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【ザウルス誕生30年記念】企画担当同窓会!<前編>

ジャジャーン。。
突然ですが、こちらの製品をご存じだろうか。。。

知らない人が多いのかもしれません。
こちらはかつてシャープが開発・販売していた、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)「ザウルス」であります。スケジュールや連絡先、タスク管理等、手帳代わりになる機能を持つ端末でした。
アプリを後から追加出来るだけでなく、後期のモデルでは、インターネットに接続してブラウザやメールも使えました。
そう、スマホの前身ともいえる製品だったのです!!
スマホや携帯電話が無い時代を知らない人は考えられないかとは思いますが、通信手段が内蔵されているわけではないものの、ザウルスを電話回線とつなぐことでメールの送受信などコミュニケーションをとることができるという、当時は画期的な商品だったのです!!

当時を知らないマイティー・マドレーヌは、社内の様々な人たちから色々話を聞くわけですよね。当時の熱量とかパァッショーンとか、製品にかける想いだとか。
(社内報のコラムで「ザウルスのためなら●んでも構わんっ」と強火派な人がいたり笑)
そんなわけで、「ザウルス」は、社内でも特別な商品の一つなんだろな、と思っておりました。そんな中、ザウルス第一号機が1993年10月に発売、ザウルス誕生30年と聞き、これはかつての担当者の話が聞きたい!ということで、当時企画とデザインを担当していたメンバーを集め、同窓会を企画してみましたー!

そうしたら、あんなことや当時は言えなかったこんなことまで!?でるわでるわ!!!笑
当時のおもしろいエピソードを掘り返してきました。
さらに、ザウルス時代に培った技術があったからこそ、現在のシャープにつながっているんだ!というルーツのようなものを感じましたよ。エモいっす。
ぜひご覧ください~!!

メンバー

 当時:商品企画を担当 

シャープOB 
鈴木 隆さん
 
 
 

株式会社AIoTクラウド
経営管理部 部長補佐
福永健一

株式会社AIoTクラウド
社長 松本融
 
 
 

新規事業開発統轄部
第一開発部 課長
西本望

Smart Appliances & Solutions
事業本部
SmartLife事業統轄部
Platform事業推進部
部長 中田尋経

Smart Appliances & Solutions
事業本部
プラズマクラスター・
ヘルスケア事業部
参事 澤井和美

 当時:デザインを担当 

総合デザインセンター
課長 大木邦裕

 


――わっしょい!改めまして!ザウルス30周年おめでとうございます~!!パチパチパチ~!
  まずは、みなさん当時どういうことを担当されていたか、教えていただけますでしょうか?

ザウルスは11年にわたり商品企画を担当していました。オリジナルのZaurusOSを搭載した初号機<PI-3000>の誕生前から、のちにLinuxオープンOSに転換する前までの期間です。オリジナルザウルスの栄枯盛衰を体験しました。

1993年10月に、ザウルス初号機<PI-3000>が発売

私は、入社時はシャープシステムプロダクト株式会社(SSP)という企業向けの営業をしている販売会社へ配属でした。<PI-3000>が発売されてグ~ンと伸びていた時に、ちょうどザウルスの周辺機器のソフトの企画で社内公募が出ていたので応募しました。転属となって私の企画人生が始まりましたね。最初は電子メールや表計算ソフトと連携するソフト企画などをしていました。次に海外のザウルス本体の商品企画、その後、国内の商品企画を担当するようになりました。国内向けの時から、鈴木さんの下で一緒に働くようになりました。

まつもっちゃんは僕が呼んだからね(笑)

えーーー!?そうだったんですか!初耳です(笑)

――30数年越しに発覚した衝撃の事実ですね(笑)

私の企画人生はザウルスからはじまり、今では自分のアイディアで事業や経営を企画しています。その根底には鈴木さんの下で企画とは何かをたくさん学ばせてもらったのがスタートです。ザウルスチームでシャープ人生のベースとなる部分を作っていただけて非常に感謝しています。
経歴に戻りますが、国内のザウルス企画では、マイナーチェンジではなく、世代を変えていくようなアバンギャルドな商品企画のときに鈴木さんにアサインされることが多く、ゼロベースで発想する力を鍛えてもらいました。

