こんにちは、広報担当のUです。
みなさん、突然ですが、シャープは家電だけを作っている会社ではない!ということをご存じでしょうか? 今回、自動搬送ロボット(TYPE-G、集中制御システム AOS)という製品が2020年グッドデザイン賞を受賞しました。
自動搬送ロボットとは?
聞きなれない製品名だと思いますが、この製品、普段目にすることはなくても私たちの生活に深く関係しているんです。
今回は自動搬送ロボットについて開発担当者とデザイナーに聞いてきました!その模様を前編・後編2回に分けてお伝えします。前編は自動搬送ロボットという製品についてです。どうぞご覧ください。
自動搬送ロボットとはどういった製品なのでしょうか。
生産工場や物流倉庫などで、あらかじめ設定したコース上を自動で走行し、部品や製品などを搬送するロボットです。自動搬送装置やAGV(Automated guided vehicle)とも呼ばれています。(以下「AGV」といいます)従来、人が手で持つ、もしくは、台車を押して運んだり、ベルトコンベアに積んで運んだりしていた工程の効率化や省人化が図れます。
当社は、20年以上前から自社工場向けに独自に開発していましたが、2017年より外販(販売)を始めました。
AGVは今後ますます活躍が期待できる製品ですが、それはなぜでしょうか。
社会情勢の変化から労働人口の減少による人手不足、倉庫や工場の作業・管理の効率化を図るための働き方改革などがますます進んでいます。それらの課題解決に向けて、人に代わって自動でモノを運搬するAGVは、ますますニーズが高まると考えられます。
シャープにはさまざまなサイズや形状のAGVがありますが、開発において大切なことはなんですか?
使用されるお客様の要望に応じたAGVを提供することです。
当社は40cm四方の小さなものから、1トンの重さを運べる大型のものまで幅広いベースモデルを展開しています。搬送するものや使用環境、運用方法などによって求められることが異なるため、お客様ごとに綿密なヒアリングを行い、その中からお客様のニーズに合わせてカスタマイズした提案を行います。
例えば当社が取り扱っているAGVは、最近では工場で製品を運んでいるもの以外にも、レストランで料理を運ぶために工場や物流用をアレンジした配膳専用AGVもあります。
開発において苦労した点は、お客様の目に触れることからデザイン・操作性に配慮することはもちろん、重さのある料理を運ぶうえに、汁物などがこぼれないように揺れにも対応する必要があること。また、濡れたものを置くこともあるので防水加工にすることが大変でした。さらに、店内を走行するのでお店の雰囲気に合わせた外観デザインにしています。
昨今、非対面・非接触のニーズが拡大している中、飲食店の配膳に使用されるケースが増えており、シャープのAGVもレストランで活躍しています。
私たちの生活とどういった関りがありますか?
ふだん目にすることはないかもしれませんが、私たちが日々使用している家電の中にある部品や通販で購入した商品、朝食べたレタスなどが生産の過程ではAGVに運ばれているかもしれません。そう思うと意外と身近に感じますよね。
例えば、最近では農業用としての導入が増えてきています。こちらは広島県にある「日本農園」さんのレタス畑です。ハウス内で発泡ボードを自動搬送しています。水耕栽培で使用する発泡ボードを数十枚、台車と合わせて最大約200kgの重さのものを積んで、およそ100mの距離を行ったり来たりします。従来、それだけの重さのものを人が運んでいたので、AGVを導入し、自動的に搬送することによって生産者の方の負担を減らすことができました。
―ありがとうございます。
シャープの自動搬送ロボットは使う人や場所、載せるモノによって姿や形を変えながら、オリジナリティ溢れる製品としてわたしたちの生活のサポートをしています。ただ「運ぶ」という作業だけでなく、働く人の一部としてAGVが担っているということがよく分かりました。
次回はグッドデザイン賞を受賞したAGVのデザインについて聞きます。こうご期待!
広報担当:U
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