圧倒的な臨場感に息をのんだ!
- 業界最大クラス※1 120V型 8Kディスプレイ登場 -
2021年2月17日
120V型 8Kディスプレイ<8M-B120C>
120V型ってどれだけ大きいか実感できますか?横幅は私の身長を大きく上回る約2.7m、高さもフロアスタンドを入れて約2m!そしてその大きさに加えて超高精細な8K液晶。120V型 8Kディスプレイの映像をじっと見つめていると、まるでそこに建物や街があるかのような臨場感を覚えます。
当社はこれまで、業界に先駆けて8K関連商品を数多く生み出してきました。そのノウハウを活かし、昨年、業界最大クラス※1の120V型 8Kディスプレイ<8M-B120C>を商品化(2020年9月末発売)しました。今回は、その開発担当者(ビジネスソリューション事業本部 システムソリューション事業部 商品企画部 古田、TVシステム事業本部 TV技術開発センター 開発企画部 濱本、同 インフォメーションディスプレイ第1開発部 東)に製品の特長や誕生の経緯、開発時の苦労などを聞きました。
※1 8K液晶パネルを搭載したディスプレイにおいて。(2020年9月9日時点、シャープ調べ)
左から 古田さん、濱本さん、東さん
― どういう経緯でこの製品は生まれたのですか?
検討を始めたのは2019年9月です。当社は、事業ビジョン「8K+5GとAIoTで世界を変える」の実現に向け、8K液晶テレビや8Kカムコーダー、8K映像編集PCシステムなどを商品化しています。ディスプレイの大画面化・高精細化が進む中、これからは、美術館・博物館などのミュージアムやショールームなど、さまざまな場所で、より大画面で表現力のあるディスプレイが求められるようになると予測し、120V型8Kディスプレイの商品化を進めることにしました。
<120V型8Kディスプレイ 主な特長>
①業界最大クラスの120V型 8K液晶パネル搭載の業務用ディスプレイ
②フルハイビジョンや4K解像度の映像を8K相当にアップコンバート
③HDMI 2.1で規定された8K映像入力に対応。
HDMIケーブル1本で8K 60p/4K 120p映像を出力する機器と接続可能
④明暗の表現力を高める「直下型LEDエリア駆動」
⑤4分割などマルチ画面入力に対応する多彩な表示モード。PCからのコマンドコントロール対応など
― 120V型 8Kディスプレイの特長を教えてください。
大画面・高精細が最大の特長で、業界最大クラスの120V型 8K液晶パネルを搭載した業務用インフォメーションディスプレイです。8Kは、4K(約830万画素)に比べて4倍きめ細かな約3,300万画素の映像を表示します。この8Kの高精細が描きだす映像と120V型という迫力ある超大画面により、実物が目の前にあるかのようなリアルさを感じることができます。
また、8K液晶テレビ「AQUOS 8K」の開発で培った映像技術により、フルハイビジョンや4K解像度の映像を8K情報量にアップコンバートして、クリアで高精細な映像を表示します。
フルハイビジョンや4K解像度の映像を8K解像度にアップコンバート
ミュージアムでの展示ディスプレイや、商業施設(店舗・ショールームなど)でのデジタルサイネージとしての使用はもちろん、オフィスでの会議やCAD向けなどとしてご利用いただけます。
― 「直下型LEDエリア駆動(上記主な特長④)」をはじめとする映像技術について教えてください。
「直下型LEDエリア駆動」とは、液晶パネル直下に配置したLEDバックライトの輝度を2,048分割したエリア毎に制御することで、明暗の表現力を向上する新開発の技術です。分割されたエリアが多いほど、明るいものは明るく暗いものは暗くと、より表現力が高まります。2,048と多くのエリアで制御するため、コントラストの高い映像を一層リアルに再現することが可能になるのです。さらに、120V型という超大画面ではどうしても消費電力が増えてしまいますが、エリアが細かく分割されているため、不要なところは光らせないで済むことから、消費電力の削減にも効果的に働く技術なんですよ。
明暗の表現力を高める「直下型LEDエリア駆動」
ほかにも、先ほど紹介しました8K情報量にアップコンバートする技術(主な特長②)をはじめ、「AQUOS 8K」の開発で培った映像技術が盛り込まれています。
― 表示モードやコマンドコントロール(主な特長⑤)とはどんな機能なのでしょうか?
