5月23日に発売した 4K有機ELテレビ<CQ1ライン>について、開発担当者を代表して国内TV事業部所属の蔀(しとみ)、正木、廣井の3名に、商品のポイントや気になる機能について詳しく聞きましたので、ご紹介します。
4K有機ELテレビ <CQ1ライン> の特長
- 8K映像技術で培った新開発 4K画像処理エンジン「Medalist S1」による高画質
- BS4K・110度CS4Kチューナーを2基内蔵、「4K放送」が楽しめる
- 薄型デザインと高音質を実現した「FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUS」
- 画面の角度を左右に調整できる回転式スタンド
- Android TVTM 対応でネット動画が楽しめる、アプリの追加も可能
- リモコンにアプリダイレクトボタン(NETFLIX/プライムビデオ/ YouTubeTM など)搭載
―― 当社にとって初めての有機ELテレビを商品化したきっかけを教えてください。
(廣井)これまで8Kを筆頭に液晶テレビの商品化に注力してきましたが、4Kの大画面クラスにおける有機ELテレビの広がりとともに“シャープの有機ELテレビが欲しい”というお客さまからの強いご要望を多数いただきました。そのニーズにお応えしたいと思い、テレビ開発で培った画質、音質他のテクノロジーを搭載した有機ELテレビを商品化しました。
―― 当社の有機ELテレビは何が優れているのでしょうか。
(廣井)画質です。有機ELの特徴である「明暗表現力、鮮やかな発色」と、液晶で培ってきた「明るく、高精細な表現」を掛け合わせた高画質を実現しています。
さらに、当社独自特長の「前向きサウンド」や画面の角度を左右に調整できる「回転式スタンド」を採用することで、今お使いのAQUOSから買い替えていただいても、高画質や高音質、使い勝手はそのままに4Kテレビをお楽しみいただけます。
―― 高画質を実現する新開発の4K画像処理エンジン「Medalist S1」について具体的にお話しいただけますか?
(廣井)4K(3,840×2,160ドット)の有機ELパネルと、8Kテレビで培った映像技術を活かした新開発の4K画像処理エンジン「Medalist S1」を組み合わせることで、地上デジタル放送やネット動画などのさまざまな映像を4K情報量に高精細化するとともに、広色域技術で色鮮やかな映像を表示します。また、コントラストを緻密に表現する独自アルゴリズム「スマートアクティブコントラスト」を新開発しました。
これらにより、地上デジタル放送や4K放送の映像フォーマット、映像シーンごとの輝度情報に基づいて明暗を描きわけ、白飛びや黒潰れを抑えたリアルな映像を表現します。
さらに、「スマートアクティブコントラスト」によって処理した映像に、有機ELパネルの輝度性能を最大限に引き出す独自制御技術「Sparkling Drive」をかけ合わせることで、漆黒から煌めきまで緻密なコントラストを表現し、映像に自然な立体感を生み出しています。
―― 実現する上で苦労したことはありましたか?
(廣井)有機ELテレビは、シアタールームのような暗い環境で力を最大限に発揮するとされていますが、<CQ1ライン>では「明るい部屋でも高画質を楽しめる」をコンセプトに掲げ、試行錯誤を重ねました。8K、液晶テレビ開発で培ってきた映像処理、パネル制御技術を応用することで、明るい部屋でも明るく、高精細な映像を実現しました。これにより、明るいリビングでテレビを視聴しているお客様に最適な有機ELテレビとしてご提案できると考えています。
―― 次に、薄型デザインと高音質を実現した「FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUS」ですが、どんなサウンドシステムなのでしょうか?
(蔀)<CQ1ライン>は4Kプレミアムモデルとしてサウンドにも力を入れています。「FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUS」は音声を前方に導くリフレクター(反射)構造を採用したシステムで、サブウーハー(低音)を含む7つのスピーカーを搭載し、音声の総合出力は65Wの高出力です。
「FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUS」はスピーカーネットをなくした独自設計であるFRONT OPEN SOUND SYSTEM(特許取得済)の強化バージョンで、左右に10Wのツィーターを搭載することで、人の声の聞きやすさや高音域の表現力に磨きをかけました。
新開発のミッドレンジスピーカーは、薄型ながら大容量を確保したBOX形状で、ツインスピーカーユニットによる高音圧化とバスレフ構造の工夫などにより、テレビ筐体の薄型化と高音質化を両立させ、音声の聞き取りやすさと広がり感・臨場感を高めています。
―― サウンドシステムの開発で苦労したことはありましたか?
