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テレビからアザーンの響き。一体感でインドネシア市場を拓く!

「アザーン」と聞いて、ピンとくる方は少ないのではないでしょうか。イスラム教では、1日に5回、メッカの方角をむいてお祈りをすることはよく知られていますが、その礼拝の時間を教えてくれる呼びかけがアザーンです。「神は偉大なり」という意味の句「アッラーフ・アクバル」を繰り返し、ムスリム(イスラム教徒)は、モスクから流れるアザーンを聞いて礼拝の時間を知ります。その礼拝の時間が地域によって微妙に異なるため、モスクの近くにいないムスリムは、自分のいる場所の礼拝の時間を把握する必要があるそうです。

昨年10月、当社のインドネシアにおける現地法人のシャープ・エレクトロニクス・インドネシアが、アザーンを流すことができる液晶テレビ「アザーンテレビ」を発売しました。アザーンテレビの開発に携わった社員に話を聞きます。


液晶テレビ開発部門の下河辺さん(左)とインドネシアで営業を担当する堀内さん

―開発のきっかけは?

(堀内)
もともとインドネシアの現地社員のアイデアだったんです。インドネシアは人口2億6千万人のうち約87%がムスリムという、世界最大のムスリム人口を擁する国なので、アザーンを流すテレビはどうだろうかと。そこで、二人で企画を固め、開発の下河辺さんに相談しました。

(下河辺)
話を聞いた時は、タイマー予約すれば簡単だろうと思ったんです。でもこれが甘かったとすぐに気づきました。

―どういうところが難しかったんでしょう

(下河辺)
インドネシアは東西に約5,000kmと長く、たくさんの島からなる国です。まずはそれぞれの場所の日の出や日の入りの時刻を計算し、そのあと地域による微妙な差を計算するシステムを作っていったんですが、簡単に計算できるものではなかったんです。その地域の基準になるものが、地域によって異なるということで、それを一つ一つ調べていって、正確な時刻をシステムに反映していきました。少しでも間違えるわけにはいきませんから、イスラム教の権威にも監修していただきました。

 


アザーンの時間を選択する画面

―アザーンテレビを実際に使っている方の声を聞かせてください

(堀内)
テレビを見ていると、テレビ番組の音が小さくなり、アザーンが流れます。礼拝の時間がわかって助かるという声はもちろん、お子さまの教育に役立っているという話も聞きました。「そろそろ礼拝の時間だから準備しないとね」ということが、自然と身につきそうだとおっしゃっていただいています。

―都市部と周辺地域で、売れ行きに違いはありますか

(堀内)
インターネットに接続できるスマートテレビはもともと都市部でよく売れていたのです。ところがアザーンテレビは周辺の地域でよく売れる。実は都市部にはモスクが多く、アザーンが比較的身近にあるんですが、例えばヒンズー教徒が多いバリ島や、キリスト教徒が多い西ティモール地域などでは、モスクの数が少ないこともあって、礼拝の時間を知るのにアザーンテレビを利用したいという方が多かったのです。これは嬉しい驚きでした。

―営業と商品開発の距離がとても近いと感じます

(下河辺)
そうですね。「こんなこと考えてるんだけど、どうかな」とすぐに相談があるので、刺激になります。アザーンテレビだけでなく、色んなアイデアがありますよ。ローカルフィット商品は、やはり現地の人の声を反映させるのがいちばんなので、堀内さんたち現場の販売メンバーからの提案は貴重です。


インドネシアでの会議の様子

(堀内)
開発メンバーにすぐに相談できる雰囲気があって、非常に助かっています。それに自分たちのアイデアが形になると、現地社員たちのモチベーションがすごくあがります。アザーンテレビも、現地社員はこれまでにないほど営業に力が入っていますね。

 

―ところで、堀内さんはシャープに入社するとき、海外での勤務は希望していたのですか?

(堀内)
はい、入社前に海外で生活していたことがあり、海外で仕事をしてみたいという気持ちはありました。上司の理解もあって、入社して4年目でマレーシア、7年目からインドネシアで仕事をしています。今年で入社して11年目になります。今は日本の部門に所属していますが、1年のうち半分ぐらいはインドネシアに行っています。

―海外で仕事をするにあたってどういうことが不安でしたか?

(堀内)
最初に担当したのが、日本式の営業の海外への展開でした。展示会の開催や、お客さまへの接し方など、日本でのやり方が現地で受け入れられるのか、不安でしたね。まず、厚さ2センチぐらいの日本の展示会開催のマニュアルを翻訳して現地スタッフに見せたところ、パラパラ~っとめくっただけで「なんとかなるさ」と言われてしまいました(笑)。現地社員とコミュニケーションを密にとり、日本のやり方のいいところを吸収してもらいました。初めは英語だけでしたが、今ではインドネシア語を織り交ぜながら現地社員と会話をしています。コミュニケーションをとるには、そのほうがやっぱりいいですね。

実は当社の液晶テレビは、2017年からインドネシアで販売台数1位になっています。これからも1位であり続けたいですね。色々と試行錯誤しながら、現地で受け入れてもらい、それが実を結んできて、大きなやりがいを感じています。

―ありがとうございました。

開発者と営業担当者が一体となって実現したアザーンテレビ。さまざまな苦労を乗り越えながら、開発まで1年かかったそうですが、そんなエピソードを楽しそうに話してくれたのが印象的でした。次はどんな新しいローカルフィット商品が生まれるのか、楽しみにしていてください!

(広報担当:Y)

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