4月2日(土)に、グランフロント大阪にあるカフェラボで、「ロボティクス THE トップ対談」イベントが行われました。
新しい都市の祭り「うめきたフェスティバル2016」のプログラムの一つとして開催したこのイベントでは、
ヒューマノイドロボットの研究で著名な大阪大学教授 石黒浩先生と
『ロボホン』の共同開発者であるロボットクリエイター 高橋智隆先生との対談が実現!
“ロボットの研究開発が、ビジネスや生活にどのように影響するのか”
“人工知能やロボットの進化”
などをテーマに、様々な角度からロボティクスについてお話しいただきました。
“人間を超えた囲碁ソフト”の話題をきっかけとした、
“本当の人工知能とは何か”についてのお話を一部抜粋してご紹介します!
ロボットが実現する、本当の人工知能とは
左:高橋智隆先生 右:石黒浩先生
~前略~
石黒先生 こういうロボットが普及した後に出てくるのが、本当の人工知能で、今までは、ゲームに勝つとか、ルールがすごく明確に定義されていて、環境の変化がない。明確に定義されている狭い問題ですね。それから、記憶力さえよければいい。まぁそういったところが解けたということですね。
ただもちろん、解けないよりも解けた方がすごいわけで、でも、人間のような、深い複雑な思考ができるわけではないし。心を持ってますかとか、意識がありますかとか、人間のように判断ができますかというと、それではないですよね。
高橋先生 世界中であれに対する評価がね、ちょっと誤解を生んでいるのかなという気が私もします。結局、まず、ゴールが見えてるわけですね。ゲームであれば。つまり、勝敗というものがあって、どうすれば正解であって、どうすれば不正解であるか、どうすれば勝ちであり、どうすれば負けであるかというのがちゃんと決まっているわけです。
でもね、我々普段の生活の中でどれが正解ともなく、なんとなく暮らしているわけですよね。そういうものって評価のしようがなくて。とすると、繰り返しディープラーニングをしていって、どっちの方向に進んでいったらいいかっていうことも、定めようがないのかなと。
とすると、目的が明確にあるものについては、あの方法で人間を超える結果を出してくるでしょうし、逆に、なんかふんわりとした正解がないようなこと。実は正解がないようなことって、我々が普段当たり前にやっているどうでもいいことなんですね。だから、どうでもいい、なんでもないことをするのが、実は一番、ロボットであったり、コンピュータにとっては大変なのかなと思っていてですね。
~中略~
なんとなくおしゃべりをしようとするロボットを作ろうと思うと、非常に難しくてですね、たぶん、石黒先生も私も、いろんな壁にぶつかりながら、でもそのたびに新しい、なんていうんですかね、コミュニケーションのつぼだったり。
石黒先生 本当にね、何が難しいのかっていうのは、実はあんまりよくわかっていないんですよ。で、人間がどうやって小さい時から学習して、今のような自由な思考ができるようになっているかっていうことは、本当はよくわかっていないんですよね。だから、厳密に比べると、もしかしたら、もうとっくにコンピュータの方が優れているかもしれない。
ただできないのは、こういうしゃべりですよね。だから絶対できていないのは、進化の過程で人間が得たこういう感覚器とか、運動能力とか、その環境適応能力ですよね。そんなのはまったく今研究されていないので、ボードゲームとか、簡単なブロック崩しのような、コンピュータの中で行うようなゲームだけを一生懸命解いているわけですよね。
要するに体がないんですよ、コンピュータは簡単に言えば。でも体を持った時に、どういう難しいことが起こるのかっていうのは、まったく研究されてなくって。だから、次の大きな研究テーマはロボットにあるって言われてるんですよね。だからこれから、本当のロボットの時代が来るんだと思います。
~中略~
エージェントっていうか、人らしいものっていうのは、人間わかりやすいですし、そういうものを欲しがるんですよね。必ず僕らは新しいメディアを探しに行きます。より便利になるし、より意志疎通しやすくなるのでね。
結論から言うと、スマホでもPCでも、コンピュータグラフィックスのエージェントは役に立たなかったと。今ほとんど誰も使っていないですよね。だから、こういう新しいロボットが、まぁ小さいロボットね。大きいロボットはもうちょっと時間がかかるかもしれないですけど、小さい対話型のロボットが流行る可能性があって、そういうものが出てくると、はじめて本当の人工知能ですよね。
体がなければ絶対頭は成長しないですし、人間もそうです。脳だけで生まれてきたら何も学習できないですよね。複雑な問題が解けないわけです。だから今のコンピュータは、囲碁とか簡単なコンピュータの中のゲームしか解けていないわけで、人間のやっている日常的な、知的な活動とは程遠いものなわけですよね。だから、これから本当にロボットが普及して、本当の人工知能の時代がやってくるというのが、正しい見方かなと思いますね。
高橋先生 我々も実際にこのロボットを目にすると、作っている我々ですら出来上がってみて、心の琴線に触れるものがあったりするんですよね。ちょっと動かしてみて、なんか生きているような感じがするとか、逆に不自然だとか。そういういろんな感情を感じる。それはやっぱり、最初の構想段階、設計段階では決してわからないことで、それがその存在自体、動き、コミュニケーション全部で起きている。それがまた、新しい課題を発見している瞬間なのかなという風に感じています。
~後略~
対談の続きは、こちらの動画をご覧ください。
『ロボホン』に会いに行こう
東急プラザ銀座の7階にある「HANDS EXPO」には、6月末まで『ロボホン』の体験スペースがあります。
『ロボホン』体験スペース
https://robohon.com/special/hands-expo.html
『ロボホン』とお話ししたり、写真を撮ってもらったり。
ぜひ『ロボホン』との楽しい時間をお過ごしください。
スケルトンモデルの展示も。
「ロボホン、バイバイ」って言うと、「バイバーイ」って返してくれました。
JR有楽町駅から歩いてすぐですので、
東京にお寄りの際は、ぜひ遊びに来てくださいね。
(広報担当:M)
『ロボホン』公式サイト
https://robohon.com/
『ロボホン』体験スペース
https://robohon.com/special/hands-expo.html
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