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シャープが8Kにかける思い 「8Kエコシステムで世界を変える」

当社は、「8K※1とAIoTで世界を変える」を事業ビジョンに掲げており、世界初の70V型8K対応テレビを、今年10月に中国、12月に日本で、そして70V型8K映像モニターを来年2月に台湾、3月に欧州で発売します。また、8K関連機器として、業務用8Kカムコーダーを12月に日本で発売し、来年以降には北米、中国、台湾でも発売する予定です。

8Kは、単に映像が高精細で鮮明になるだけの技術ではありません。放送・映像分野だけではなく、医療やセキュリティ等への展開も見込まれ、ひいては社会を変える可能性も秘めています。

そこで、今回は、8Kがいかに高い可能性を秘めた技術であるか、そしてそれを実現するために当社が掲げる「8Kエコシステム」戦略について、責任者である8Kエコシステム戦略推進室長の西山さんに話を聞きました。

※1 現在の地上波放送の16倍の解像度を持つ映像技術のこと。2018年12月の実用放送開始に向け、2016年8月より試験放送が行われている。

 

取締役 兼 執行役員 8Kエコシステム戦略推進室長の西山さん

 

-まず初めに、当社が8Kに取り組む理由を教えてください。

(西山)当社は、1953年に国産第1号テレビを開発・発表してから、半世紀以上、テレビの最新技術の開発・発展に取り組んできた歴史があります。カラー化、大型化、薄型化、高精細化と開発を進め、より実物に近い映像を映し出す「究極のテレビ」を目指してきました。そして、解像度が8Kまで高まると、映像が人間の目で実際に見ているものに限りなく近くなり、実物とほとんど見分けがつかないほどのリアル感が得られることが分かりました。

山の風景を映せば、木々の細かい部分までハッキリと見えるので、あたかも実際にそこにいるような感覚になりますし、人物を映せば、産毛や小さな黒子(ほくろ)までハッキリと見えます。見えなかったものが見えるようになり、今までの映像とは、受ける印象が変わるのです。

実際に8K映像をご覧になればお分かりいただけると思います。JR東京駅の八重洲口にあるショーウィンドウ赤坂サカスで開催されているイベント「ホワイトサカス」で展示していますので、是非一度ご覧いただきたいと思います。「百聞は一見に如かず」です。

 

JR東京駅「サイネージ ショーウィンドウ」設置イメージ

 

-「8Kエコシステム」について、分かりやすく教えてください。

(西山)「エコシステム」とは、聞きなれない言葉かもしれませんが、元々は「生態系」という意味です。ビジネスにおいては、事業を1社だけではなく、複数の企業や団体等と協力して、一緒に発展させていく考えのことを指します。「8Kエコシステム」は、当社だけではなく、他の企業の方々とも協力し、お互いの持つ強みを組み合わせて、8Kを発展・普及させていく戦略となります。

 

 

(西山)映像をお客様にお届けするには、表示装置だけではなく、撮影・編集、蓄積、配信など、一連のプロセスが必要となります。長年にわたりテレビを開発してきた当社には、映像を「受信」し「表示」する製品の開発・製造に関する強みがありますが、映像制作用機材については、このような開発・製造の蓄積がありません。先日発表した業務用8Kカムコーダーの開発においては、8K映像関連技術を持つアストロデザイン株式会社様のご協力を得て、世界で初めて「8K映像の撮影、収録、再生、ライン出力」を1台で実現する業務用8Kカムコーダーを開発することが出来ました。

 

1台で「撮影」「収録」「再生」「ライン出力」できる 業務用カムコーダー<8C-B60A>

 

(西山)業務用8Kカムコーダーの発売により、8K映像制作の入口である「撮影」をより身近なものにできると考えています。これを機に、クリエイティブな方々が8K映像の撮影・制作に挑戦し、たくさんの作品が生まれ、多くの人々に楽しんでいただけることを期待しています。

 

-「8Kエコシステム」は、当社の力だけではなく、他社との協業で展開していくのですね。
では、そこで開発された技術や商品は、具体的にどのような分野で社会を変える可能性を秘めているのでしょうか?

