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マレーシアとのテレビ会議から、ASEAN発『蚊取空清』のルーツを探る!

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日本では、「蚊に刺されるとかゆくなる」というイメージが強いですが、
東南アジアなどの熱帯・亜熱帯地域等にとっては、蚊を媒体とした感染症が身近な問題となっています。

蚊がもたらす社会問題の改善に少しでも貢献したいとの想いで開発された
プラズマクラスター空気清浄機『蚊取空清』<FU-GK50-B>は、
東南アジアで働くシャープメンバーからの発案により生まれました。

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プラズマクラスター空気清浄機『蚊取空清』
<FU-GK50-B(ブラック系)>

ASEAN発の商品となった『蚊取空清』は、昨年9月にマレーシア、10月にインドネシア、シンガポール、
タイ、ベトナム、11月にフィリピン、そして本年4月からは、日本でも発売されています。

商品企画やマーケティング、宣伝に関わったシャープ・エレクトロニクス・マレーシア
メンバーとテレビ会議を繋ぎ、『蚊取空清』が生まれたルーツを聞きました。

20160824-a-2マレーシアの商品企画・マーケティング・宣伝チーム

 

蚊のもたらす社会問題に、技術とアイデアで挑む!

――なぜ蚊を取る機能を搭載しようと考えたのでしょうか。

蚊のもたらす社会問題は、年々深刻化しています。近年の都市化による人口密度の上昇、開発ラッシュに伴う工事現場の水溜まりなど、蚊の発生場所の増加が一因だとも言われています。

そのような背景を受けて、生活者の心配事にポジティブな貢献をしたいと考え、蚊が取れる空気清浄機の開発に向け、日本の開発チームと取り組みをスタートしました。

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――空気清浄機で蚊を取るというのは、とても斬新であり、なかなか理解も得られなかったのではないかと思います。企画を突き通すそのモチベーションは、どこからきているのでしょうか。

私たちの周りでも、蚊を媒体とした感染症を発症した方が多くいます。会社を休まないといけない同僚や、家族・親類が入院した方、亡くなられた方もいます。病院では患者の受け入れが追い付かず、自宅療養を余儀なくされる話もあったと聞きます。

蚊を媒体とした感染症は、地域の人々にとってとても身近な脅威であり、この困り事を軽減できたら「自分たちの商品で社会に貢献できる」というワクワク感は当初からありました。どのように実現するのか具体的な方法が見つからず、なかなか前に進みませんでしたが、同じ目的意識を持っている事業部の協力もあり、商品開発に繋がりました。

 

――商品化にあたり、たくさんの検証を行ったとお聞きしています。

本当に効果がある『蚊取空清』を実現するには、現地で検証することが不可欠だと考え、公的機関であるマレーシア保健省医療研究所(以下、IMR)にアプローチすることにしました。

IMRに対しては、マレーシアのヘイズ(煙害)に対する現地大学との共同研究など、これまでの当社の取り組みなどを紹介し、蚊の脅威を低減できる商品の開発を目指したいという強い想いを伝えました。その取り組みと想いに賛同いただき、共同検証に協力いただくことになりました。生き物を対象とした検証には、繰り返しテストを行う必要があります。最終的には、1万匹以上の蚊を扱った検証となりました。

一口に蚊といっても、朝型や夜型など、その種類は多様であり、天候などの影響も受けるので、同じ結果が出ることはありません。良い結果が出て、「これはいける」と手ごたえを感じる時もあれば、うまくいかない時もあります。結果のばらつきの理由を一つひとつ確かめながら、課題をクリアしていきました。日本の開発メンバーもマレーシアまで来て検証に参加してくれたことで、IMRメンバーにもシャープの熱意や真剣さが伝わり、様々なサポートやアドバイスをしていただきました。

20160824-a-7蚊取りシート 使用後

 

――『蚊取空清』を広めるために、マーケティングや宣伝で工夫されたことはありますか?

「本当に蚊が取れるのか」というお客さまの疑問にお答えするためには、実際のテスト環境をお見せするのが一番だと考えました。IMRのテスト環境や試験風景をご紹介するYouTube動画を作り、ネット上や店頭でお客さまに紹介しています。

TVCMには、ASEANでも人気のドラえもんを起用しました。ドラえもんは、「革新的な日本の技術」の象徴としてもぴったりです。また最近では、認知度をもっと高めるために『蚊取空清』の宣伝入りの団扇を準備しました。チラシではすぐに捨てられてしまうので、ドラえもんのうちわにすることで、外出時でも使っていただくことにより、多くの人に商品を知ってもらおうと考えています。

20160824-a-6テレビ会議越しに見せていただいたドラえもんのうちわ

店頭では、蚊を取る方法を5つのステップでわかりやすくご紹介しています。また、店頭に立って接客するプロモーターには、販売手法の研修をすると共に、一人ひとりにアプローチブックと呼ばれる販売マニュアルを配っています。アプローチブックを見れば、蚊のもたらす社会問題の状況や、蚊を取る仕組み、プラズマクラスター技術や空気清浄機の機能など、製品の詳細が一目でわかります。プロモーターが店頭にいないときでも、『蚊取空清』の良さをお客さまに知ってもらうために、可能な限り店頭にモニターを置いて、動画を流しています。

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ASEANで使われている店頭POP

 

――お客さまから、“蚊が減ったことで孫が家に遊びに来るようになった”との声をいただいたと聞きました。 他にお客さまからの反響はありましたか?

ベトナムの企業の会議室に導入いただいたのですが、蚊がいなくなって会議に集中できるようになったと大変喜ばれました。それから、義姉から「蚊を取る空気清浄機って知ってる?」と連絡がありました。義姉が運営する家電販売店は空気清浄機を扱っていなかったのですが、お客さまから指名買いがあったらしく、私のところに連絡してくれたようでした。その時はとても嬉しかったですね。

 

――最後に、メッセージをお願いします。

日本やマレーシアを含め、様々な部門の方とのチームワークが生まれ、『蚊取空清』という一つのものを作り上げることができました。みんなの力で生まれた商品だと思っています。思い入れも強く、店頭で並んでいる姿を見ると、とても嬉しく、誇りに思います。しかし、ASEANでは空気清浄機の認知がまだまだ低いのも事実です。今回は蚊のもたらす社会問題に着目しましたが、今後は商品をあらゆる方向に拡大して、空気清浄機の可能性を追求していきたいと思っています。

――ありがとうございました。

 

テレビ会議越しに見るマレーシアの商品企画・マーケティング・宣伝チームは、
とても仲が良さそうで、お互いへの信頼の強さを垣間見ることができました。
この信頼関係があったからこそ、『蚊取空清』は生まれたのかもしれませんね。

(広報担当:M)

 

プラズマクラスター空気清浄機『蚊取空清』<FU-GK50-B(ブラック系)>
http://www.sharp.co.jp/kuusei/fugk50/

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