【グッドデザイン賞W受賞!】大きく変わったAQUOS スマートフォン!「AQUOS R9」「AQUOS wish4」デザインの秘密に迫ります!
2024年10月28日
わっしょいしょーい!
7月に発売した「AQUOS R9」「AQUOS wish4」が、『2024年度 グッドデザイン賞』を受賞しました!!さらに「AQUOS R9」は特に優れた100件とされる『グッドデザイン・ベスト100』に選定されました!パチパチパチ~!
『グッドデザイン・ベスト100』を含めた 4件が『2024年度 グッドデザイン賞』を受賞
ブランドアンバサダーに松田優作氏を迎え、ブランドイメージを刷新したAQUOSスマートフォンですが、「AQUOS R9」はそのデザインも「AQUOS R8」から大きく変わりました。
どういう想いでこのデザインにしたのか気になりませんか!?
今回は「AQUOS R9」「AQUOS wish4」のデザインを監修していただいた、miyake design 三宅一成代表と、シャープ 通信事業本部 デザインスタジオ 部長の川に直撃インタビュー!その神髄に迫りました!
■世界でも通用するデザインを
――まずはグッドデザイン賞受賞、おめでとうございます!
(ふたり)ありがとうございます!
――どうして前モデルからデザインを大きく変更したのでしょうか。
AQUOS R8では、背面の大きな1/1.55インチ センサーカメラが特長でした。
まず、日本から発信するスマートフォンで海外でも挑戦していきたい、世界でも通用するブランドにしていきたいという想いがありました。ブランドにおいてデザインはとても大切で、イメージを補完するもの。そういう考えから、今回デザインを大きく刷新することにし、その上で、世界でも通用するデザインにするため、新しい考え方やコンセプトを取り入れる必要があると考えました。また、デザインを大きく変える、という点では「外の風をいれたい」と考えていました。
――そこで三宅さんにお願いすることになったと。
社内の人間だと、前モデルから画面がさらに大きくなった、カメラ性能が良くなった、バッテリー容量が増えたとか、どう進化したかという商業ベースの発想がどうしても 必要だし、そういう考え方になってしまいます。より魅力的なデザインを考えてバージョンアップしていく、というイメージですかね。ですが、今回はブランド刷新という命題があったので、一旦ゼロベースにしたいなという想いがありました。
――なぜ三宅さんだったんですか?
三宅さんのデザインの「あたたかさ、やさしさ」が、今回のAQUOSが目指すブランドの方向性と合致すると感じて、また、三宅さんは海外でも活躍されているデザイナーでいらっしゃるので、社内のデザイナー含め、たくさんのデザイナーさんを検討した上で、結果、三宅さんにお願いすることにしました。
■「丸の引力を操る」スペシャリスト
――では、ここからはデザインのこだわりを伺っていきたいと思います。
何といっても「AQUOS R9」のデザインは、自由曲線で囲われたカメラのデザインが最大の特長だと思います。どういった経緯でこの自由曲線ができたのでしょうか?初めて見たとき、個人的には、かわいくって、ふわっとした感じを受けました。
私も、初めて見たときはすごく不思議な浮遊感を感じましたね。
今回、ブランド刷新にあたって、デザインのコンセプトを「機能の高性能感をデザインする」から、「情緒的価値でデザインする」にシフトチェンジしたんです。
スマートフォンだけでなく、世の中のプロダクトデザインの主流って水平垂直で揃えていくのが鉄則で、やっぱり安心感があるんですよね。それを崩して揃えないっていうのは・・・
勇気がいりますよね!
めちゃくちゃいります(笑)
ですが、水平垂直だと安心感はあるんだけど、無機質に見えます。人間の顔って左右対称ではなく、左がちょっと上がってたり、片方が小さくて片方が大きかったりしますよね。それが自然な形だと思うんです。通常のプロダクトは水平垂直、左右対称があまりにも正確すぎて生物的な感じがしない。ちょっと冷たい印象を与えてしまいます。そこに少し崩しをいれることで温かみを感じるというか、優しさを感じるというか、そういったところに繋がってくるのかなと考え、カメラを囲う自由曲線ができていきました。
そうですね、スマートフォンでそういう感覚を出すためにとブラッシュアップしていきました。
――自由曲線の中に配置されている、カメラの位置についてもそういう想いが?
