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想像を超える映像美と、包み込む立体音響 4K有機ELテレビ『AQUOS QD-OLED』誕生!

4K有機ELテレビ『AQUOS QD-OLED』<FS1ライン>

当社は、mini LEDバックライトと量子ドット技術により圧倒的な輝きと色再現を実現した『AQUOS XLED』<EP1ライン>を2022年末に商品化しました。

このたび、『AQUOS XLED』と並ぶフラッグシップモデルとして、有機ELテレビにも量子ドット技術を採用した『AQUOS QD-OLED』が誕生しました。

今回は、あたかもその場にいるような映像美と、包み込む立体音響を体感できる4K有機ELテレビ『AQUOS QD-OLED』<FS1ライン>を中心に、スタンダードモデルながら画質・音質とも進化した『AQUOS OLED』<FQ1ライン>も含めた、新製品の特長やこだわりについて、商品企画担当の小林に聞きました。

4K有機ELテレビ『AQUOS QD-OLED』<FS1ライン>、商品企画担当の小林
4K有機ELテレビ 左:『AQUOS QD-OLED』<FS1ライン> 右:『AQUOS OLED』<FQ1ライン>
  • ※ <4T-C75EP1>は2023年1月末から発売中。

― 『AQUOS QD-OLED』<FS1ライン>の特長を教えてください。  

最大の特長は、「量子ドット有機ELQD-OLED)パネル」を新たに採用し、多彩な色を再現性高く鮮やかに映し出すことです。『AQUOS XLED』<EP1ライン>で好評だった量子ドット技術を、有機ELテレビにも採用しました。

従来の有機ELテレビは、有機ELの白色光をカラーフィルター(赤・緑・青)に通すことで色を作りますが、画面の明るさを補う目的で白のサブピクセルも存在しており、色が薄くなる副作用があります。特に、明度が高い色を映し出すときは、色が薄くなる傾向がありました。

これに対して「量子ドット有機EL」は、有機ELの青色光を、カラーフィルターではなく、量子ドット層で波長変換し、純度の高い赤・緑・青色を生み出します。また、白のサブピクセルがない赤・緑・青3色で発光する構造により、明るいシーンでも芳醇な色再現が可能です。

「量子ドット有機ELパネル」は、赤色と緑色の成分を明確に分離させることで、混じりけのない光の3原色(赤、緑、青)を生み出します。

また、従来の有機ELテレビは、カラーフィルターで着色した後、駆動回路を通る構造(ボトムエミッション方式)ですが、「量子ドット有機ELパネル」は、駆動回路が発光層の下にあり、光を遮らない構造(トップエミッション方式)により、高輝度かつ広い視野角特性が得られます。

こうしたことから、FS1ライン>は、これまで表現できなかったくすんだ色から、明度の高い色まで多彩な色を正確かつ鮮やかに再現できるほか、広い視野角特性により、テレビの正面だけでなく、斜めからでも美しい映像をお楽しみいただけます。

― 性能を発揮するため工夫したこととは?

有機ELテレビは、パネル面の温度が上がり過ぎると、その高い画質のポテンシャルを発揮できなくなります。<FS1ライン>は、アルミ製の放熱プレートに加え、熱分散に長けた炭素製の放熱シートを組み合わせた当社独自の2層式放熱構造「クールダウンシールドⅡ」を採用しました。当社従来製品<CQ1ライン>に比べると、約2.5倍の放熱性能があり、発光の妨げとなる熱上昇と温度ムラを抑えることで、明るい映像を映し出します。

加えて、有機EL素子の発光量とパネル面の温度分布をリアルタイムに解析し、発光量を約829万画素単位で緻密に制御する「クライマックスドライブ」回路を搭載しています。「量子ドット有機ELパネル」の持つ輝度、色彩性能を最大限引き出します。画面全体が暗いシーンでは、漆黒からきらめきまで緻密に階調を描き、画面全体が明るいシーンでは、色彩豊かな表現力により、鮮烈さとリアリティを兼ね備えた美しい映像を再現します。

― スタンダードモデル『AQUOS OLED』<FQ1ライン>の画質はどうですか?

もちろん<FQ1ライン>の画質も進化しています。輝度性能に優れた有機EL素子と、発光にともなう発熱を効率的に抑える放熱構造「クールダウンシールド」を組み合わせた高輝度「S-Brightパネル」を採用しています。また、S-Brightパネル」の明暗表現力を引き出す「スパークリングドライブ EX」回路により、漆黒の夜空にきらめく花火や星々などを明暗豊かでダイナミックに映し出します。

なお、先にも説明している通り有機ELテレビは、放熱性能が画質を左右します。「クールダウンシールド」は、500円玉厚の分厚いアルミ製の放熱プレートを採用しています。これは、煮物に使う鍋から着想しています。熱伝導率が高いアルミ製で、かつ厚みのある鍋を使うと、短時間で温められ、熱が均等にムラなく料理に伝わるそうです。ここからヒントを得て、分厚いアルミ製のプレートで検証した結果、<①温度が上がり過ぎない ②すぐに下がる ③ばらつきが少ない>ということが分かりました。

<FS1ライン>はこれに加え、熱分散に長けた炭素製の放熱シートを組み合わせた2層式放熱構造「クールダウンシールドⅡ」なので、さらに放熱性が高くなっています。

― 今年6月発売の4K液晶テレビ『AQUOS』にはAIプロセッサーを採用していますが、今回の有機ELテレビ新製品にも採用されていますか?

