【シャープ横断♪バトンリレー】第19走者◆試作品がかわいくて仕方がないっっ!

寧さんからバトンを引き継ぎました、TVシステム事業本部 Global商品企画統轄部 国内商品企画部の林里奈です。

寧さん、静岡県浜松市さんとの実証実験のリリースおめでとうございます!note記事も拝見しました。経済的・家庭的な理由で生理用品を購入できない状態を指す「生理の貧困」や「災害時の救済」については私も胸を痛めていたので、寧さんが紡ぎ出す優しい世界がこれからもどんどん拡がることを祈っています。UXデザイナーから企画までこなす寧さんに刺激を受けつつ、私もバトンを落とさないように、次に繋げていけたらなと思います。

私は2009年に入社し、1年間に及んだ新入社員販売実習後、事業部へ配属されてからは、ずっと商品企画の仕事についています。これまで主に携帯電話、スマートフォンとテレビを担当させていただきました。もともと商品企画がやりたい!と思って入社したので、念願叶えていただきました。この仕事は、とにかく幅広い。想像していたよりもやることはいっぱいで、自分一人では手に負えず、本当に沢山の方々に支えられて、ここまでやってこれたなと感じています。この仕事を通して、思い出深い出来事といつも感じていることを挙げてみました。

FacebookスマートフォンAQUOSページ10000いいね記念に当時の企画若手メンバーで撮影

① スマートフォンの厚み

通信時代、印象に強く残っているのは、スマートフォンの構造検討会です。手に持つスマートフォンの構造は、筐体幅だったり、手に当たる部分のコーナーRだったり、そして厚みだったり、デザインさんも企画も、採用するキャリアさんもこだわる部分でした。機構開発、無線開発、技術、デザイン、企画が集まって、デザインサイズをもとに、どのような配置、仕様にしていくのかを議論するのがこの構造検討会です。ある程度検討が進むと最後、厚みを試算することになります。タッチパネル付きのガラスがあって、LCD(液晶パネル)、それを固定する両面テープ、基板、電池、電池カバーなどのスペックサイズを、ホワイトボードに書き出し、数字を足していき厚みを算出していきます。それがどう計算しても、毎回目標サイズに届かない(笑)。幅を優先するのか、厚みを優先するのか、よく持ち帰りの宿題になっていたことを覚えています。そして参加メンバーがそれぞれ検討尽くして、厚みあと0.5mmをどうするか…という中で、最後は機構開発部さんが「なんとかします」と言い切ってくれるんです。

女性でも持ちやすいように背面のコーナーRにこだわった
2013年発売の<SH-04E>

最初、どうにかするってどうにかなるの…?と思っていたのですが、実際、試作、量産試作を重ねて、最後商品スペックとして測定する値は、目標サイズにピッタリに納めてきてくれるんですよね。さすが技術者さんだなぁと感動してしまいました。具体的に何をしたんですか?と後から聞いたこともあるんですが、 「ぐっと潰す」っと言われたときは笑いました。何事も気合いが大事ですね。冗談だとは思いますが!
その後テレビの事業部へ異動した際は、テレビは大画面で十分面積があるため、背面のキャビを外すと中身がスカスカに見えて、こんなにも違うのか!と驚きました。さすがに8Kモニターの1号機は、85V型の大画面でさえ、背面キャビの中身はパンパンで、8Kはやっぱりすごいなと思ったのも懐かしいです。

② 色味の見え方が変わってしまったイルミネーション

もう一つ通信時代で思い出深いのは、初めてメイン担当をした<SH-07E>という機種で、White、Black、Orangeの3色展開でした。筐体下部分に透明パーツを入れて、LEDの光がきれいに映えるイルミネーションも一つの特長としていました。イルミネーションの色味も訴求できるように、少し凝ったカラー名にして、ソフトを実装していたのです。

最後、量試もできてきて、ソフトもほぼ最終となり、これからは新製品のプロモーションに力をいれていこうと思っていた矢先、機構開発部さんから呼び出されました。「Orangeの筐体でのイルミネーションの見え方が、他の筐体カラーと異なっている」。急いで技術棟へいくと、Orangeの筐体のイルミネーションの透明パーツは、他のキャビと合わせるためにオレンジ色に着色しており、そこを通したイルミネーションの光は、指定したイルミネーションカラー名から想像する色味と異なってしまっていたのです。