これらは業務用ならではの機能です。会議などの際、せっかくの大画面なので複数の画面を見たいと思いませんか?そこで、マルチ画面入力に対応した多彩な表示が可能なモードを搭載しました。映像ケーブルで接続した4台のPC画面の映像を1画面に4分割で表示することができます。各画面の位置の切り替えや任意のサイズで表示することも可能です。
また、業務用での使用となると、設置した場所で操作しない場合もあります。例えば、ショールームや展示会場なら、バックオフィスから画面を操作・管理するシチュエーションも想定されます。本機は、電源のオン・オフ、画質や音声の調整などを、遠隔地からでもPCによるコマンドで制御できます。東京と大阪に設置された複数台の操作もできるのです。
4分割などマルチ画面入力に対応する多彩な表示モード
― 大きさがメリットである一方、液晶テレビのような壁掛けスタイルは難しいのでは?
確かに今までにないサイズなので、壁掛け金具を探すのも一苦労です。その辺りにも配慮して、壁掛け金具とフロアスタンドを同梱することにしました。金具などを追加購入する必要はありません※2。クレーンなどを使って移動や設置しやすくなるよう、本体にアイボルト(ひっかけ装置)を付ける工夫もしています。
設置スタイルを選べる(壁掛け金具とフロアスタンドを同梱)
※2 設置場所に応じて別途金具が必要になる場合があります。また、設置費用は含まれておりません。
― 今までにない大きさ・重量ということで商品化に苦労されたのではないですか?
はい。超大型で、200kg(フロアスタンド含む)を超える製品の商品化は経験がありませんでした。構造設計の際は、安全確保・信頼性の面から、より入念にシミュレーションを重ねる必要がありました。また、検査工程に120V型が入るような設備がなかったため、工場に新たに簡易的な防塵検査装置を作りました。製品の移動にクレーンを使うなど手間や費用がかかる一方、ソフト面の評価は「AQUOS 8K」70V型を改造し、同じ仕様にしてから対応することもありました。
先日、当社東京ビルのショールームにも設置したのですが、重量のあるピアノを扱う専門業者に対応いただくなんてこともありました(笑)。
― ほかにも大変なことがありそうですね。
そうなんですよ。テレビと業務用ディスプレイでは求められる基準が違ってきます。サイネージとして使用される場合、オープンスペースなどでの使用も想定されるため、テレビよりも厳しい使用環境(防塵性能・温度など)に耐えうる設計にする必要がありました。各国の安全規格などの法令によっては、ディスプレイではなくテレビのカテゴリとして規定される場合もあります。省エネの基準では、テレビの方が厳しいことも多いため、省エネモードで動くソフトを入れるなどの対応も行いました。
また、コロナ渦での商品立ち上げとなったため、生産現場での立ち会いが出来ませんでした。そのため、問題が発生しても、スピーディな状況把握は難しく、リモートで生産・開発支援を行うのは骨の折れる作業でしたが、良いものを作りたいという強い思いで乗り越えました。構想開始から1年と、短期間で商品化できてほっとしています。
120V型 8Kディスプレイ<8M-B120C>のカタログを手にする古田さん(左)と東さん
― 最後にお伝えしたいことなどあればお願いします。
8Kの高精細感、奥行き感を生かした立体的な映像を表示することで、お客様が視聴される際の没入感を高め、まるでその場にいるような究極の臨場感を体感いただくことを8K開発のコンセプトとしています。120V型 8Kディスプレイもそれを実現するため、「直下型LEDエリア駆動」を新開発するなど、「AQUOS 8K」の映像技術をベースにさらに進化させました。初めてこの商品の映像を見た時は、120V型という大きさも相まって、圧倒的な臨場感に息をのみました。ぜひ、多くの方にこの映像を体感いただきたいです。
― ありがとうございました!
私も視聴したのですが、じっと映像を見ていると徐々に立体感が出てきます。ドローンで撮影された岩と岩の間に飛び込んでいくような場面では、思わず「うわっ!」と小さく叫んでしまいました。まさに、「息をのむほどの臨場感」です。業務用の大型ディスプレイをお探しの方は、ぜひご検討ください。
(広報担当:H)
<関連サイト>
■製品情報
インフォメーションディスプレイ 120V型 <8M-B120C>
■ニュースリリース
業界最大クラスの120V型 8Kディスプレイを発売
■e-SHOWROOM
120V型8Kディスプレイ
■SHARP Blog
迫ってくるような立体感と躍動感。人生観を変えるほどの映像美を感じて欲しい! ― 8K液晶テレビ『AQUOS 8K』CX1シリーズ登場 ①映像編 ―
迫ってくるような立体感と躍動感。人生観を変えるほどの映像美を感じて欲しい!― 8K液晶テレビ『AQUOS 8K』CX1シリーズ登場 ②8K普及への取り組み編 ―
関連記事