SHARP Blog

『シャープのおかげでモノづくりの夢が叶いそうです』
「あいね」さまにモノづくり研修オンライン「IoT.make Aine camp」の感想をうかがいました
―シャープのオープンインキュベーション事業<4>―

モノづくり研修オンライン「IoT.make Aine camp」の講義の様子(オンライン上の画面)
下段 左:「合同会社あいね」代表 相根さま 右: 同 奥さま
(上段 左:当社研究開発事業本部 ソリューション事業推進センター ソリューション事業推進部 課長 原田 康弘、
右:同 インキュベーションセンター インキュベーション事業推進部 課長 山上 真司[講師])

当社は2016年より、スタートアップ1を支援するオープンインキュベーション2事業を展開しており、今年2月にその施策のひとつである「モノづくりセミナー」の模様を紹介しました。これは、モノづくりに興味を持った方を対象とした無料のセミナーですが、実際にモノづくりを始めるフェーズに入ったスタートアップには、必要な知識を具体的にお伝えするプログラム「モノづくり研修」を開催しています。本来、この研修は対面形式で行っていましたが、新型コロナ感染症拡大を受け、オンラインでも受講いただけるよう、対応を進めてきました。今回は、初めてオンラインで行った「IoT.make Aine camp(モノづくり研修)」を受講された「合同会社あいね(以下、あいね)」代表の相根さまと奥さまの2人に、研修の感想・良かった点、モノづくりに対する想いなどをうかがいました。

なお、「モノづくり研修」は、当社研修施設に泊まり込みで参加いただく「モノづくりブートキャンプ」と、当社の講師が出張して短期間で開催する「IoT.make ●●(地名等) camp」がありますが、今回は泊まり込みではなく、「あいね」さまの要望を元にカスタマイズしたオンライン研修ですので「IoT.make Aine camp」として実施しました。

※1 スタートアップ(Start up):ビジネスにおける「立ち上げ」や「起業」などの意味で使われていて、新しいビジネスモデルで急成長をめざす、市場開拓フェーズにある企業のこと。
※2 インキュベーション(Incubation):英語で「卵の孵化(ふか)」という意味があり、転じて、「新規事業の創出や起業の支援を行い、その成長を促す」こと。

 

<モノづくり研修オンライン「IoT.make Aine camp

5日間で以下の9講座を開催しました(1日2時間、計10時間)。

 ①モノづくり基本プロセス ②基板設計 ③安全法規制/安全設計 ④品質/信頼性
 ⑤原価管理/コストダウン ⑥工場と見積もりの評価 ⑦要求仕様の概要 ⑧知的財産権
 ⑨アフターサービス 

モノづくり研修は基本的にはこの9講座で構成されています。

モノづくり研修オンライン「IoT.make Aine camp」の当社 講師陣(研修開催時の所属名称です)

 

それでは、「あいね」さまにお話をうかがいます。

― 「あいね」さまの事業内容をご紹介ください。

「あいね」さま ホームページ(https://aineapp.com/

代表
スマホ向けアプリの開発をメインで手掛けており、特に女性向けアプリの開発に力を入れております。

奥さま
最初に作ったのが、「妊娠週数アプリ」で、最終月経や出産予定日などから出産までの日数計算をアプリが行い、現在の妊娠週数を知ることができます。妊娠中にこういうのがあればいいなというものをイメージして作りました。

 

― 「モノづくり研修」を受けようと思ったきっかけを教えてください。

代表
スマホ向けアプリだけでは先行き不安ですし、業務の幅を広げたいと思いました。もともとは、子ども向け(教育用)として開発されたコンピュータで、最近では試作品の開発等にも使われている「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)※3」に私は興味があり、プログラミングしてスマホと連携させれば面白いモノが作れるのではないかと思ったのです。システム開発の経験しかないですが、高専(高等専門学校)出身で電気工学を学んでいたことから、モノづくりの初歩の部分の知識はありました。

奥さま
私はモノづくりの素人ですが、主人の知識で何とかやれるのではないかと軽い気持ちでいました。でも、いざやろうと思い書籍を見てみると、実際に量産化まで進めるのは大変だと書かれていまして、これはどこかの企業のサポートが必要じゃないかと思いました。

※3 Raspberry Pi(ラズベリーパイ):プログラミング入門キットとして、教育用に開発されたコンピュータ。必要最低限の部品を1枚の回路基盤に搭載しており、数千円と安価ながら拡張性も高く、現在は、趣味や業務(試作品の開発)等にも用いられている。

 

― 具体的にはどんな製品をイメージされていたのですか?

奥さま
子どもがいるのですが、学校に無事に着いたのか、いつ帰ってくるのかなど、心配が絶えません。スマホ禁止の小学校もありますし、学校を出たら自動的にその情報が親に伝わったり、子どもと親が簡単にメッセージをやりとりできたりするような『見守り端末』を作れればと。子どもがいる家庭なら誰もが持つ悩みですし、こういった製品を求めている方は多いのではないかと考えました。

 

― モノづくり支援施策は他社でも行われていると思いますが、当社を選択された決め手は何ですか?

