5月24(木)から27日(日)まで、東京都世田谷区のNHK放送技術研究所(以下、技研)で毎年恒例の「技研公開」が開催されました。
「よりリアルに、スマートに、あなたとつながる」をコンセプトに、放送技術の最新の研究成果を体感するだけでなく、技研が想定する2030年~2040年ごろの放送技術の未来像もあわせて紹介されました。
いよいよ今年12月には、この技研で産声を上げた超高精細映像システムの研究が、4K・8Kスーパーハイビジョンの本放送として始まります。当社もこの会場において、NHKと共同研究する8K関連の技術デモを行いました。
主な展示エリア
1.スマートプロダクション(AIにより効率的に番組を制作する技術)
2.コネクテッドメディア(インターネットを活用してユーザー体験を向上させる技術)
3.リアリティイメージング(より臨場感・実物感の高いコンテンツをお届けするための技術)
4.体験型展示
5.テレビ放送の歴史
広がる視聴スタイル
エントランスエリアにあるブースでは、技研が想定する放送技術の未来像を見ることができました。
10年以上先になりますが、3次元テレビが実用化され、実在する風景に様々なデジタル情報情報を重ね合わせて表示するAR(Augmented Reality)や、コンピュータが作り出す仮想の空間を現実であるかのように知覚させるVR(Virtual Reality)機器などの触覚デバイスが普及し、それによって番組やコンテンツの楽しみ方の多様化がより進むと予想されています。
誰もが時間や場所を気にせず、好みの機器を使ってさまざまなコンテンツを視聴・体感できる新しい放送・サービスの実現を目指して、さらに研究が進められます。
ブース中央には当社製の8K対応液晶テレビを設置。その画面には、日本の美の粋を極めたものとして、海外からも多くの観光客が訪れる足立美術館(島根県安来市)の日本庭園が映し出されていました。季節や天候によって刻々と変化していく庭園の様子を、さながら自宅の窓から眺めているような、感動的な体験をさせてくれました。
22.2マルチチャンネル音響の家庭視聴スタイル
8Kスーパーハイビジョンの音響方式である22.2マルチチャンネル音響(22.2ch音響)は、前後左右に加え上下方向にもチャンネルを配置した3次元音響方式です。3室の展示ブースでは、トランスオーラル再生法※や、より少ないチャンネル数への変換法を用いた、22.2ch音響を家庭で手軽に楽しむための音響システムを紹介していました。
※ トランスオーラル再生法:音源の位置から両耳までの音の伝わり方を再現することにより、スピーカーを増設することなく、あたかもその方向から音が聞こえてくるかのような効果を作り出す方法。
当社との共同研究成果を展示したブースでは、前方に配置した直線状のラインアレースピーカーによって、音楽ライブホールで体感するような側方や後方、上方から聞こえる音の方向感が22.2ch音響によって見事に再現されていました。
また、ラインアレースピーカーは、テレビと並べて設置する据え置き型のほかに、スピーカーユニットを小型化したテレビ内蔵型も実現可能とのことです。
この会場で、いち早く4K・8Kの美しい映像やよりリアルな音響を体験した見学者からは、今年12月に迫った4K・8Kの本放送開始への期待が多く聞かれました。
6月1日に、都内おいて4K・8Kの本放送開始半年前セレモニーが盛大に開催され、カウントダウンが始まりました。各放送事業者のロゴなども決まり、これから主要番組等の告知が開始されれることと思います。「SHARP Blog」と「8Kポータル サイト」では、12月1日に迫った本放送の開始に向け、当社の「8Kエコシステム」の取り組みに関する情報を引き続き総力を挙げて発信していきます。ご期待ください。
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(広報担当 Z)
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