「そのデザインは誰かの気持ちを動かしているか。」
シャープデザインが実施する夏季ワークショップについてお伝えします!
(社員インタビュー篇)
2021年8月19日
こんにちは、広報担当のUです。
前回、当社が毎年夏に学生さん向けに行っているデザインのワークショップの取り組みについて、企画・運営を担当している桑原と竹下に話を聞きました。
今回は、過去にインストラクターとして参加した5名のデザイナーと、学生時代に参加した3名の新人デザイナーに話を聞きました。
インストラクターのみなさん
勝村 勇樹
白物家電の操作画面のUXデザインを担当
新技術提案のイメージ制作にも携わる
寧 静
国内/海外向けの新規事業のUXデザインを担当
大橋 良平
各商品ブランドやオンラインショールームの
ビジュアルコミュニケーションデザインを担当
シャープ全体のブランディング業務にも携わる
荒木 藍
HPやSNSなどデジタルメディアの
ビジュアルコミュニケーションデザインを担当
新規事業のブランディング立案にも携わる
―インストラクターとして参加したときの、率直な感想をお願いします!
( 張 )学生のみなさんが、アイデアを展開するために、ひとつの手法に捕らわれず、多くの手段を用いてチャレンジする姿勢が素晴らしいと感じました。
(勝村)参加された学生のみなさんの着眼点や思考の豊かさが興味深かったです。
( 寧 ) 自分の学生時代と、ワークショップに参加された学生のみなさんを比べて、分野を超えた視野の広さや考え方に驚き、時代の流れに沿って進化しているんだな、と感じました。
(大橋)みなさんのキラキラした様子と、課題に対する柔軟で自由な発想は私自身の刺激になりました。はじめは自分の学生時代を思い出し、プロのデザイナーとしての緊張が入り混じるような気持ちでしたが、一緒に課題に取り組み、デザインを検討していく中で自然とほぐれていった気がします。
(荒木)時代が進むにつれて使用するツールが変わったり、考え方が違ったりすることはありますが、「自分らしいデザイン」にこだわるのは、わたしのときと同じだな、と感じました。「これが良い」と自分が信じるデザインをどこまでも追求する姿勢は、すごく輝いて見えました。
―その中で、特に驚いたことはありますか?
( 張 )デザイン分野の境界線が曖昧になっていることですね。プロダクトデザインを専攻していても、造形の美しさについて語るだけではなく、対象とするユーザーがどのようなシーンで製品を活用するのかというストーリーや、ユーザビリティを自然に織り込んで課題に取り組んでいる姿勢に驚きました。
(勝村)アウトプットの形を制限していないところです。プロダクトデザインやUXなど、自分の専攻分野にとらわれることなく、問題を解決することを優先して考えられる柔軟な発想に驚きました。
( 寧 )学生さん同士が、助け合ったり、教え合ったりしている様子ですね。デザイン分野や得意なスキルが異なる人たち同士が意見交換しながら、新しい表現や手法にチャレンジする様子には感心しました。
(大橋) 専攻分野を超えて幅広く学んでいる方が多いことでした。コンセプトからデザイン制作まで一貫して勉強し、出された課題に対して幅広い知識で解決していこうとする姿勢に驚きました。
(荒木)学生のみなさんの「諦めない」姿勢に驚きました。プレゼン発表まであと少し・・・という状況でも最後まで諦めず、最終日にはしっかりとプレゼンしていた様子は見事で、心を動かされました。
―ワークショップ中、気を付けていること、大切にしていることはありますか?
( 張 )出された課題の規模が、例えば社会問題や環境問題などのように大きすぎる場合は、身近な話題に置き換えて考えます。そして発表するときは、身の回りのモノやサービスとしてプレゼンすると相手に伝わりやすいですよ、とアドバイスをしています。漠然としたままでは伝わりづらく、分かりにくい提案になってしまいます。
(勝村)私たちの役割は学生のみなさんの考えを助けることだと思っています。考えをより深めてもらえるよう、私たちも引き出しをできるだけ多く使って話をしています。私たちが、普段、業務上で聞かれるような質問をしたり、市場の動向をアドバイスに加えたりして、私たちを有効活用してもらえるように心がけています。
( 寧 )「ときどき消費者のひとりとして自分の提案を見直すこと」をアドバイスしています。学生のみなさんは短い時間の中で多くのことを同時に考えながら制作を進めなければなりません。そんな大変な時こそ「第三者の目線」で冷静にアイデアを見直し、どう伝えれば人の心を動かすことができるのか、意識しながら進めてもらうように気を付けています。
(大橋) サポートし過ぎないように気を付けています。期間中、学生のみなさんが悩んだり、迷ったりしていたらアドバイスすることもありますが、自身のアイデアや行動に自信を持って最終日を迎えられるようゴールまで並走するという距離感が大切だと思っています。
(荒木)「時間を意識する」ことの大切さを伝えています。業務では、限られた時間の中で、最高のパフォーマンスを求められます。アイデアを考えて、制作し、最終日のプレゼンに間に合わせる。インストラクターは、最大限サポートしますが、大切なのは自分自身でゴールをイメージすること。何が必要で、どこをあきらめるか予定を立てて、頭の整理を行いながら進めてもらいたいと思っています。
―学生のみなさんに何かアドバイスをお願いします。
