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いつでもどこでも8K映像編集 ノートPCだからこそのニュースタイル
( – Dynabook社「8K映像編集PCシステム」登場 – )

2020年12月25日

記事:広報担当:H

Dynabook株式会社から発売された「8K映像編集PCシステム」

Dynabook株式会社から発売された「8K映像編集PCシステム」
(左奥:GPU BOX 右手前:ノートPC dynabook Z95)

突然ですが、ノートパソコン(以下、ノートPC)と言うと何を想像しますか?私が思い浮かべるのはdynabookなんです。かなり古い話ですが、カーレースの世界最高峰「F1」で日本人初の3位表彰台に立った鈴木亜久里さんが、dynabookの広告に出ていました。F1に熱狂していた私には、今でもノートPC=dynabookという印象があるんです。
そのdynabookが、2018年よりシャープグループの一員となりました(2019年1月に「Dynabook株式会社(以下、Dynabook社)」へと社名変更)。そして、ノートPCを使用することで高いモビリティ(機動性)性能を発揮する「8K映像編集PCシステム」が、2020年8月にDynabook社より発売されました。今回は、その開発担当者に製品の特長や誕生の経緯などについて、語ってもらいました。
  ⇒ 製品詳細はこちら 製品情報リリース(Dynabook社サイト)       

左:Dynabook社C&S事業本部 商品統括部 商品開発部 主査 早瀬 健 

左:Dynabook社C&S事業本部 商品統括部 商品開発部 主査 早瀬 健
右: 同 C&S事業本部 NCC統括部 商品企画部 部長 中野 昌則

 

― 「8K映像編集PCシステム」とはどういった製品なんですか?

大画面15.6型4K液晶パネルの高性能ノートPC dynabook Z95と、ハイエンドグラフィックカード「NVIDIA® Quadro RTX™ 4000」搭載のGPU BOX(AKiTiO社製Node Titan)で構成されており、8K撮影機器(スマートフォン、ビデオカメラなど)で撮影した8K映像の取り込み、編集、書き出しを効率的に行えます(高機能動画編集アプリ「Adobe Premiere Pro」も合わせて購入可能1です)。
8K映像を編集できるPCはほかにもありますが、デスクトップPCやワークステーションに近いものであり、専用PCではありません。8K映像の編集ができる、ノートPCを使用した専用システム(製品)は、現時点では当社以外にはないんですよ。

※1 法人向けプランのみ購入可能です。

 

― どういう経緯でこの製品は生まれたのですか?

構想が出てきたのは2019年の初めです。2018年に、当社はシャープグループの一員になったのですが、シャープより8Kに関連したPCを開発してほしいとの要請がありました。
当時は、8Kに関する知見もなく不安ではありましたが、当社は、世界初2のラップトップ/ノートPCを開発して以降、数多くの世界一、世界初を生み出し、その30年以上の開発で培ったPCの独自技術を持っています。「シャープが期待する以上のものを作ろう」と開発を始めることになりました。

商品企画担当のDynabook社 中野さん

商品企画担当のDynabook社 中野さん

※2 1985年に世界初のラップトップコンピュータ<T1100>を開発、その後、アメリカのコンピュータ学者であるアラン・ケイ氏が提唱した「人に寄り添い、人を支える真のパーソナルなコンピュータであるべき」という『ダイナブックビジョン』にちなみ、1989年にA4サイズで世界初のノートPCである<DynaBook J-3100 SS001>を発売。

 

― 「8K映像編集PCシステム」は最初からノートPCを考えていたのでしょうか

数百万円もする8Kカムコーダーなど超高精細8K映像を処理するには、サーバ用CPUが載っているような最上級レベルのPCが求められます。また、シャープで32V型8Kモニターを開発中とのことでしたので、当初は、8KモニターがついたデスクトップPCのシステムや一体型オールインワンPCをイメージし、「CES※3 2020」や「IFA※4 2019」などの展示会では、そうしたコンセプトモデルを紹介しました。しかし、これでは、コストの面などを考えても、限られた人向けの製品になってしまいます。また、先ほども申し上げましたが、当社はノートPCを主要事業の一つとして扱ってきたため、ノートPCを極めたいと思い、最終的にこのスタイルとなりました。展示会にゲーミング向けGPU BOXが出展されていて、これもヒントになりました。

