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【物流について考えよう】シャープ物流お役立ち企画チームブログ 第6回:総合機械商社のエンジニアに伺った話

2025年1月6日

著者:広報C

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みなさま、こんにちは。シャープ物流お役立ち企画チームのミヤザキです。長らく時間が空いてしまいました。最近は、展示会などでお会いした方々とお話しする機会が増え、ブログの更新ができておりませんでした。申し訳ございません。

今回は、すこし前になりますが9月の展示会でご一緒させていただいた、第一実業株式会社でエンジニアリングを担当されている神谷さまと、先日お話しさせていただいた時の内容についてご紹介したいと思います。

9月の展示会と第一実業株式会社の神谷さまについて

展示会は、東京ビッグサイトで9/10~9/13まで開催された国際物流総合展2024です。当社はこの展示会で、第一実業さまのブースで新製品の「スリム型スタッカー自動搬送ロボット」のデモンストレーションを行いました。わたしたちはこの展示会に向け、開発中の新製品リリースの準備を含め、第一実業さまと計画立案から長期間にわたり出展準備を進めてきました。神谷さまは第一実業さまのブースでデモ内容推進の全体取りまとめ役で、デモを行うメーカー各社との調整をされていた方です。

 

第一実業さまは、総合機械商社として機械設備などを取り扱われている企業です。
そのなかのエレクトロニクス事業を行っている事業部が、LOGITO(ロジト)というブランドで物流の自動化を打ち出した取り組みを行っています。LOGITOを3年前に立ち上げ、この10月にはLOGITO戦略チーム(LST:LOGITO Strategic Team)という組織を新たにつくり、物流の取組みを強化しています。いまは他事業部とコラボするなど、会社全体でLOGITOという物流ブランドに注力しているとのことです。

国際物流総合展をやってみて

神谷さま)LOGITOブースの来場者数は、昨年に比べ2倍以上に増え、過去最高記録となりました。今回の展示では、物流の上流から下流までいろんな提案を集め、商材にしばられない最適解をお客様が見つけられるようにするという商社ならではの価値を、いろんなメーカー様とコラボして具体的に示すことができました。

ミヤザキ)展示会全体の印象はどのようなことをお感じになられましたか?私の印象としては、2024年問題はあまり大きく取り上げられていなかったように思うのですが。

神谷さま)2024年問題については対策すべきタイミングがすでに来ていて、わざわざ展示会で示さなくても投資フェーズにあるということなのだと思います。どちらかというと「2030年問題」の法令化のほうに関心が集まっており、物流倉庫の無人化に向かっているという状況ではないでしょうか。

「2030年問題」とは、少子高齢化に伴う労働人口の減少などにより、2030年に表面化すると予想される社会問題の総称です。物流業界においては、輸送能力の大幅な低下が予想されているため「2030年度に向けた政府の中期計画」が示され、この計画に基づいて本年「流通業務総合効率化法(物流効率化法)」「貨物自動車運送事業法」(新物流二法)が改正され注目を集めています。

工場と物流倉庫どちらが多い?

ミヤザキ)来場されたお客さまはどのような方が多かったですか。

神谷さま)比較的工場の方が多かった印象です。物流倉庫の場合は、省人化が自動化の目的になるのですが、投資効果を示すのが難しいと思っています。償却年数を考えても、設備が高すぎて予算に合わない場合が多い。一方、工場の場合は新工場の立ち上げや建屋改造など、大きな規模の投資があり、そのなかに含めて設備投資を含めてできるので予算化しやすいのでしょう。完全無人化の工場の立ち上げなど、大きな話も最近は増えてきています。

ミヤザキ)なるほど。

神谷さま)ただ、物流倉庫のお客様にとって展示会は効率よく情報収集できる機会であり、注目された商材についての商談が進みやすいと感じています。一方、工場の生産設備の場合は専門性が高く、テーマがしっかりしたお客様が多いので、メーカーの過去実績などを調べることのほうが重要となり、現場を見ないとわからない場合などが多く、展示会では得られる情報が少ないのです。

ミヤザキ)取り扱っている案件は工場と倉庫だとどちらが多いですか。

神谷さま)取り扱っている案件自体は半々ぐらいの割合でしょうか。工場向けは以前から実装機を扱っていた既存顧客に向けた物流の自動化のお話が多い。一方で、倉庫のほうは出荷場や入荷場などの新規案件が多いイメージです。あと、最近は自動倉庫の案件も多いですね。

ミヤザキ)自動倉庫も取り扱っているのですね。どのような関わり方をされているのか、詳しく教えてください。

神谷さま)案件ごとにこのメーカーのものがはまると思ったら、そのメーカーに声をかけます。パレットシャトルとかスタッカークレーンとかいろいろ扱います。お客様が課題とされていることを伺い、保管面積や能力計算を行いながら最適解を見つけます。荷量や荷重、入出庫の仕様のとりまとめまでやって、メーカーに依頼を出します。