私も異動でザウルスチームへ合流したのですが、当時、ある部長と雑談でザウルスについて熱く語っていたら、翌週には海外向けザウルスの企画へと異動になっていました(笑)最初はソフトの仕様やコンテンツの企画などを担当、本体の企画に参加したのはLinuxザウルスからです。
ザウルスチームはやりたいことをやらせてもらえるという社内の風潮がありました。技術が「こんなのつくってみたんだけど、どうかな」と持ち寄ります。めちゃくちゃ良い機能だけど、企画会議に間に合わない。ならばコッソリ隠し機能としていれておこう!みたいなことができて。実際に気づいたユーザーからの声をフィードバックして、次の機種に正式にその機能を搭載するようなことを先行して行っていました。マニアの方々は気づいてくれるんですよね。当時はOSからソフトもコンテンツも何もかも自社製品だったので、自由度がとても高かったんです。その分、大変ではありましたが(笑)その時代の良さがありましたね。SNSもない時代にファンの方が口コミで盛り上げてくれて、どんどんザウルスが盛り上がっていきました。

私はもともと、<PA-8800>という電子手帳(1991年発売)に憧れていまして。今では当たり前の話ですが当時、手帳や辞書が紙しかなかった時代に、電話帳やスケジュールの閲覧・記入や、辞書を引くことなどができ、ポケットに収まる小さく薄い機器を使うことが、物凄くスマートでカッコ良くみえて。学生の頃にお金を貯めて購入しました。このような電子機器のデザインをしたいと思ってシャープに入社し、1997年頃から5年間ほどザウルスのデザインを担当させてもらいました。ザウルスポケットの<MI-100>シリーズ、ザウルスアイゲッティ<MI-P1>、パワーザウルスの<MI-C1>、キーボードが搭載されたザウルス<MI-L1>、<MI-E21>などをデザインしました。

    学生の頃に買った想い出の電子手帳<PA-8800>まだ大事に持ってます。

<MI-C1>
<MI-E21>

私も松本さんと同じく当時SSPにいたのですが、シャープに入社したきっかけが他社PDAでした。PI-3000が出たときにその端末と似てるなという印象でしたが、触ってみると手書き入力の認識が非常によいザウルスに感動しまして、当時POSなどの法人向けの営業を担当していたのですが、市販しているザウルスを法人向けに販売した方が良いと働きかけをしていました。言い続けた結果、<MI-600>をベースとした法人向けモデルが販売されました。一方で特に契約を結んでいない3rdパーティや個人のソフト開発者向けに開発環境をオープンにしていかないといけないのでは、と営業の立場から提案していたら、だったらお前がやってみろということで、商品企画に異動になりました(笑)

――やってみろの文化があったのと同時に、ザウルスが他の事業部からも口出したくなるくらい魅力的な商品だったということですよね!!!

私は新入社員の時にパソコン事業部に配属されたのですが、数カ月で「あっちの部署が忙しいから手伝って」と言われて異動したのが、鈴木さんのザウルス部門でした(笑)
PIシリーズから派生した、キーボードを搭載した電話とつないで使う電子メール端末「コミュニケーションパル」を担当してから電子辞書の端末へと担当が移っていきました。

澤井さんはコミュニケーションパルすごく頑張ってた印象があるね。コミュニケーションパルめっちゃ売れたよね!

あははは。ありがとうございます(笑)
コミュニケーションパル、通称「コミパル」は当時、ザウルスが男性やビジネスマンに多く使っていただいていたのに対して、「Easy to use」をテーマに、女性やヤング層にも「いつでも、どこでも」手軽に使っていただけるように開発しました。携帯電話でやっとメールが送れるようになったが、まだまだ一般的には使われていなかった時代です。そんな中で、コンパクトボディ、携帯電話とつないでインターネットが楽しめて、見た目もオシャレなコミパル。売れましたね!(笑)

