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ジョージアで音楽を奏で続ける「ラジカセ」をきっかけに、当社の“業界初”を調べてみました

2017年6月19日

著者:広報M

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トルコの北東に隣接する共和制国家ジョージアのお客さまから、1枚の写真とメッセージをいただきました。

そのお客さまは、1980年代に当社のラジカセを購入され、30年くらい経った今でもお使いいただいているそうです。一度は盗まれたり、大規模な停電にも一緒に耐えたりするなど、苦難を共にした当社のラジカセの品質を高く評価いただき、感謝と共に励ましのお言葉をいただきました。

お送りいただいた写真

1枚の写真から資料室を探し歩き、ついに見つけました! お使いいただいているラジカセは、<GF-800Z>というモデルで、1984年に海外向けに販売されたものです。当時日本で発売していた高級機を海外向けにカスタマイズしたもののようです。

<GF-800Z>発売当時の写真

メカニカルなデザインに魅かれて、他のラジカセについても調べてみました。その中で見えてきた、当社のラジカセが実現した“業界初”をご紹介したいと思います。

 

曲の頭出しを可能にした一発選曲「APSS」

1974年、後に一発選曲「APSS(Auto Program Search System)」と名付けられる、カセットテープの自動頭出し演奏装置を搭載した<GF-11M>を発売しました。

巻き戻しや早送りを繰り返して聴きたい曲のスタート地点を探す“曲の頭出し”作業が不要になりました。当社の資料によると、当社独自の「APSS」機能を、デッキやラジオカセットなどのテープ関連機器へ応用展開し、海外でも大々的なキャンペーンを行ったようです。「APSS」を搭載したテープ関連機器は音響製品の柱となり、世界でも高く評価されました。

<GF-11M>

 

Wカセット! ダビングや編集が1台で可能に

1979年、2台のカセットデッキを搭載した「ザ・サーチャーW<GF-808>」を発売しました。

当時、録音テープから好きな曲を抜き出したり、まとめたりする編集作業には、2台のステレオカセットが必要でした。2台の機器を搭載した「ザ・サーチャーW<GF-808>」の発売により、録音テープから好きな曲だけを抜き出して一本にまとめるなど、本体1台で様々な編集ができるようになりました。その他にも、ハワイアン音楽に波の音をかぶせる二重再生や、カラオケテープで歌いながら、同時に声を録音できる多重録音など、新しい楽しみ方を提案しました。当時の資料には、こんな一文も。

「愛の曲を集めたサウンドラブレターを作って贈るといった楽しみ方ができます」

誰かの青春の1ページを、少しでもお手伝いできていたら嬉しいですね。

ザ・サーチャーW<GF-808>

 

倍速編集を実現! ダビング時間が半分に

1981年、倍速編集を可能にした「ザ・サーチャーW<GF-757>」を発売しました。

倍速編集により、例えば60分のカセットテープが30分でダビングできるようになりました。

その時代、(当社資料の言葉を借りると)ラジカセの購入者の約7割が中高生などのヤングで占められていました。ヤングのプレイマシンであるラジカセは、音質や機能面の充実とともに、カラフルなコントロールスイッチ、デジタルメーターなど、それまでにないファッション性を盛り込むことで、生活を共にする新しいテープオーディオ時代を拓くものとなりました。

ザ・サーチャーW<GF-757>

 

カセットだけじゃない! レコード派にも

1981年、レコード両面自動演奏ステレオシステム<VZ-V3>を発売しました。

A面・B面用の2個のトーンアームを搭載し、それまで不可能だったレコードの両面自動演奏を可能にしました。カセットを扱うように、手軽にレコードを楽しむことができるようになりました。レコードを縦にしても一定の速度で回し続けるには、高い技術が必要だったようです。

レコード両面自動演奏ステレオシステム<VZ-V3>

 

楽譜さえあれば! キーボード付きラジカセ

1982年、ポータブル電子鍵盤楽器が人気を博していた時代に、楽譜の通りにインプットするだけで演奏を楽しむことができる「メロディーサーチャーW<MR-990>」を発売しました。「楽譜記号の記録手順」を見る限り、キーボードで音階や記号を入力するようですので、実際に演奏しなくてもいいみたいですね。ピアノが弾けない方でも、楽譜さえあれば音楽が聴ける! これは実物を触って遊んでみたい……。

メロディーサーチャーW<MR-990>

楽譜記号の記録手順

 

30年前、40年前の製品と聞くと、昔のものというイメージがありますが、決してそのようなことはなく、今も現役で動き続けているものがあるということを改めて気づかされました。資料室にはまだまだたくさんの製品情報が眠っています。機会を見て、また探索に行きたいと思います。

(広報担当:M)

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