同様に、AIプロセッサーを採用した画像処理エンジンを搭載しています(<FS1ライン>:「Medalist S4X」、<FQ1ライン>:「Medalist S4」)。映像モード「AIオート」は、100万以上の映像を学習したAIが、人の顔や空などを高精度で検知。映画やドラマ、スポーツなどの番組のジャンルに合わせて色彩・明暗・精細感などの画質調整を行うとともに、音質の自動調整も可能です。

* 画像処理エンジンの詳細については、製品情報ページもしくは4K液晶テレビ『AQUOS』<FN1/FN2/FL1ライン>のブログをご参照ください。

― “音”にも力をいれているんですよね。

はい。包み込まれるような音声を届ける音響システム「AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS」を搭載しています。画面上部にツィーターおよびミッドレンジスピーカー(ハイトスピーカー)を配置させ、下部(フロントスピーカー)だけでなく上部からも音を出すことで、音の定位が画面中央へ移動、映像と音声の一体感を生み出し、あたかも画面中央から音声が聴こえるようにしています。

また、通常のハイトスピーカーは、真上に音を出し、天井の反射音のみが視聴者に届くものが多く、天井が高い設置環境によってはうまく音が届かない場合もありますが、新製品は20°前傾させて音を放出することで、反射に加え、視聴者に音が直接届きやすくなるので、クリアな音質と立体音響を同時に実現しています。

加えて、立体音響フォーマット「Dolby Atmos」との相乗効果で、ハイトスピーカー非搭載モデルと比べて、より音に包み込まれるような音響体験をお届けします。

さらに、<FS1ライン>には、ミッドレンジスピーカー(フロント)とサブウーハーに、マグネットの磁気回路を強化したスピーカーユニット「パワーボイススピーカー」を搭載。低域から高域まで音域特性の異なる5種類11個のスピーカー(最大音声出力85W)を組み合わせることで、豊かな音場をクリアでパワフルに再現します(<FQ1ライン>は「パワーボイススピーカー」非搭載で最大音声出力70W)。

このように、新製品は、明暗豊かな映像と迫力の立体音響により、あたかもその場にいるような視聴体験を可能にします。

― 便利な機能などありますか?

「Google TV」を搭載し、40万本を超える映画やテレビ番組にアクセスできるほか、「Google アシスタント」に対応し、ハンズフリー音声操作で、テレビに話しかけることで、リモコンに触れずに、映画検索、音楽再生、音量操作、電源のオン・オフなどができます。映画や動画、ゲーム、その他アプリ等、スマホの画面を直接テレビにキャストできる「 Chromecast built-inTM 」も搭載しています。

また、ビデオ通話アプリ「Google Meet TM」に対応し、別売のUSBカメラを接続することで、テレビの大画面でビデオ通話が可能なほか、カメラアプリ「リビングカメラ」で、テレビ画面を鏡のように使用(ミラー機能)するだけでなく、YouTube TM 動画とミラーの同時表示が可能です。

さらに、歩数や心拍数、体重、血圧などの変化をわかりやすくグラフで表示する「AQUOSヘルスビューアー」アプリをプリインストールし、日々の健康管理をサポートするほか、放送や動画アプリをどのぐらい視聴しているかを確認できる「AQUOSスクリーンタイム」アプリを搭載しています。

ほかにも、USBハードディスク(別売)の録画番組を番組名ごとにフォルダ表示する「まと丸」機能や誤操作による大音量を抑制する「最大音量の制限」機能、画面を左右に計30度調整できる「回転式スタンド」など、使い勝手を高める便利機能を採用しています。

これらは、製品情報ページ4K液晶テレビ『AQUOS』<FN1/FN2/FL1ライン>のブログでも詳しく紹介していますのでご参照ください。

― 開発時にこだわったところなどがあれば紹介ください。

「量子ドット有機ELパネル」は、従来のテレビとは色域、輝度、階調の特性が大きく異なり、このパネルが持つポテンシャルを十分に生かした画質設計を実施しています。一例として、パネルの色域が広がると原色部分はよりビビットで鮮やかな色再現が可能となりますが、これをそのまま使用してしまうと人間が目にする機会の多い肌の色などの再現に影響が出てしまいます。そこで、ビビットな原色の色再現と、人間の肌の色の忠実再現の両方にこだわった画質設計を行うことで、放送からネット動画まであらゆる映像に夢中になれる画質に仕上がったと思います。

― 最後に、今後の抱負や新製品への思いを教えてください。

私が、有機ELテレビを担当して4世代になりますが、画質・音質ともに当社有機ELテレビ史上最高のものができたと思っています。
また、広い視野角特性で、斜めから見てもきれいになるので、家族や友人など複数人で一緒に視聴するのにピッタリのテレビです。画質・音質にこだわりのある方はもちろん、リビングのテレビとしてもご検討いただきたいです。

今後は、画質・音質の追求はもちろん、かゆい所に手が届く新しいテレビを提案できればと思っています。

― ありがとうございました。


私は古い液晶テレビを使用しているので、斜めから見るとあまりきれいに見えません。しかし、今回、紹介した有機ELテレビは画質・音質にこだわっただけでなく、どの位置からも美しい映像が楽しめ、とても魅力的な製品です。

テレビ購入をお考えの方、『AQUOS QD-OLED』『AQUOS OLED』新製品の映像と音響を、ぜひ店頭で体感してみてください。

(広報H)

<関連サイト>
■製品情報:テレビAQUOSサイト (『AQUOS QD-OLED』<FS1>『AQUOS OLED』<FQ1>)
■ニュースリリース:4K有機ELテレビ『AQUOS QD-OLED』『AQUOS OLED』2ライン4機種を発売

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