(蔀)音を優先しすぎると、有機ELテレビの特長である薄型デザインが損なわれてしまうため、限られたスペースでいかに高音質化を図るかに頭を悩ませました。いくつもの案の中から、大容量・高音圧化スピーカーと音をテレビ前方に導くリフレクター(反射)構造を新開発し、デザイン性と高音質が共存する細マッチョな音声システムが生まれました。
―― 「ツインスピーカーユニットによる高音圧化」と「バスレフ構造」について簡単に説明いただけますか?
(蔀)<CQ1ライン>の「ツインスピーカーユニットによる高音圧化」とは、薄型のテレビの内部にミッドレンジスピーカーを左右に2つずつ並べて配置することで、それぞれの音の出力を強化させているということです。
「バスレフ構造」とは、バス・レフレックス構造の略で、低音を増強する技術です。ここでは、バスレフダクトから出る音をリフレクター(反射)によりテレビ前方に導くことで、聞き取りやすさを高めています。
―― スタンドや壁寄せなど、置き方について説明いただけますか?
(正木)当社の液晶テレビAQUOSで「回転式スタンド」を採用しており、大変、ご好評をいただいていますので、4K有機ELテレビにも採用しました。画面の角度調整ができるだけなく、背面端子が見やすくなるほか、テレビの後ろ側のお掃除もしやすくなるのでおすすめです。
さらに、有機ELパネルの薄型デザインが活きる、壁寄せや壁掛け設置用のオプション品もご用意しました。壁寄せ設置を可能にする株式会社ナカムラ製の「WALLインテリアテレビスタンドS1」や、壁掛け設置用としてハヤミ工産株式会社製の壁掛け金具<MH-651B/W>(55型用)、<MH-851B/W>(65型用)があります。限られた設置スペースであっても、壁寄せや壁掛け設置をすることで、より大画面のテレビを導入できますので、ご購入に合わせて是非ご検討いただければと思います。
―― おすすめの便利な機能はありますか?
(正木)Android TV 対応なので、インターネットに接続していいただくと、テレビ放送だけでなくインターネット経由で配信されている YouTube の無料コンテンツなど、動画コンテンツも楽しめます。
また、対応アプリはここから確認できます。こちらに記載のないアプリも Google Play ストアからインストールして楽しむことができます。ゲームなどをインストールして楽しむ方が多いようです。
このプラットフォームを活かして、当社が進めるAIoT家電の拡がりをより便利に感じていただくために、当社製の Android TV アプリ「COCORO HOME VIEWER」(無料)に対応しました。スマホアプリ「COCORO HOME」と連携したAIoT対応家電がテレビ画面で確認できます。例えば洗濯機の運転状況や料理の出来上がり時間などの情報に加え、子供部屋の室温などもテレビの大画面で一度に確認できます。
リモコンにも、アプリダイレクトボタンを6個用意しました。ビデオ(COCORO VIDEO)、ココロビジョン(COCORO VISION)、カレンダー(COCORO CALENDAR)と人気アプリの「NETFLIX」、「 YouTube 」に加えて、今回から「プライムビデオ」のダイレクトボタンを新設しました。これらのボタンは、電源オフ状態でも、ワンボタンでアプリが起動しますのでとても便利です。
―― ありがとうございました。
1998年8月、当社の社長(当時)が「2005年までに国内のすべてのテレビを液晶に変える」と宣言し、2001年1月には初代の液晶テレビAQUOSを発売。他社からの参入も相次いで、液晶テレビ市場は急速に立ち上がり、アッという間に主流になりました。その後、地上デジタル放送への切り替えやBS4K8K放送の開始を経て、ここ数年は、有機ELテレビの需要も高まってきました。当社は、企業ビジョン「8K+5GとAIoTで世界を変える」でお伝えしているように「8K」の普及を推し進めています。そうした中、「シャープの有機ELテレビが欲しい」というお客様からの強いご要望にお応えして、今回、初めて有機ELテレビを開発しました。発売直後から、たいへんご好評をいただいています。これからも常にお客さまの声を大切にして、製品開発に努めていきたいと思います。
(広報担当:C)
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製品情報
https://jp.sharp/aquos/products/cq1/液晶テレビ AQUOS 4K <CN1ライン><CL1ライン>もご覧ください!
製品情報
https://jp.sharp/aquos/products/cn1/https://jp.sharp/aquos/products/cl1/
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