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“ちょっと先”の未来を見てきた。
2020年に実現される、5Gと8Kが創る未来のライフスタイル

 

日本科学未来館

 

当社は11月7日、「5G技術を活用した8K映像の12チャンネルMMT伝送に成功」という内容のニュースリリースを、株式会社NTTドコモ様と共同で発表しました。

当社が8Kで、通信事業者と実証実験を行うってどういうこと?普段見聞きしている今の通信方式とどう違うの?と疑問は深まるばかりでした。この疑問を解決できそうなイベントが開催されると知ったので、見学に行って来ました。

 

「見えてきた、“ちょっと先”の未来 ~5Gが創る未来のライフスタイル~」の会場となったのは、東京お台場にある日本科学未来館。11月9日から3日間、一般公開されました。

 

イベント会場入り口

 

プロローグは、1953年にスタートした日本で最初の移動通信の商用サービス「港湾電話」から始まった、移動通信の歴史を示すタイムトンネル。そこを抜けると2020年のメインホールへ入場です。

 

広いメインホールの中ほどに「5G Experience」というエリアがあり、そこに当社が実験に参加した「5G技術を活用した8K映像の12チャンネルMMT伝送」についての展示コーナーを見つけました。

 

「5Gで8K映像を身近に」の展示

 

8K映像モニターで観る映像が「5G」で送られてくる。

そもそもタイトルにある「5G」とは、何でしょう?

5Gとは、第5世代移動通信方式の略称で、現在使われている第4世代移動通信方式(4G)に比べ、数十倍の「超高速」、「超多数同時接続」、5分の1以下の「低遅延」といった特徴があり、それを生かした商用サービスの2020年開始が見込まれます。

 

5G基地局(左側)と5G端末(中央)、通信状況を表示するパソコン(右端)
回線容量の上限値(下)と比べ、計測値が小さく(上)まだかなりの余裕があることがわかる

 

実際に行われた「伝送実験」とは

会場では多数の電波が発信されており、他の電波との干渉を防ぐため比較的近い距離で無線伝送の実演が行われていました。実際の研究施設では、もっと長い距離での伝送実験も行っているとのことです。
写真は、5G基地局から5G端末へ8Kの映像4チャンネル分を同時に無線でMMT(MPEG Media Transport)伝送している様子ですが、研究施設では12チャンネル分の同時伝送実験にも成功しています。

また、5G端末側にあるパソコンに映された数値は、5Gの通信状況を表しており、まだかなりの余裕があることを示しています。この伝送実演では4チャンネル分の8Kの映像だけでなく、他の映像データも同時に送っていますが、回線容量の上限には達していないとのことでした。

 

8K映像受信装置
広帯域受信装置に「誤り訂正制御技術」を実装

 

この実証実験に携わってきた当社の担当者に、このプロジェクトに参加する意義を聞いたところ、

当社の強みは、今、世の中にある4Kベースの技術からさらに進んだ、超高精細な8Kディスプレイに映像を映し出す技術があること、とのことでした。この技術と、5Gという最新の通信環境を最大限に活かし、複数の8K映像を同時に、かつ安定的に伝送する技術に目処がついたのが、今回の実験における最大の意義だと知りました。

また、実際の通信環境は屋外です。建物や樹木、地形などさまざまな障害物や反射物の影響を受けます。せっかくの超高精細映像であっても、画像の一部領域が欠けるなど不安定な状況(ブロックノイズなど)となれば、実用性や価値は下がってしまいます。映像伝送品質の低下を防ぐための技術を、8K映像コンテンツ送信装置と高度広帯域受信装置に導入する検討も併せて行い、乱れの少ない映像の再現を検証しているそうです。

 

実証実験に携わってきた、パーソナル通信事業部の設楽さん(左)と通信・映像技術研究所の留場さん

 

この5G技術革新は、将来的にはスポーツ競技や音楽イベントの超高精細なライブ映像や、遠隔地にあるインフラ施設の高精細監視カメラ映像、医療現場への活用など、多方面への応用に期待がかかります。高倍率ズームにも耐えるきれいな映像や、遅延の少ない安定した通信環境で、ストレスの少ない視聴が見込めます。

 

当社が8K映像のディスプレイだけでなくそれを届ける高度な伝送技術もあわせて開発していること、そこに複数の部門の社員が力をひとつに合わせ、新しい世界を築くために取り組んでいる姿をみて、頼もしさとともに大きな期待と広がりを感じ、会場を後にしました。

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関連サイト:SHARP 8K World

http://www.sharp.co.jp/corporate/8k/

(広報担当 Z)

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