代表
私どもの会社は奈良市、シャープのオープンインキュベーションの拠点は天理市と、同じ奈良県にあります。対面での研修を想定していましたので、移動などを考え、まずは、距離が近いシャープに連絡を取ってみました。実際に問い合わせてみると、要望に応じて柔軟に対応いただけるという話ですし、さらに、コロナ禍でも感染の心配がなく、移動の必要もないオンライン研修の提案もありました。そこですぐにシャープでの受講を決めました。実は、小さいころ、シャープ提供の「パソコンサンデー※4」をテレビでよく観ていました。また、当時、親戚からテレビパソコン「X1turbo※5」を借りて使っていたこともあり、シャープには親近感がありました(笑)。

幼少期に相根さまが親しまれていた当社パソコンテレビ「X1turbo」

※4 パソコンサンデー:当社提供で、1982~1989年に放送されたパーソナルコンピュータ関連の情報番組の草分け的存在。テレビ大阪制作(テレビ東京系列局放送)。
※5「X1turbo」:当社のパソコンテレビ。1982年発売の「X1」(型名CZ-800シリーズ)の上位機種で1984年発売。

 

― オンラインも決め手の1つだったのですね。では、受講しての率直な感想をお聞かせください。

奥さま
初めて聞く話がほとんどでしたが、思っていたより分かりやすかったです。講義を受ける前、ネットの情報を色々調べても理解しにくかったのですが、今回の研修は詳しい話も多くて、より実用的でした。企業としてモノづくりを行うにはこんなにも多くの項目を把握、実践していく必要があるのですね。そこに一番驚きました。

モノづくり研修オンライン「IoT.make Aine camp」 <①モノづくり基本プロセス>より(オンライン上の画面)

 

代表
研修を受けなければ分からないことがいくつもあったので助かりました。当初は、モノづくりの経験がほとんどない状況で受講したので、もう少し経験を積んで受ければ良かったのでは?と思っていました。しかし、先に研修を受けたからこそ、遠回りせず、無駄を省いて進められています。法律・信頼性・安全など、いままで想定してなかった内容も盛り込まれていますし、ある程度製品が出来上がった後、これやってない!と慌てることもなさそうです。

例えば、「要求仕様(⑦)」の話は、当社は下請けの仕事がほとんどなので、その意味が分かりませんでした。しかし、受講し違う立場で見たからこそ、あらかじめ仕様を細かく定めることで、相手企業の都合の良い解釈で作られ、後に余計な時間・費用・トラブルなどが出てこないようにするという意図があったのだなと、その重要性が理解できました。

モノづくり研修オンライン「IoT.make Aine camp」 <⑦要求仕様の概要>より(オンライン上の画面)

  

― お役に立てているようでホッとしました。ほかにも良かった点はありますか?

代表
研修が終わったらそこまでというのではなく、受講後にもメール等で質問に回答してもらえて助かっています。また、先ほど、オンラインが決め手になったと話しましたが、子どももいますので、対面研修だと2人とも参加するのは難しかったです。研修場所までの移動時間や費用も不要ですし、施設使用料などの費用もなくなるので、その分、お安くしていただけたようで、本当に助かりました。1日2時間ずつの講義にしてもらったのですが、これより長いと通常の業務に支障があったと思います。私たちの都合の良いようにカリキュラムを組んでいただきました。

 

― ここは少し工夫して欲しいと思った点もお話しいただけますか?

奥さま
基板などはイラストに加え、画面上でも良いので現物を見せてもらえると理解しやすかったと思います。

 

― 今後の展開や夢などについてご紹介ください。

代表
当社が得意とするシステム設計をベースとしたモノづくりをやってみたいと思いつつ、そのタイミングがなかったのですが、研修を受けたことで、その夢が叶いそうです。

現在は、先ほどお話しした『見守り端末』とは別の製品の開発を進めています。まずは、そのプロトタイプを早く量産化までつなげたいと思っています。そしてゆくゆくは、1人でも多くの方に弊社の商品・サービスをお届けできるようにしたいと思っています。

 

― ありがとうございました。

 今後、シャープでは、オンラインでの講義を積極的に展開してまいります。諸経費が少なく済む分費用はリーズナブルですし、ご要望に合わせたカリキュラムも可能です。講義の内容を、私も見てみましたが、空気清浄機などシャープの製品開発を事例にしており、モノづくりの経験のない私でも理解できる内容でした。オンラインでも対面研修にひけをとらない内容になっています。興味をお持ちのスタートアップのみなさん、ぜひ、シャープのモノづくり研修を検討してみてください。

◆お問い合わせはこちら ⇒シャープオープンインキュベーションサイト 


合同会社あいね(英文社名:Aine LLC.)

・所在地:奈良県奈良市
・代表者:Masahiro Sagane
・事業内容:スマホ向けアプリ・Webシステム・ソフトウェア・電子書籍の企画・制作・構築・販売・保守管理


(広報担当:H)

<関連サイト>

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