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設計からリサイクルを視野に入れたテレビの「リサイクル設計研修」を実施!

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「リサイクル設計研修」の様子

シャープは、リサイクルの現場とともに、環境に配慮した製品設計、開発に取り組んでいます。その取り組みの一つ「リサイクル設計研修」をご紹介します。

2023年4月に、白物家電の商品企画と技術の担当者を集め、全自動洗濯機を用いた研修を実施し、本ブログで掲載しましたが、今回はテレビについてご紹介します。
(前回の研修の内容はこちらをご覧ください。→「リサイクル設計研修」とは? …シャープは製品設計時からリサイクルに配慮した取り組みを進めています!

 

リサイクル設計って?

リサイクル設計とは、皆さまのご家庭で使わなくなった家電※1を新たな用途につなげるため、解体し、素材ごとに分別することをあらかじめ想定し、製品設計の段階から仕掛けづくり(=設計配慮)することです。

※1:①エアコン、②テレビ(ブラウン管、液晶、有機EL、プラズマ)、③冷蔵庫・冷凍庫、④洗濯機・衣類乾燥機の4品目

 

関西リサイクルシステムズでリサイクル研修を開催

そんな仕掛けづくりのヒントを求めて、11月22日、設計担当など当社のテレビ作りに関連する部門の担当者が、当社関連会社の関西リサイクルシステムズ株式会社※2(以下、KRSC)第二工場(三重県伊賀市)に集まりました。

研修会場であるKRSC第二工場は、忍者の里で有名な伊賀市に位置し、近畿エリアの皆さまのご家庭から排出されたブラウン管テレビ、薄型テレビ(液晶・有機EL・プラズマ)のリサイクルを行っています。

KRSC 第二工場(三重県伊賀市)

※2:関西リサイクルシステムズ株式会社(https://www.krsc.co.jp/):使用済み家電製品の再商品化等を事業内容として、当社と三菱マテリアル株式会社を中心に大阪府枚方市に1999年12月に設立(2001年4月操業開始)。担当エリアは、大阪府・京都府・奈良県・和歌山県(新宮市除く)・滋賀県(大津市のみ)。

 

研修は、オリエンテーションから始まりました。その後、「家電リサイクル法とメーカー責務」の講義を受け、工場見学を行いました。

「家電リサイクル法とメーカー責務」の講義の様子

今となってはご家庭で見ることが少なくなったブラウン管テレビをはじめ、薄型テレビの解体工程を間近で見ます。

ブラウン管テレビ解体の様子

薄型テレビ解体の様子

プラスチック回収の様子

実際に解体を体験!

見学のあとは解体実習です。

まずは、KRSC担当者による解説付き解体デモンストレーション。

薄型テレビの解体デモ

KRSCの担当者が、取り外した部品を一点ずつ、プラスチックや金属などの素材や表記を確認しながら、仕分け箱に入れていきます。

参加者は、どんな種類のプラスチックや金属がどれくらい使われているかを確認します。

金属には鉄、ステンレス、銅、アルミニウムが使用されており、また、製品によっても使われている種類や量にそれぞれ違いがあることが分かります。

取り外された部品の仕分け工程を見学

ここで、実際に解体を体験します。

まずはバックキャビネットの解体から始まります。ネジの目隠しを外すのも一苦労。想像以上にネジが多かったり、深いところにネジがついていたりと、時間がかかりましたが、ようやくバックキャビネットを取り外すことに成功。

実際にバックキャビネットからねじを外し、解体。

解体したバックキャビネット

バックキャビネットを外すと内部には、テレビの頭脳ともいえる基板やスピーカーなどさまざまな部品が現れます。それらの部品を外すために、ハーネス類をバチバチとハサミで切断。続けて、基板やスピーカーなど大きい部品を取り外しますが、ここでもネジを外していきます。

内部の部品を取り外し

テレビの表示部である液晶や有機ELのモジュール部分も、パネルガラスと金属類に可能な限り分離していきます。

最後に、スピーカーやテレビスタンドそのものを解体して終了です。

 

リサイクル現場の声と設計への反映

解体実習後は、解体してみての感想や再商品化率がどれぐらいかなどについて各グループで話し合い、グループ発表を行いました。

続いて、KRSCから、解体現場で感じる製品の解体しにくいところや、リサイクルを視野に入れた設計をして欲しいとの要望を聞くなど、研修参加者とKRSC担当者の間でざっくばらんに意見を交換しました。

KRSCからの話を聞く参加者

シャープが取り組む「自己循環型マテリアルリサイクル」

シャープは、KRSCと協働し、廃家電から得られるプラスチックを原料に、再生プラスチックを生み出し、新たに家電製品に活用する「自己循環型マテリアルリサイクル」に積極的に取り組んでいます。

これは、単なるプラスチックの再生技術だけでなく、廃家電からいかに純度の高い単一プラスチックを得られるかが重要です。そのためのリサイクルに配慮した設計(=仕掛け)について、最後に講義を受けました。

自己循環型マテリアルリサイクルのフロー

研修を終え、参加者からは「家電の性能や技術ばかりでなく最後に捨てる時のことも考えなければならない」「今日学んだシャープの環境への取り組み、リサイクルの重要性を社会に発信していきたい」といった感想が聞かれました。解体しやすくするために必要なことは何かということを意識し、製品設計に反映していく「リサイクル設計」の大切さを実感する研修となりました。

今後のシャープが発信する製品、情報にどんな変化がもたらされるか、これからも資源循環型社会に貢献すべく歩みを進めるシャープの可能性にご期待ください。

(SAS S)


<関連サイト>

■SHARPBlog

自己循環型マテリアルリサイクル技術
関西リサイクルシステムズ株式会社
■製品情報:テレビ「AQUOS」

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