もちろんです。バランス取りっていうのがとても難しくて。 この自由曲線の中には要素として、丸が3つあるんですが、この丸って引力があって、それぞれがお互いに引っ張られて形が歪んで見えたりするんです。それを、変な違和感はないけど、良い違和感だけが残るような配置にうまくハメる作業はとても難しいです。心地よい違和感があるようなデザインをこころがけています。
絶妙なバランスです。0.1mmでもズレたら別物になってしまうんですよね。本当に、三宅さんは「丸の引力を操る」スペシャリストです(笑)
■「呼ばれる感覚」を表現
――なるほど。丸に引力。。。凡人にはわからない領域ですが、なんとなく理解しました(笑)先ほどおっしゃっていたキーワード、「情緒的価値」はどこから生まれたのでしょうか?
洋服みたいに、「なんかいいよね」と感覚で選ぶものをスマートフォンでもつくりたいなって。例えば、なんか商品に呼ばれる感じがする、みたいなことってありますよね。お店に行って、あそこの黄色い服、赤いバッグがなんか私を呼んでいる気がする、、、みたいな。ああいった感覚がスマートフォンに落としこめないかなと考えていきました。家電や電子機器って特にそういった感覚が起こりにくいものではあると思うので、情緒的な感覚、「呼ばれてる感覚」みたいなものを大事にしようと話しまして。
どうしてもスマートフォンの購買動機は、今使っているものが壊れた、新しい機能が追加された、カメラ性能が良くなった、など、機能が良くなったから買い換えるというケースが多いと思います。機能を形で表現するっていうことは、それはそれで間違ってなくて、そういったニーズは必ずあると思います。今まではどちらかというとそういった方たちに向けてデザインしていました。
でもそれは、シャープだけじゃないと思っていまして。他のメーカーも機能価値やスペックをデザインに表現しています。そのために、スマートフォンのデザイン表現自体が全体的に画一化してきているなと感じていました。 道具的で機器的な印象のデザインが世の中に溢れている。そういった中で、機能的じゃないベクトルもあっていいよなと、思ったんですね。
――全体的に画一化されてきたスマートフォンのデザインに刀でブスッといったわけですね!
一石を投じたといいたいんですかね?まぁいうなればそういうことです笑
――他にもこだわりのポイントを伺いたいです。
カメラ周りの自由曲線の側面、ちょっとキラっとしてますよね。これ実は2段カットになっているんです。よく見ると面が2つになっているんです。
これによって繊細さや上質感がうまれるんですけど。
キラッと見えて、かつ、肌あたりを考えてカットしたところが鋭くなりすぎないような、0.01ミリの世界のせめぎ合いをエンジニアとして。
通常カットだったら、ドリルで一回グルっと切削すればいいんですが、2面だと2回切削しないといけないのでコストもかかるんです。机の上に置いたときに直接接しないようになど技術的な点もあります。
このキラっとみえる切削手法は昔からあるんです。ダイヤカットといいます。今の時代、逆に敬遠される技術ではあって、下手すると古くみられる手法ではあるんです。
切削の幅を1ミリとかにしてしまうと、だいぶダサくなってしまいますよね。
幅を限界まで細くしてキラっとさせることで、逆に新しくみえて、さらに下品にならずに高級感を出せて、繊細さを演出しています。
ダイヤカットは、細かくなればなるほど均一にするのが難しいんです。太いところができたり、細いところができたり。それって逆に品位が悪く見えてしまいますよね。今回これだけ繊細なダイヤカットを均一に施すことができたのは、NC加工技術が進歩したおかげです。
※NCは「Numerical Control」の略。工作機械をコンピュータで制御して切削を行う加工方法。
そうですね。しかも普通の円形じゃない、自由曲線で実現できたのは、エンジニアリングのたまものですね。
もうひとつのこだわりは、背面のアルミフレームとガラスのハメコミです。
ちょっとガラスがとび出していて、その角が曲面になっているんです。2.5Dガラスというんですが。こうすることで、ハイライトがキラン っと走ります。
反射の入り方がキレイになって、さらに持ったとき、より手に馴染みます。
エンジニアリングが入ることでリアリティが増しつつ良くなっていきました。最初に出したデザイン案が、最後までイメージ通りにいくケースはあまりないのですが、今回はほぼそのままリアルになって商品化となりました。このゆるくてかわいい感じをシャープさんはよく形にしてくれたなと思います!
――そもそも、三宅さんはシャープからの依頼をなぜ受けてくださったんですか?
スマートフォンって他の商材よりも制限がガチガチにあって、デザイナーとしてはあまり自由にできない商材ではあるんです。ですが一方で、人が毎日、ほぼ24時間身に着けて、そばに置く、「人に近いもの」でもあります。そのせめぎ合いがデザイナーの腕の見せ所で、素直にやってみたいと思いました。さらに、「AQUOSスマートフォン」のブランドイメージを刷新するということでおもしろいブロジェクトに参加できるなとも思いました。結果的にとてもおもしろいプロジェクトになりました。ね、川さん。
本当にそうだと思います。
――最初に三宅さんのデザイン案を見たときはどう思いましたか?