「IFA 2019」で展示したコンセプトモデル

「IFA 2019」で展示したコンセプトモデル
(左:8KモニターとPC本体を分離したスタイル  右:8K手書きタブレットスタイル)

※3 CES(Consumer Electronics Show)米国ネバダ州ラスベガスで開催される世界最大級の家電見本市
※4 IFA(Internationale Funkausstellung)ドイツベルリンで開催されるCESと並ぶ世界最大規模の見本市

 

― では、「8K映像編集PCシステム」の特長を紹介してください。

一番の特長は、高性能ノートPCを使用しているため、場所を選ばず負荷の高い8K映像の編集が可能だということです。モビリティとパフォーマンスが両立した製品と言えますね。

dynabook Z95は15.6型の大画面ですが、1.425kgの軽量スリムボディなので持ち運びも苦になりません。そして、GPU BOXなしでも、8K映像の取り込み、カットや字幕/音声効果などの編集、登録、プレビュー再生までの作業5が可能です。そのため、dynabook Z95だけを外出先に持っていき、撮影したその場で大画面での動画確認や8K映像編集、クライアントなどへの確認といったことも可能です。

出先からの移動中にこうした編集を行うことで、時間を効率的に使うこともできますし、オフィスや自宅では、パワフルなGPU BOXにつないで、グラフィック性能を必要とする8K映像の高度な編集や8K映像のエンコード処理5を高速で行えます※6

このように、8K映像編集PCシステム」は外出先や移動中はノートPCで、事務所に戻ればGPU BOXにつないで作業といった、いつでもどこでも自由に編集できる今までにない新しいスタイルの製品なんです。映像編集者やクリエイターでYouTube動画を作成する方々などに使用してほしいと思っています。

※5 エンコード処理(書き出し作業)はGPU BOXが必要です。
※6 すべての8K撮影機器で撮影された動画の編集ができるわけではありません。シャープ製スマートフォン「AQUOS R5G」で撮影した8K 30fpsの動画で動作確認しています。

  

― 8K映像編集がどこでも自由にというのは画期的です。システムのベースとなるdynabook Z95についてもう少し教えてください。

ディスプレイに、IGZO採用のシャープ製4K UHD液晶を搭載しました。4Kはフルハイビジョンの4倍(3,840×2,160ドット)と高精細で、細部まで鮮明に描写し、奥行きのある色鮮やかな映像を映し出せます。もちろん、8K映像で見たい人のために、8K対応テレビ/モニターにGPU BOXと接続できる仕様にしています。15.6型の大画面で表示領域も広いので、編集作業もスムーズです。

さらに、CPUに(発売当時)最新の第10世代 インテル® Core™ i7-10710Uプロセッサーを採用したほか、Adobe Premiere Pro」の推奨仕様を満たす32GBメモリー動画などをたっぷり保存できる1TB SSDなど、ハイスペックな仕様です。1TB SSDには、スマホで録画した8K映像なら10時間以上の保存が可能です。

また、これまで培ってきた狭額縁や高密度実装などの独自技術を駆使し、15.6型の大画面ディスプレイを搭載しながら約1.425kgの軽量とすることで、持ち運びしやすくしたほか、「MIL規格7」に準拠した堅牢性で、移動中でも安心です。

※7 MIL規格(MIL-STD-810G)とは、アメリカ国防総省が制定した規格。dynabook Z95は、26方向からの76cm落下テストなど10項目の耐久テストをクリアしています。

 

