使用済みの家電は再資源化されているんです!家電リサイクル工場の様子をご紹介(1/2)ー洗濯機編ー
<SDGs※1実現に向けたシャープの取り組み>
2021年10月6日
家電をお買い替えの際、エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機の4品目※2については、みなさんご存知のように、2001年4月に施行された「家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)」※3に基づき、費用を払って家電販売店などの小売業者に引き取ってもらうか、ご自身で指定引取場所に持ち込んでいただく必要があります。
そして、回収された使用済み家電は、当社を含む家電メーカー等により全国に設置された家電リサイクル工場(現在、全国に45施設)で解体され、素材が再利用されます。
今回は、当社の関係会社で、大阪府枚方市にある関西リサイクルシステムズ株式会社(以下、KRSC)※4でどのようにリサイクルが行われているのか、洗濯機(枚方市の本社工場)と薄型テレビ(三重県伊賀市の第二工場)を例に、2回に分けて紹介します。
KRSC 本社工場
※1 SDGs(Sustainable Development Goals):2015年9月の国連サミットで採択され、国連加盟193か国が2030年の15年間で達成するために掲げた持続可能な開発目標です。17の開発目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。
※2 対象は①エアコン、②テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)、③冷蔵庫・冷凍庫、④洗濯機・衣類乾燥機の4品目
※3 廃棄物を減らして地球環境を守り、資源を有効利用するため、2001年4月に施行された法律。一般家庭や事務所から排出された上記家電4品目を対象とし、有用な部品や材料をリサイクルし、廃棄物を減量する。
※4 関西リサイクルシステムズ株式会社(https://www.krsc.co.jp/):使用済み家電製品の再商品化等を事業内容として、当社・三菱マテリアル株式会社を中心に大阪府枚方市に1999年12月に設立(2001年4月操業開始)。担当エリアは、大阪府・京都府・奈良県・和歌山県(新宮市除く)・滋賀県(大津市のみ)。
■ご家庭から家電リサイクル工場まで
まず、使用済み家電が家電リサイクル工場に届くまでの流れを説明します。ご家庭から出された使用済み家電は、買い替えを行う小売業者(家電販売店など)に連絡して引き取ってもらい、小売業者にリサイクル料金と運搬料金を支払います。その際にリサイクル券が発行され、使用済み家電(とリサイクル券)は指定引取場所を経由してリサイクル工場に届きます。
買い替えではなく処分のみの場合、以前購入した小売業者へ連絡するか、連絡できない場合※5は、お近くの小売業者もしくは自治体に連絡し、引き取ってもらいます。その後は上記と同様の流れです。
郵便局でリサイクル料金を振り込んだ上で、使用済み家電を指定引取場所に直接持ち込む方法もあります。なお、リサイクル料金は家電製品協会 家電リサイクル券センター(RKC)に収受されます。
* 家電製品を処分する方法は、経済産業省のサイトに詳しく紹介されています。
※5 購入する(した)家電販売店に連絡できない場合の回収方法はこちらをご参考ください。
■家電リサイクル工場でのリサイクル処理
次に、回収された使用済み家電がリサイクル工場で処理される様子を説明します。KRSCでは、本社工場でエアコン・冷蔵庫(冷凍庫)・洗濯機(衣類乾燥機)を、三重県伊賀市の第二工場で、薄型テレビ/ブラウン管テレビを解体し、素材を回収・再利用しています。
<KRSCでの基本的な処理工程> | |||
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手作業で部品を解体 | ||
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解体された筐体などを破砕機で細かく破砕 | ||
鉄・銅・非鉄・プラスチックなどに選別して回収 |
- それでは、洗濯機と薄型テレビ(次回紹介)を例に取り、具体的に処理工程を紹介します。
<洗濯機の処理工程>
|
主な回収物(上図 薄緑色のもの) |
①家電リサイクル券照合
↓
②上蓋や筐体、水槽ユニットなどを解体
(近年のドラム式洗濯機の増加に伴い、専用の自動搬送ラインを設置。解体後に出る水槽の自動搬送やプレス機による処理作業を効率的に行っています)
右はドラム式洗濯機専用のライン
↓
③解体した上蓋や筐体などから基板やハーネス※6、パルセータ、モーターなどを取り外し・回収
※6 電源供給や信号通信に用いられる複数の電線を束にした集合部品のこと
↓
<破砕・選別工程>へ
④水槽ユニット分解で水槽・脱水槽などに分解。
↓
<プラスチック選別破砕工程>へ
|
主な回収物(各プラスチック) |
⑤パルセータ芯抜き装置でプラスチックと金属を分離
↓
⑥プラスチックを破砕・回収
プラスチック破砕機に投入される洗濯槽 破砕されたプラスチック
|
主な回収物(各金属や混合プラスチック) |
⑦破砕
↓
⑧金属などを磁力選別機や色彩選別機などで選別・回収
色彩選別機
上記工程で回収された材料は出荷され、さまざまな素材に生まれ変わります。金属は銅線、鉄筋・鉄骨、自動車やバイクの部品などに、プラスチックは家電製品に再利用されるなどリサイクルされています。ちなみに、KRSCの洗濯機の再商品化率※7は96%、次回紹介する薄型テレビは89%と全国のリサイクル工場の平均よりも高くなっており、他の2品目も同様に平均を上回っています。
次回は、KRSC第二工場での薄型テレビの処理工程をご紹介します。
なお、KRSCのリサイクルの様子を紹介する動画がありますので、こちらもご参照ください。
- ●KRSCでは工場見学を受け付けております。現在は、感染症拡大に配慮して一時中止しておりますが、ご興味をお持ちの方は、こちら(KRSCサイト)よりお申し込みください。
※7 再商品化率=再商品化重量(B)÷再商品化等処理重量(A)
再商品化等処理重量(A):再商品化等をした特定家庭用機器廃棄物の総重量、
再商品化重量(B):製品の部品または原材料として利用(熱回収は除く)する者に有償又は無償で譲渡し得る状態にした重量
(広報担当:H)
<関連サイト>
■SHARPBlog
使用済みの家電は再資源化されているんです!家電リサイクル工場の様子をご紹介(2/2)ー 薄型TV編ー <SDGs※1実現に向けたシャープの取り組み> | SHARP Blog |
■関西リサイクルシステムズ株式会社(KRSC):公式サイト(https://www.krsc.co.jp/)
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