( 張 )私が仕事をする上で大切にしていることは、「自分が欲しいものはみんな欲しいと思っている」ということです。人に響くような商品を作るためには、まず「本当に欲しいもの」を考えます。情熱を持って本当に欲しいものを創り、愛してほしいと思います。
(勝村)ワークショップは、同じ分野でも考え方や課題に取り組む方法が異なる人たちとコミュニケーションし、新しい繋がりを作ることができます。あまり気を張り過ぎずに参加されるのがいいと思います。自分に合った場を見つけられるように、弊社に限らずいろいろな会社のワークショップに参加するのもおすすめです。
( 寧 )課題に対してどういうプロセスで進めていくのか、学校によって大きく異なります。ワークショップへの参加は、それを知る良い機会です。参加することで、きっと見える世界が変わるはずです。いろいろな企業のワークショップやインターンシップに参加して、それぞれの会社が持つ雰囲気や現場の空気を知ることも大切だと思います。
(大橋) 自分が気になったことには何でもトライしてください。映画を見たり知らない土地へ行ったり、デザイン以外のことでも興味のあるものにはどんどん関わって体験する。コンセプトやテーマを考えるとき、経験からアイデアが出てくることが多いので、視野を広げ、学び、体験して引き出しを増やしておくことが大切です。また、学生時代は、ユーザー目線で客観的な視点を養える時期なので、好きなことに没頭するも良し、自分自身について考えるも良し、限られた時間を有意義に過ごしてもらえたらと思います。
(荒木)心が動いた時の感覚を覚えておくといいと思います。今、学生であるみなさんが感じる、嬉しいことや悲しいことが、社会人になっても同じように感じられるかどうかは分かりません。過去に自分はどういうところに心が動かされたか覚えておくことで、価値観を広げていけると思っています。また、自分と異なる価値観を持つ人の視点に立つことができれば、より「誰かの気持ちを動かすデザイン」につながると思います。
―インストラクターを経験したデザイナーのみなさん、ありがとうございました。
一方、さまざまな企業のインターンシップやワークショップに参加したことのある新人デザイナーの中から3名に、当社のワークショップの感想を聞きました。
新人デザイナーのみなさん
北谷 拓実
洗濯機のプロダクトデザインを担当
山下 萌音
新規事業のプロダクトデザイン業務を担当
大友 誉々
AIoT関連アプリのUXデザインを担当
―当社のワークショップに参加したときに感じた、良かったところや、印象に残ったことを教えてください。
(北谷)グループワークでのディスカッションで、自分の考えや意見がさらにブラッシュアップされ、良い提案に向かっていくことを実感できたのが良かったです。また、インストラクターの方々には、親身に相談に乗っていただき、緊張することなくプレゼンを進められました。第三者の目線でアドバイスや質問をいただけたことで、自分では気づかず省いてしまっていた内容も、初めて見る人には説明が必要であると、俯瞰して見ることの大切さを感じたことを覚えています。
(山下)幅広い分野の人が参加していて驚きました。学校や学んでいることが異なると、思考や制作方法も自分とは全然違っていて、とても刺激的で、自分のアイデアに対して様々な視点からの意見を貰えたのも良かったです。また、インストラクターの方には、自分のプレゼンでうまく伝えられなかった箇所へのアドバイスや、アイデアを展開する上での考え方を丁寧に説明していただきました。今でもそのアドバイスを忘れずに業務を行っています。
(大友)グループを組んでディスカッションしながら、自由にのびのびと制作できました。学校が異なるとアイデア展開の仕方も異なり、学んでいる領域や深さも違うということを知りました。わたしが参加したときは、与えられた課題をテキパキとこなしている方がいて、その様子を見ながら進めることで自分もうまく提出することができ、スキルアップにつながりました。
―ワークショップに参加して、その後の学生生活に何か変化はありましたか?
(北谷) 自分の大学の中だけでは気づくことのなかった新たな手法を知ることができ、その後の大学での課題にも取り入れるようになりました。また、デザインに対する姿勢を尊敬できる人とも出会えて、自ら学び直す意欲を高めることができました。
(山下)もともとスタイリングというモノの形を決める作業が苦手だったのですが、ワークショップでもそこを指摘されてしまいました。その体験から貪欲に勉強するようになり、続けていくうちに好きになることができました。
(大友)参加する前は、将来進む道に迷っていたのですが、ワークショップで専攻分野にとらわれない提案をしたことをきっかけに、自分が取り組みたい分野を見つけ、将来の方向性を定めることができたと思っています。また他の参加者の意見から、これまで気づけなかった自分の長所に気づくことができました。知らず知らずのうちに身につけていたスキルが、人の役に立つと分かったときは本当に嬉しかったです。
―新人デザイナーのみなさん、どうもありがとうございました!
前編と後編の2回にわたってシャープのデザインについて紹介をしました。ワークショップでは、新しい未来に向けて輝く仲間を募集しています。また、製品やサービスのデザインにかける想いなどを掲載したシャープデザインのサイトもあるので、ぜひご覧ください。
広報担当:U
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