2013年発売の<SH-07E>
当時ガラスとフレームを一体化する技術によって狭額縁と前面にも3色カラバリを展開

完全に私の各筐体カラーでのチェック漏れでした…。カラー名の選択肢をなんとか、カラー1、カラー2などのユーザーに色味を想起させない名称に変更する方針を決め、当時の事業部長へ報告しにいったのを覚えています。了承してもらいつつ、注意を受けたのもありますが、こだわってカラー名称を作っていたにも関わらず、結局普通の名称にせざるをえず、確認を怠っていた自分自身の未熟さにとても落ち込みました。なぜあのときもっと確認しておかなかったのか… 。幸いにも大きなクレームなどはなかったですが、それ以降、今でも試作品での確認を重視するようにしています。

③ 試作、量産試作品がかわいくて仕方がない

商品企画をやらせていただいていて、個人的に一番わくわくするのは、試作、量産試作品が届いたときです。先般の構造検討会や、商品構想をとことん関係者で練って、決めた仕様の商品が、実際に試作品や量産試作品として形が出来てくると、もう私は我が子のように製品がかわいい。(子どもがいたことありませんが笑)特に、その検討が大変だった製品こそ、そういう愛情が出てきてしまいます。到着後、外観や中身チェックがてら、細部まで見るのですが、心のなかでずっと商品に「よくできてきたね」と話しかけています。

また、上述の反省をふまえ、気になったところはすぐに開発に問い合わせるようにしています。以前、到着した量試品に入っているテレビスタンドの種類が違うことがあり、すぐに開発部門から生産工場に確認したこともありました。形は同じで、表面の色味、仕上げが違うだけという仕様だったため、確かに見分けることは難しいのです…。実際お客様の届くところで発生するともっと大事になってしまうので、再度管理を見直せたことはよかったかなと思っています。

ありがたいことに、毎年のように商品を発売する事業部にいるので、このワクワクに多く出会え、リリースや発売のときは、いざ旅立って、多くの人の手に届くことを思うと、企画をやっていてよかったなと心から思います。その分、社内で他本部でも新商品や新サービスのリリースやニュースを見つけると、それまでの苦労が見え隠れして、つい応援したくなります。

今夏秋の新製品説明会で関係者みんなで記念撮影
みんなほっとしています

今、特に日本では、人々のライフスタイル、趣味嗜好が多様化し、それぞれに適した商品が沢山販売されています。作り手としては、より多くのお客様にヒットする商品を出すのが難しくなっているのを感じ、新たなアプローチが必要ではないかと日々感じています。そしてヒット商品やサービスがあると、どのようにして多くの人々に届いているのか、響くのかを分析していたりします。 例えば、今有名な某コンビニジムは、ジムだけでなく美容にアプローチしたり、結果の見える化として入会特典に体重計やスマートウォッチを配布していたり、宣伝は店舗まわりで敢えて有人スタッフを配置してチラシを配り、見学を案内したりと、サービス構成やマーケティングも大変勉強になりました。

私も今テレビの商品企画として、テレビの新たな楽しみ方について模索中です。放送番組やネット動画をみるだけでなく、もっとお客様の利便性や使い方を提案していきたいと思っています。昨年7月から約1年間デジタルヘルスケア事業推進部に所属していたこともあり、家庭でできる健康寿命を伸ばすための取り組みが必要であることを学びました。ですので、リビングにあるテレビを使って、お客様が自然と健康となる暮らしをお届けできないかなと考えています。
その他、「こんなテレビの機能がほしい」、「こんなサービスがあるといいな」など、ご意見・ご要望がございましたら、いつでもご提案ください!

新製品説明会でモデルさんと美しく撮影される新製品
多くの人に届きますようにと願いを込めます

次のバトンは、通信時代に大変お世話になり、知識の幅広さにいつも頼りにさせていただいていた

新規事業開発統轄部 第一開発部
西本望さん

へつなげたいと思います。よろしくお願いします!

(林里奈/TVシステム事業本部 Global商品企画統轄部 国内商品企画部)


≪シャープ横断♪バトンリレー≫とは…?
みなさんの人脈を駆使しバトンのようにコラムを繋いでいくという、太古の昔からある数珠つなぎ企画!第19走者はTVシステム事業本部の林さんでした。第20走者は、林さんからバトンを託された西本さんです。お楽しみに♪

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