それが、このデザインを見た瞬間、私はビビビビっときたんですよ。本当です!(笑)
最初に3案いただいたんですが、それぞれ全然違うアイディアで作っていただいていて。すごくふり幅のある3案だったんですが、その中でも採用案を一目見たときから、私の中では「コレだ!」と決まっていました。
――川さんには光って見えたんですね(笑)
ピカーっと光ってました(笑)
――採用案が三宅さんの推しの案だったんでしょうか?
僕たちは案を出すときにはどれが推しとかは決めていないんですよ。全部の案が1位になるようにしています。ピカーっ(素敵なスマイル)
――これはプロフェッショナルにとんだ愚問を!失礼いたしました(反省)
では、案が決まってからはスムーズにプロジェクトは進んだのでしょうか?
そうですね、上質な質感の追求や品質コントロールなどすごく細かいところまでの詰めの作業は、やっぱり日本のメーカーのシャープさんだなと感嘆しました。デザイナーとしては、そういった細かいところまで入り込んで、こだわってものづくりができるのはありがたいんです。やはりそういったこだわりはシャープさんならではだと思います。
最後までしっかりと見届けていただけるっていう面も三宅さんにお願いした理由のひとつです。
――シャープ側から「これは無茶でしょ」みたいな変な要望とかはなかったんでしょうか? (笑)
それが、、、、
本当になかったです(笑)そういうのがあれば記事にしやすいんでしょうけどね。
そういうストーリーがあったら良かったんですけどね(笑)
実際は本当に穏やかにスムーズにプロジェクトは進みました。
■「目玉焼きみたい」
――海外にも通用するようにとおっしゃっていましたが、実際、海外からの反応はいかがでしたか?
可愛い、見たことない、日本発の「Japanモダン」を再定義するようなデザインといった反応が多くありました。その中に、「日本っぽい」という反応もあり、海外メーカーのデザインとは区別化できたのかと思います。 目指したのは職人の手でつくられた抹茶碗。同じ形で量産されているようなコップではなく、手に持った時に、なんかわからないけどしっくりくる、みたいなところを表現したかったんですよ。だから「日本っぽい」と言われて、海外の方にその辺りの味わいがあるあたたかさが伝わってるんだという、嬉しさはありました。
デザイナーの友達からはすこぶる評判が良くて。「絶妙な形がここちよい」「今まで思いつかなった」とべた褒めです笑
――「AQUOS wish4」も三宅さん監修でしょうか?
「AQUOS R9」をベースに社内のデザイナーがデザインして、それを三宅さんに監修していただきました。
■「呼ばれる感覚」を表現
――「AQUOS R9」のカラーは2色です。グリーンがメインカラーというのは珍しいですよね。
はい、ずっと「心地よい違和感」という話をしていますが、色でもそれを表現したくて。グリーンは環境によって見え方が変わるグリーン、ホワイトは環境になじむホワイト をチョイスしました。
グリーンって難しいカラーのひとつなんです。カラーの市場調査をしても、人気が下の方で、グリーンのプロダクトはなかなか世の中にでてこない。
普通だったらあんまり選ばない道かもしれないですね笑
プロダクトの周りの環境から色を決めていくことが多いんですが、スマートフォンが実際に使われる環境では、ベッドの上や机の上にポンと置かれたり、ポケットにはいっていたり、バッグにはいっていたりします。こうやってまわりの環境を考え、どういう色がふさわしいか、「まわりの環境から逆算」して色を決めていくんです。
で、このグリーンの色味ですが、明るい蛍光灯の下にポンと置かれたときには色味が見えなくなって、変に悪目立ちしない、鮮やかな場所に置かれたら色味が沈んで見える、逆に色味がない環境に置かれると色がぱっ と見えてくる、といったように、環境によってイメージが変わる色味にできないかと考え、探していくうちに、多種多様なグリーンの中から このグリーン にたどり着きました。
逆にホワイトの色味ですが、白といっても何千種類もある中で、 赤みも青みもない、かなりニュートラルな白を選びました。世の中にはたくさんの色があふれているので、どんな環境にもなじみやすい白を選んでいます。
また、スマートフォンの素材であるアルミの色と組み合わさったときにより映える白にもなっています。
――通常だと、〇〇グリーンだとか●●ホワイトだとか、カラー名称があると思うんですが、今回はシンプルにグリーンとホワイトですね。これもこだわりが?