ミヤザキ)自動倉庫を選ぶ際にどのようなところに注意されますか。

神谷さま)BCP(事業継続計画)対策がしっかりできているかですね。問題がおきても倉庫業務は絶対に遅らせることができない。業務が継続できることが重要です。トラブル発生時に、荷物が手動で取り出せるか。パレット自動倉庫など、はしごを昇ってアクセスできるか、などを確認していきます。

機械商社のエンジニアの仕事とは

ミヤザキ)商社のエンジニアの方のお仕事について、もう少し詳しく教えてください。

神谷さま)エンジニアにもいろいろあり、現場で設備を立ち上げる人もいれば、解析する人もいます。私は物流に関する案件の受注活動を担当しています。

 

ミヤザキ)どのようなお仕事になりますか。

神谷さま)生産設備の場合は、投資目的もはっきりしていて求められている能力も決まっていることが多く、決まった設備メーカーにお願いすればいいのですが、物流倉庫案件の場合は、お客様はメーカーを決めておらず仕様も決まっていない場合が圧倒的に多いです。それは、物流業界には日ごろから自動化に取り組んでいる人が少ないからだと思います。投資を行っていない部門が物流改善のテーマをもって予算がついても、どのように取り組んだらいいか分からないというお客様が多いように思います。私たちは、そのようなお客様と一緒に仕様づくりから行っていきます。

お客様の予算、納期、仕様の3つの条件と案件の確度も見極めて情報を整理し、メーカーを選定して見積もり依頼を出します。ロボットの台数とかも机上で計算して算出し、提案書にまとめるところまでやります。案件が進めば、お客様が社内で幹部に説明する日程をおさえて、それに合わせて資料作りを行っていきます。メーカーと共に投資の提案書をつくるところは、商社らしい対応になるかと思います。

この仕事はリスクも一緒にとらないといけない。コストファーストで進めると、システムアップは誰がやるのか決まってないとか、コンベアなど一部の構成要素のメーカー選定が漏れていたなどが起きる場合があります。私の仕事はまさに、案件全体をコントロールするオーナーという立場です。バランスを見ながら提案をつくります。極論すぎると、なかなかお客様の要望にマッチする提案がつくれません。

お客様のどのような姿にしたいという思いは伺うものの、仕様が固まらないなか、納期は決まっている。どうやってメーカーに依頼を出すか考えないといけない。諸条件は決められるけど、システム的な話は簡単にまとめられるものではない。

例えば、お客様からどのような荷物をどのくらい保管するか、1日どのくらいの出庫が必要かなど、導入したい機器に期待する能力などをヒアリングしてコストを試算し、概算の見積もりを出すまでは一旦まとめられるのだけれども、その後、確度の高い見積もりを設計する段で、選定する機器によってはより詳細な情報が必要でその情報が都度しか出てこないため、なかなか見積もりが完成する日程が読みにくいなどがあり、大変です。

ミヤザキ)なるほど、メーカー側のエンジニアとは異なるご苦労があるのですね。各社メーカーの商品の仕様などかなりの知識やスキルがないと難しい仕事だと思います。なにか、スキルを補うような取り組みとかされていますか。

神谷さま)畑違いのエンジニア数名でコミュニケーションを密にとるようにしています。週に一回ミーティングをして、それぞれのプロジェクトの状況を共有しながらディスカッションをしています。専門知識の異なる人たちが知恵を持ち寄ることでお互いが助かっています。

ミヤザキ)よくわかりました。私たちメーカーとしては、エンジニアの方に選んでいただける商品を多く出していくように取り組んでいきます。

神谷さま)シャープさんの製品はよく選定の候補にあがりますよ。カゴ台車に潜り込んで牽引するタイプなど、車体的に特長がある商品が多いですね。

ミヤザキ)ありがとうございます。これからもどんどん、特長のある商品を出していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

 

今回の国際物流総合展で展示した、「スリム型スタッカー自動搬送ロボット」は、幅700mmのスリム設計で、狭い通路(幅900mm以上)を走行でき、複数のケースを一緒に搬送できることが特長のケースハンドリングロボット(ACR:Autonomous Case-handling Robot)です。発表してからこれまで、多くのお客さまにご興味いただいております。今後もこのような特長のある商品を出しますので、ご期待ください。

 

「スリム型スタッカー自動搬送ロボット」の製品情報は下記サイトをご覧ください。
スリム型スタッカー自動搬送ロボット|自動搬送装置(AGV):シャープ (jp.sharp)

展示会の様子は下記の写真レポートから詳しくご覧になっていただけます。
国際物流総合展2024 写真レポート:シャープマーケティングジャパン (smj.jp.sharp)

第一実業さまの動画レポートは下記ご覧ください。
LOGITOソリューション「搬送→保管→ピッキング」 (youtube.com)

また、第一実業さまのLOGITO(ロジト)サイトは下記ご覧ください。
LOGITO(ロジト) – 物流自動化ソリューション (djk.co.jp)

また、シャープ AGV製品については製品情報サイトをご覧ください。
https://jp.sharp/business/agv

 

引き続き様々なお話を伺いたいと思います。
是非、下記メールアドレスまでお気軽にご連絡ください。
rb-plan@sharp.co.jp

私たちシャープ物流お役立ち企画チームからお答えいたします。

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