― GPU BOXについても紹介してください。

「Turing GPUアーキテクチャ」と次世代の超高速「GDDR6メモリ」を採用したハイエンドグラフィックカード「NVIDIA® Quadro RTX™ 4000」を搭載しているため、高度な8K映像編集ができるんです。
GPU BOXは軽量とは言えませんが、約4kgなので、急ぎのシーンではスタジオなどに持ち運んでの作業も可能です。そのための取手もついてるんですよ(笑)。

また、8Kとの接続について話しましたが、シャープの8K液晶テレビ『AQUOS 8K』や120V型8K液晶モニターなどとGPU BOXを接続し、イベント・展示会などで大画面8K映像を表示8※9させることも可能です

『AQUOS 8K』とGPU BOXを接続して8K映像を表示

『AQUOS 8K』とGPU BOXを接続して8K映像を表示
(左上:GPU BOXには持ち運び用の取手あり)

※8 GPU BOXと8K対応のテレビや外部ディスプレイとの接続には、別売のHDMI®ケーブル4本、HDMI®変換アダプター(ディスプレイポート用 3本、USB Type-C™ コネクタ用 1本)が必要となります。
※9 HDMI2.0 x 4本接続での8K表示が可能な表示機器との接続が可能です。

 

― 商品化には苦労されましたか?

映像編集に特化したPCは作ったことがなく、そこで、広告マーケティング会社などにお邪魔し、どのような環境でどのような編集作業をしているのか念入りに調査しました。それから、動画編集の勉強を兼ねて、YouTube に個人チャンネルを立ち上げ、実際に動画配信も実施しました。こうした経験が、製品開発に役立ちましたね。

GPU BOXについては、当社製にしたかったのですが、市場にいち早くこのシステムを提供するため、様々な選択肢の中から、AKiTiO社製Node Titanを選択しました。

シャープから8K映像を撮影できるスマートフォン「AQUOS R5G」が発売され、気軽に8K映像が撮影きる時代に入りつつあります。スマホやデジタルカメラで撮影した8K映像をスムーズに編集できる、高パフォーマンスながらリーズナブルな価格のシステムを実現できました。 

YouTubeで個人チャンネルを立ち上げ編集作業を研究した、開発担当のDynabook社 早瀬さん

YouTubeで個人チャンネルを立ち上げ編集作業を研究した、開発担当のDynabook社 早瀬さん

  

― 今後はどのように展開される予定ですか?

「8K映像編集PCシステム」は、シャープグループの掲げる8Kエコシステム10のうち、編集セグメントを担うもので、これにより、8Kエコシステムの循環が完成したと言えます。当社の固有技術をさらに発展させ、シャープと相互に協力しながら、8Kワールドの拡大に向けて一層注力していきたいと考えています。
具体的には、製品自体のグレードアップはもちろん、4K映像編集やゲーム向けGeForce モデルなどラインアップ拡充を図るほか、今回実現できなかった自社製GPU BOXの採用や、当初想定していた8Kモニターと組み合わせたPCなどへの検討も進めていきます。

 ※10 他の企業の方々とも協力し、お互いの持つ強みを組み合わせて8Kを発展・普及させていく戦略。映像の作成、加工から、配信、表示までの一連のバリューチェーンを様々なパートナーとともに構築し、放送分野のみならず、医療やセキュリティ、検査システム、インフラ保守など様々な分野で大きなイノベーションの実現を目指しています。

  

― ありがとうございました!

コロナ禍で在宅勤務が普及しつつある中、テレワークを支える製品の重要性が高まっています。「8K映像編集PCシステム」は、こうしたニューノーマル時代にぴったりの製品だと言えます。「8K映像編集PCシステム」が、より多くの方にご利用いただけることを期待します。

(広報担当:H)  

<関連サイト>

■製品情報
 8K映像編集PCシステム(Dynabook社サイト)

■ニュースリリース
 ノートPC制御による「8K映像編集PCシステム」を発表(Dynabook社サイト)

■e-SHOWROOM 
 8K映像編集PCシステム(シャープサイト)

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