日ごろ私たちが何気なく接しているメディアでも、ふと気が付くと技術の進歩によって大きく変化しています。
例えばテレビ放送の視聴方法。私が生まれる前の時代は街頭テレビの前に人々が集まり、その映像に熱狂していました。それが一家に一台、一人に一台と時代は進み、さらにタブレットやスマートフォンなど、テレビ以外の端末でも手軽に放送を楽しめるようになりました。
NHK放送技術研究所は、このような放送の進化に向けた技術を1930年から研究し続けており、その成果を「技研公開」として毎年広く一般に公開しています。
今年開催された「技研公開2019」(5/30~6/2)では、「ワクからはみ出せ、未来のメディア」をコンセプトに、今までの研究成果とNHKが想定する2030年~2040年ごろのメディア技術の未来像が公開されました。
当社が協力した研究テーマの中から、「ネット×データ×IoTが連携するメディア技術」「フルスペック8Kライブ制作伝送実験」の2つが展示されましたのでご紹介します。
「ネット×データ×IoTが連携するメディア技術」
一つめはWeb技術を応用した「ネット×データ×IoTが連携するメディア技術」です。当社はAIとIoTでつながるAIoT家電(洗濯機、加湿空気清浄機、冷蔵庫など)で協力させていただきました。
※1 鏡として使え、映像も表示させることができるテレビ(参考出品)
このコーナーでは、家電とメディアが連携するコンセプトが紹介されていました。
例えばこんなシーンです。テレビでスポーツを見ているとき、お気に入りの選手が出る前にちょっと家事を片付けようと、台所に向かいます。しかし思ったより早く、その選手が出て来ました。普通なら見逃してしまいますが、冷蔵庫がそのタイミングを教えてくれ、無事に見ることができました。ずっとテレビの前にいなくても、AIoTでつながったさまざまな家電が連携するため、見たかった瞬間を見逃しません。
「フルスペック8Kライブ制作伝送実験」
もう一つは「フルスペック8Kライブ制作伝送実験」です。NHK放送技術研究所では、1秒間に120フレームの画像を表示することで被写体の動きを鮮明かつなめらかに表示できる、フルスペック8K制作機器の開発や伝送・表示技術の研究を進めています。
この研究成果として8K 120Hzに対応した番組制作機器、符号化装置、衛星伝送装置、表示再生装置が展示されました。当社は「フルスペック8K液晶表示装置」「22.2ch音響のトランスオーラル再生システム」の開発で協力させていただいています。
「トランスオーラル再生法」とは、上層、中層、下層の3層からのスピーカーによる3次元音響によって、あたかもその場に居合わせているような臨場感のある音を表現する技術です。
高精細の8K技術によって、映像と本物との見分けがつきにくくなってきましたが、さらに自身の周囲から聞こえる22.2ch音響システムの迫力ある音が加わることで、視聴体験が「見る」から「体で感じる」ものに変わります。展示を体験された方からも、「迫力が全然違う」「臨場感に驚いた」という声が聞こえてきました。
そのほか、「8Kでどこまでみえるか」の体験コーナーでは、ハイビジョンカムコーダーと当社の8Kカムコーダーを並べ、ズーム、フォーカスなどを変えながら撮影する比較デモが行われていました。
今回の「NHK技研公開」では、8Kのほかにも3D映像やAR(拡張現実)・VR(仮想現実)といった映像技術が展示され、正に画面のワクからはみ出した近未来的な視聴体験を直に感じることができました。
当社は、これからもNHK放送技術研究所とともに研究を続け、8KとAIoTによる「ワクからはみ出す、未来のメディア」を実現してまいります。
(広報担当:C)
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NHK「技研公開2018」で、8K関連技術を実演
https://blog.sharp.co.jp/2018/06/15/13083/
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