そうですね、名前のイメージに引っ張られず、その持ち主によってグリーンのイメージが広がるように。
なんとかグリーンにしてしまうと、やっぱりイメージが固定化してしまいますから。
――発表当初、ネットではあるキャラクターに似ている、など盛り上がりを見せました。
全く何の意識もしてなかったんですが、ネットで言われているのを見て初めて気づいて、なるほどと思いました笑
海外からも目玉焼きのような可愛いデザインといわれたり、そのように〇〇みたいという比喩表現で語ってもらえたりするのは、それだけ印象の強いデザインなんだなと改めて感じました。
――比喩表現で語られることに対して三宅さんはどう思われていますか?
嬉しいですよ。そのデザインに関心を持ってくれているってことですからね。良い意見も悪い意見も貴重でありがたいです。
今までにないデザインなので、発売前から賛否両論あるだろうとは思っていました。デザインを変革するときにはつきものですが、全員がいいねというデザインは新しいものになっていない危険性があります。やっぱり賛否両論あって、複合的に判断していくべきで。カメラを真ん中に持ってくる、センターサークルという機能的なデザインの方が好みの方もたくさんいらっしゃると思いますが、今回、それとはまったく違うデザインにしたことで、AQUOSの新しいユーザー獲得につながっていると思います。
――実際、「AQUOS R8」と比べて「AQUOS R9」は約3倍の販売と好調のようですね!(2024年10月29日時点)。さらにグッドデザイン賞を受賞です!
ありがたいです!本当にうれしい。
それに限ります!
――では、最後にお客様にメッセージをお願いします。
僕らとしては、「いい感覚のもの」ができたなと思っています。それを感じて、もしよければ使ってもらえればハッピーです!
「いい感覚のもの」ってふわっとしてますかね笑
――いえいえ、とてもデザイナーさんっぽいです!笑
今回のデザインで、スマートフォンデザインの新しい軸を作ったなと感じています。できれば店頭で実際に見て持ってさわってもらって、心地よい違和感を楽しんでもらいたいです。
お店で商品に呼ばれてほしいですね!デザインが変わったなという印象だけではないと思います。ディテールや、作り込みの完成度の高さも体感していただけたらと思います!
――取材にご協力いただきありがとうございました!
いかがでしたでしょうか。新しくなった「スマートフォンAQUOS」のデザインの神髄にせまりました!丸には引力があるとか、商品に呼ばれる感覚とか、パワーワードのオンパレードで、デザイナーさんならではの視点がとても興味深かったですね!デザイナーさんたちのこだわりがつまった「AQUOS R9」「AQUOS wish4」、ぜひ店頭でふれてみてください!
私はこんな熱いこだわりを聞いてしまったら最後、めちゃくちゃ欲しくなってしまいまして、グリーンを買いますと会社で宣言しようとしたら、既に隣の先輩がグリーンを買っていました笑 なので私は、ホワイトを買おうと思っています~!笑
そしてそして~!!
グッドデザイン賞W受賞を記念して、抽選でAmazonギフトカード(500円分)を 500名様にプレゼントするキャンペーンを開催中です!詳細は下記サイトをチェックしてくださいね!
■キャンペーン期間
2024年10月17日(木)~2024年11月11日(月)
■賞品・当選人数
Amazonギフトカード(500円分):500名様
■詳細はこちら
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そしてそしてそして~~!!
10月29日には「AQUOS R9 pro」「AQUOS sense9」を発表しました!!
こちらの2機種も三宅さん監修です。発売が楽しみですね♪
詳細は下記リリースをご覧ください。
スマートフォン「AQUOS R9 pro」を商品化
スマートフォン「AQUOS sense9」を商品化
【関連リンク】
製品サイト
・シャープ スマートフォンAQUOS公式サイト AQUOS R9など最新機種情報 (jp.sharp)
・AQUOS R9の特長|AQUOS:シャープ (jp.sharp)
・AQUOS wish4の特長|AQUOS:シャープ (jp.sharp)
リリース
・スマートフォン「AQUOS R9」を商品化
https://corporate.jp.sharp/news/240508-f.html
・スマートフォン「AQUOS wish4」を商品化
https://corporate.jp.sharp/news/240508-e.html
・スマートフォン「AQUOS R9 pro」を商品化
https://corporate.jp.sharp/news/241029-h.html
・スマートフォン「AQUOS sense9」を商品化
https://corporate.jp.sharp/news/241029-g.html
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