皆様、こんにちは。シャープ物流お役立ち企画チームのミヤザキです。
先日、「第5回 関西物流展(KANSAI LOGIX 2024)※1」が大阪で開催され、見学に行ってきました。
※1 物流業界の「生産性向上」、「環境改善」にスポットを当て、課題解決、更なる発展に向けたきっかけとなる場を創ることを目的に物流に関するあらゆる製品・技術・サービスを一堂に集めた関西の展示会。https://kansai-logix.com/
そのなかで株式会社ネオロジスティクス様のセミナーがあり、受講しました。
講師をされた眞鍋さまは、過去数回にわたってこの展示会のセミナーで
「業界経験6か月の新人が挑む、物流会社が提供すべきもの」
「業界歴1年半:物流改善でわたしが伝えたい5つのこと」
というタイトルでご講演されたと伺いました。
ご転職されて、物流業界について学びながら、新人としての目線で情報を発信されていたということが、私のいまの活動と通じるものを感じ、
大先輩のお話を伺わねば!!
と勢い余って突撃し、インタビューをお願いしました。
株式会社ネオロジスティクス様は物流センターのアウトソーシング事業をされており、
雑貨卸や食品卸、通販などの多種多様なワンストップサービスを強みに、物流の最小単位であるピース単位での取り扱いを得意とされております。
眞鍋さまは2021年に異業種から入社され、営業としてWEBマーケティングを担当されております。
ミヤザキ) 本日はお忙しいところありがとうございます。
最初に、眞鍋さまがこの業界に入られて、何から学ばれたのかを教えていただけますか?
眞鍋さま)まずは、物流会社に仕事を依頼するお客さまが、どんな情報を見て会社を選ぶのかを調べました。
お客さまの仕事を受ける際に、我々が業界知識をどこまでわかっているか、高い専門性があるかということは大事です。
お客さまの商流のお話をしっかりと伺って、その商流で物流が担えるところに商談を持っていくスキルが必要で、わたしは今もなお勉強中です。
物流全体を通じて委託などで関係する会社が多く、それぞれの立場の方と話をする必要があるのですが、立場が違うと使う単位が違うんですね。それで共通の理解に至るのが難しいということに最初は苦労しました。
わかりやすいところで言うと「平米」と言ったり「坪※2」と言ったり。「m3」や「立方メートル」、「立米(りゅうべい)」といったりもします。物流専門の単位で「才(さい)※3」というのもあります。それぞれの立場に合わせていく知識量が求められるのです。
※2 畳2枚分の面積、約3.3m2。
※3 1立方尺(約27,818㎝3=30.3cm×30.3cm×30.3cm)ともいう体積単位。
ミヤザキ) そうなんですね。私もいま、専門用語を覚えるのに苦労しております・・・
共同化のための情報管理
ミヤザキ) 眞鍋さまの過去のセミナーの資料のなかで、「共同化のための情報管理」とありました。少し内容を教えていただけますか?
眞鍋さま)物流業界としては、複雑なニーズを管理して簡素化していくような情報の標準化が重要だと思います。物流で使える資源が限られているのですから、限られている資源を共同で利用しなければ成り立たない。そのためには情報の標準化が必要です。
しかし、標準化された情報管理ができる物流会社はどのくらいあるでしょうか。
得手不得手が物流会社によって大きく違うなか、荷主さまもそれを理解して物流を任せる相手を選んでほしいと思います。 例えば、物流の最小単位はピースですが、ピースを束ねたボール、さらにまとめたケースという単位があります。ケース単位で扱うことを得意とする会社とピース単位で取り扱える会社では扱う情報も変わります。ケースから一つでも取り出すと、在庫管理のやり方がまったく変わってしまうのです。管理形態でできることとできないことが変わります。
例えばこんな場面になることがあります。
A社という物流会社がケースのみ取り扱いができるときに、ピースの取り扱いが発生したため、ピースの部分をB社に委託するなどです。複雑な場合だとC社、D社など複数の会社が関係する場合があります。お客さまにとって、最初にどこに委託するかによって複雑さが変わることになります。このような複雑な構造では、どこかが何かを変更したら、他にしわ寄せがでてきます。だから、情報はできるだけシンプルに標準化されていかなければならない。
ミヤザキ)情報の標準化のためにはどうしていく必要がありますか?
