのような政策が必要かを説いて外資誘致政策を作ってもらうかといったことを、日本の30代の若手官僚が財務省やインド政府と喧々諤々やりあっていました。

スリランカ投資庁にて

ある時、大臣の訪印イベントがあり、経済産業大臣とインド商工大臣の会談後に出す共同声明の中身を作る担当をしていました。中身を固めるために何度も先方とやり取りをして、ようやく会談前日にインド商工省で最終確認をしていると、急に先方が「インド太平洋(Indo-Pacific)」という言葉は一般的でないので変更したいと言い出しました。(今ではニュースによく出てきますが当時は確かにあまり使われていませんでした。)それまでのやり取りから全くの予想外の反応だったのと前日から対応することは無理な話だったので私はパニックに陥っていましたが、一緒に同席していた官僚が一度引き取ると回答。ホテルに戻り、その官僚は知り合いの外務省の人などに相談し、過去の声明等で言葉が使われていないかを調べると、過去安倍元首相がインド国会で使用していたことなどが確認でき、夜再度先方に説明して変更はしないことで落ち着き見事なフォローをしてもらいました。(本来私が役人なら自分で解決しないといけなかったのですが・・・)職員の数はそれほど多くいませんので、限られたリソースの中で大きな効果の出せる政策を作る必要があり、その作業は参考になりました。官僚の人たちは、この業務を進める中で個人のスキルを向上させ、上位職となりより大きな政策を作ったり、組織の外へ出て大きな仕事をしています。他人の誕生日のような些細なことでも、一度見たり聞いたりしたことは全て覚えているといった記憶力、回転の速さが桁違いな人々ばかりで度肝をぬかれることもありました。

Wipro本社視察(バンガロール)、右から2番目が私

この出向で、政策がどのように作られるか、どのような企業が政策に入り込むかを知ることができ、これらの経験を活かすべく、帰任後は渉外部に配属となりました。政府との窓口、政策への当社事業アピールを行い、事業化、事業拡大に貢献すべく業務を行っており、今年に入ってからも、投資補助や研究開発委託を獲得することで事業拡大、事業化等進めています。今後も政策への事業アピール等行って参りますので、これを読んでいただいている皆様とも連携していければと思います。

また、これまで会社のテニス部に所属し、全国の事業所の方々と交流させていただきました。どこに異動しても知り合いが多く仕事がやりやすい環境で、まさにOne SHARPを感じて仕事をすることが出来ました。

2006年事業所別対抗戦

これまで社内外で尊敬する人達と仕事をさせてもらいましたが、新しい事業、新しい価値を生み出していくのは、色々な分野の人と人が協力して初めてモノやサービスを作れると思うので、引き続き色々な方とのつながりを作って仕事していきたいと思います。

このバトンは、本社時代に知り合い、今でも一緒に仕事をさせていただきお世話になっている

IRグループの小林さん

にバトンをお渡したいと思います。


(天野陽之介/研究開発事業本部 渉外部 参事)


≪シャープ横断♪バトンリレー≫とは…?
みなさんの人脈を駆使しバトンのようにコラムを繋いでいくという、太古の昔からある数珠つなぎ企画!第3走者は研究開発事業本部の天野さんでした。第4走者は、天野さんからバトンを託された小林さんです。お楽しみに♪

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