コミュニケーションパル<MT-300>

コミパルでは、イラスト入りのメッセージが送れる「便箋メール」や
ペンで手書きのメモやイラストが送れる「手書きメモ添付メール」も

私は、新入社員でザウルスの部署に配属になりました。当時、鈴木さんが課長、松本さんが主任で、近くに座っていました。6年ザウルスを担当した後、通信事業の事業戦略推進室に異動になり、それからずっとスタッフ職ですが、昨年、AIoTクラウドへ異動となり、今現在、松本社長の隣に座っております。20年の時を超えてまた一緒にお仕事ができるのは光栄に思います。ザウルス内蔵の表計算ソフトや地図ソフト、ザウルス文庫(電子書籍サービス)の立ち上げ、ザウルスパワーコネクション(WindowsPCとのデータ連携アプリ)、サポートステーション、宝箱(ザウルス用アプリケーション提供サイト)、サードパーティリンク集などを担当しました。また、<MI-E25DC>では、みなさんがLinuxザウルスの開発へと行かれている中、MIシリーズ最後の機種だったのもあり、ほぼ一人で企画させてもらい、後継機があったらやらないような仕様もとりいれて。やりたい放題やらせてもらえたので非常にいい思い出です(笑)

<MI-E25DC>

――20年経ってからまた一緒にお仕事しているの、すごいですね。

彼が入社時から知っているので、阿吽の呼吸で仕事ができるのはありがたいですよね。

長い間ご指導いただいております、はい(笑)

見る人が見たらエモすぎる!?歴代のザウルスさんたち

―――それでは、みなさんのお気に入りの一品(機種)を教えてください。

もちろん初号機の<PI-3000>は思い入れがあります。当時、大型コンピューターで行っていた手書き認識ソフトを、小さなICチップ1つでできるように小型化して、認識率が非常に高いものを実現しました。これがなかったらザウルスはできてなかったと思いますね。
もう一つは<MI-E1>です。ザウルスの禁じ手であったキーボードを初搭載した縦型のモデルで、1番のお気に入りは米粒キーボードです。企画の段階で「キーが小さすぎて隣のキーにも触れてしまうから無理やん」と言われ続けたのですが、技術と試行錯誤して、両手の親指で打っても誤打しないキーボードを実現しました。あれはとってもおもしろかったですね。

<MI-E1>
横幅81.5mm

私も鈴木さんと一緒ですが、<MI-E1>です。夏休み明けに出社すると、横型で企画を進めていたものが、いきなり縦型だ!と変更されていて(笑)キーボードレイアウトの細かい仕様を考えたのは私なんですが、SHIFTや機能キー押しながらはどうだ、あれはどうだ、これはどうだと何パターンも考え抜いてできたのがこの形になりました。両手の親指で高速に文字を打つということに関しては、上手く作り込めたかと自負しております。

私は<MI-C1>シリーズです。カラーザウルスやパワーザウルスからきたカラーの進化と、ザウルスポケットからの流れも合体して、カラーで反射型ディスプレイを搭載して軽くて薄くてコンパクト、緻密なデザイン、ソフトウェアも含めた使い心地、キーボードが付く前の集大成として、非常に完成度が高い商品だと思っています。

<MI-C1>完成度高いよね~!使い倒したもんね、自分で!

私も一番長く使った機種でした!!私のお気に入りも<MI-C1>です。
軽薄短小という、モバイル製品に求められる一番のデザインと形、高機能で高次元に実現している機種だと思います。当時、導入された企業のシステムご担当者をインタビューすることがあったのですが、外付けのマイクとボイスレコーダー、キーボードを使って、音声の記録とキーボードでメモをとることがザウルス一つで完結できるくらい、<MI-C1>は完成度が高かったです。

私は<MI-E25DC>です。カメラも付いていて、大画面で。非常にいい商品だったと思います。

私のお気に入りは担当していない3000シリーズです。PI-3000を初めて手に取ったときの感動は忘れられません。目からウロコが10枚くらい落ちました(笑)ザウルスのペンだけで議事録をまとめていた時代があって、ザウルスがなくなると仕事ができない、っていうくらい重宝していました。

私も<PI-3000>です。
ヘルプ機能に、当時の技術部長のイラストが載っていて、こんなこともできるんだと新入社員の時感動したのを覚えています。結婚や引っ越しのバタバタで<MI-E1>しか手元に残っていないんですが、ACアダプターがなくて中身が確認できないです。

今度ACアダプター貸すよ!笑

―― 一同(笑)

思い出話に花が咲き、ワイワイと盛り上がる会場!
前編が自己紹介とお気に入りのザウルス紹介だけで終わってしまいました(汗)
後編ではマル秘エピソードをお届けいたします~!!


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