眞鍋さま)運送便手配で、運送会社をマッチングして運行管理するような運送業のプラットフォーマーとかが出始めています。このようなところから情報が標準化されていくと感じています。できるところから情報を標準化していき、次第に広げていく。例えば、運送からはじまり、倉庫へ、そしてサプライチェーン全体に広げて統合していく。
物流をアウトソーシングしていくということも、情報を標準化する道になります。例えば、パレットも規格が違いますし、荷台に載せる量も違えば、使うマテハン(物流業務用機械)も変わってきます。
それぞれの会社が独自のやり方をしていていたところを、アウトソーシングすることによって、委託を受けた会社が扱うやり方で情報が標準化されていくことに繋がると期待できます。
業務改善のためにお伝えしたいこと
ミヤザキ)それでは、新人の時からご経験を蓄積されたいまの眞鍋さまから、物流で働いている人にお伝えしたいことは何でしょうか?
眞鍋さま)現場で作業している人は、日々の業務が多忙すぎて、目の前のことをやるのに精一杯になっています。毎日の仕事をこなすことだけで、新しいことを考える時間がつくれない現場も見かけます。それでも、いまやっている作業の改善や立ち位置を振り返る時間をつくってほしいと思っています。
生き残る物流会社になるためには、埋もれずにとび抜けていく必要があります。例えば、人がしなくていいことは、どんどん機械に置き換えていく必要があるのですが、毎日が忙しくて自分たちがやっていることが機械でもできてしまうということを考える余裕もない現場が存在します。
以前、製造業の方に「毎日同じ作業をしているものはすべて自動化できる」と伺ったとき、あらためてそうだと気づかされました。そういう気づきを得るための知識も必要ですね。知識を学ぼうとするのは、本来は自分の意思によるものかと思いますが、会社のほうでも教育の場をつくるなどしていくことも必要でしょう。上司が知っている情報を部下におろして継承していくだけでは難しいと思います。しかし、労働時間が利益に直結する業界でもあるため、これまで労働時間内に教育を行うということが積極的にできていなかったということもあるのかもしれません。
それでも、機械が入っている現場と、入っていない現場との差を知っていただきたいと思っています。そのためには、現場の人が自分たちの業務のBefore/Afterを想像しやすくしていくことも必要でしょう。
ミヤザキ) この点、機械を提供する私たちメーカーがお役に立つにはどうしたら良いでしょうか?
眞鍋さま)現場の人が情報収集するにあたり、自分たちの業務につながるというイメージができるような提案をしていただきたいと思います。自分たちの、この業務がこのように変わるのだという、具体的なイメージができれば現場も考えやすくなるのではないでしょうか。
あと、どのくらいの投資が必要なのかも、わかりやすくしていただきたいです。
また、近場で動いている機械もあれば、見せてもらえるほうがありがたいですね。最終的には現場のセンター長が導入を判断することになりますが、センター長は、実際に動くものを見て「これは違う」「これはいい」と見極めるためです。
仕事の改善は取り組み続けなければいけません。
物流業界には人手不足の問題など明確な課題があって、今のままでは成り立たない、継続できないのです。何もせずにいることこそが問題と思っています。
ミヤザキ) 大変勉強になりました。本日はありがとうございました。
物流業界は複雑で、会社によって取り扱う情報もさまざまです。
働く現場もさまざまななか、どのように私たちの製品がお客様の現場で活用できるのか、具体的にイメージしていただけるように私たちは情報をお伝えしていく必要があります。そのような情報発信を心がけていきたいと思います。
その結果、多くのお客様の現場で業務改善が進めばいいと心から思います。頑張ります。
引き続き様々なお話を伺いたいと思います。
是非、下記メールアドレスまでお気軽にご連絡ください。
私たちシャープ物流お役立ち企画チームからお答えいたします。
それでは、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
シャープ AGV製品については製品情報サイトをご覧ください。
https://jp.sharp/business/agv/
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