(西山)映像が高精細な8Kになると、これまで以上に精細な映像が撮影でき、従来の2Kや4K映像ではぼんやりと映っていたものが、ハッキリと鮮明になります。これまで見えなかったものが、見えるようになるのです。そして、その映像の高解像度、高精細度を活かし、データとして利用することで、様々なインフラやシステムを進化させ、産業の発展に繋がると考えています。

 

(西山)例えば、医療分野では、内視鏡カメラに8Kが既に採用され、腹腔鏡手術に使われ始めています。これまでの内視鏡カメラでは、映像の解像度が足りず、患部の様子を鮮明に見るためには、カメラを手術部位に近づける必要がありました。ところが、近づきすぎると、カメラが手術器具と接触する可能性が高まり、手術が困難になっていました。しかし、8K内視鏡カメラを使用することで、少し離れたところから撮影をしても手術部位が鮮明に映ります。そして、当社の70型8Kモニターと接続すれば、手術部位の様子を大画面で共有できるため、手術がより安全かつ正確に行えるようになりました。

セキュリティ分野では、防犯カメラを8Kにすると、人々の顔を従来よりも鮮明に映せるようになり、これを、顔認識システムと連動させれば、目標とする人物をより容易に発見できるようになります。防犯カメラの映像から、群衆に紛れるターゲットを瞬時に探し出すスパイ映画のようなことが実現できるのです。

また、8Kはインフラのチェックにも活用出来ます。例えば、橋を8Kカメラで毎日撮影すると、遠くから撮影してもハッキリと映せるため、位置のズレ、すなわち橋の歪みの進行を検知することができると考えています。撮影した映像を、異常を検知するためのデータとして活用する。線や点を鮮明に映せる8Kならではの活用方法だと思います。

これらは、8Kの持つ可能性の一部です。他にも、半導体工場の品質検査工程に8Kカメラを導入し、取り付けられた部品のズレを検知する等のアイデアもあります。8Kには、社会や産業に進化や変化を促すポテンシャルが有ると思いますし、他の技術と組み合わせれば、その可能性はさらに広がります。

 

-どのように8Kの可能性は広がるのでしょうか?

(西山)8Kと他の技術のコラボさせることで、その可能性をさらに広げることができると考えており、私達はそのことを、「8K+(プラス)」と呼んでいます。

例えば、「8K+5G※2」の場合、データ量の大きい8K映像を次世代通信システムで配信することで、映像を伝送するケーブルが届かない場所でも、高精細な8K映像を楽しめるようになります。こちらは、株式会社NTTドコモ様と協力して「5G技術を活用した8K映像のマルチチャンネル伝送実験」を進めており、先日実験に成功しました。
※2 第5世代移動通信システムのこと。

 

「8Kマルチチャンネル伝送実証実験」システム構成図

 

(西山)「8K+AI(人工知能)」として、AIと組み合わせれば、膨大な情報量を持つ8K映像データをAIが解析する、という仕組みを構築できます。今までにない新しい体験や価値を生み出す可能性がありますので、現在具体的なアイデアを検討していますし、他の企業や研究機関、団体の方々からのご提案にも期待しています。

当社の強みと他社の強みを持ち寄り、早期に「8Kエコシステム」を構築し、8Kを世の中の大きな流れにすることにより、産業の発展に寄与していきたいと思います。

 

-当社の8K技術だけではなく、他企業が持つ技術と組み合わせることで、その可能性を広げていくのですね。
では最後に、今後の展望を教えてください。

(西山)当社はこれまでディスプレイのパイオニアとして、テレビやモニター等の表示機器から映像の進化に関わってきました。8Kはその進化の方向性に沿ったものではありますが、単純に映像がより細かくなり、テレビや映画など映像の臨場感が増すだけではありません。精細さや情報量が増えることで、医療やインフラ等、様々な分野に変化をもたらす可能性を秘めたものなのです。一年後の2018年12月には、8Kの実用放送がスタートしますし、製品や仕組みが加速度的に8Kへ変わっていくと思います。当社は、8Kを普及させることで、より便利でより安全で、ワクワクするような「8K社会」の実現に向けてその役割をしっかり果たしていきます。
新生シャープとして新しい価値を生み出し、新たな商品やサービスをご提供し、社会を変えていきたいと思っています。

〝シャープ8K〟是非ご期待下さい!

 

(広報担当:O)

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