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4Kディスプレイとデスクが一体となった「4K-eDESK」が生まれた背景とは?

2017年2月17日

Author:広報M

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2017年2月に販売を開始したディスプレイ一体型デスク「4K-eDESK(4Kイーデスク)」。「4K-eDESK」の概要や開発した経緯、そして「4K-eDESK」を生んだモノづくりチーム「アイラボ」をご紹介します!

ディスプレイ一体型デスク「4K-eDESK」

 

「4K-eDESK」とは?

「4K-eDESK」とは、株式会社イトーキさまとの共同開発により生まれた、木製のデスクに4Kディスプレイを搭載した新しい製品です。

 

4Kディスプレイとデスクを一体化させることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

きめ細かい映像は、近くで見てもボケたりせず、はっきりと見えますよね。高精細な4Kディスプレイを搭載することで、デスクの前に座って見る距離感でも、文字や絵を鮮明に見ることができます。

40V型ディスプレイは、新聞の見開きに近いサイズです。高精細な4Kディスプレイに新聞を映して見ると、目の前に新聞を広げているように見えます。これが本当にクリアなんです。画素数が4分の1のフルハイビジョンでは、新聞の細かい文字ははっきりと読めません。

公共・学校図書館指定管理業者最大手の株式会社図書館流通センター(TRC)さまに、図書館向け商材として採用いただきました。また、事業所のある矢板市のご協力のもと、2017年2月から4月までの期間、栃木県矢板市にある矢板市立図書館への試験導入が決まりました。

図書館が持つ膨大な資料は、紙の本だけではありません。データ化された新聞、電子書籍、雑誌などのほか、百科事典などのオンラインデータベースやDVDの視聴、蔵書検索など、実はパソコンで閲覧するものも多いんです。1台の端末で、様々なコンテンツを楽しむことができる。それが、「4K−eDESK」の強みです。

 

実際に、TRC-ADEAC株式会社さまが制作・運営する「ADEAC ® (アデアック)」のデジタルアーカイブを見てみました。

ADEAC ®デジタルアーカイブシステム
https://trc-adeac.trc.co.jp/

津山郷土博物館さまが所蔵する、約200年前の江戸の町並みを描いた大作「江戸一目図屏風」のデジタルアーカイブを見てみます。デスクに座って見る40V型4Kディスプレイで、大迫力かつ高精細な映像を楽しむことができます。

ADEAC ® 津山郷土博物館「江戸一目図屏風」等
https://trc-adeac.trc.co.jp/WJ11C0/WJJS02U/3320315200

「江戸一目図屏風」の実物は、縦176cm、横353cmと大きなものですが、拡大してみると細かいところまで書き込まれていますね。

図書館や歴史資料館などに保存されている貴重な資料は、閲覧が制限されていたり、近くで見られなかったりしますよね。デジタルアーカイブを使って近くで見てみると、当時の街の様子が感じ取れるほど、細かい描写や表情まで書き込まれていることがわかります。

「4K-eDESK」が実現する“大画面の一覧性”と“4Kディスプレイの高精細”は、コンテンツの新しい楽しみ方を提供してくれます。

図書館は、地域情報を発信する場でもあります。試験導入にご協力いただく矢板市が毎月発行する「広報やいた」も、大画面でくっきりと見ることができました。

 

「4K-eDESK」の活躍の場は、図書館だけではありません。例えば4Kで撮影した授業を映すことで、教室で授業を受けているような体験ができます。黒板の小さな文字や先生の表情なども鮮明に見ることができます。

 

電子黒板やタブレットの導入など、情報通信技術(ICT)を使ったICT教育が進む中、2015年から2016年にかけて「4K-eDESK」を使ったある取り組みが行われました。

総務省が実施するICTドリームスクール実践モデルに選出いただき、2015年10月から2016年3月の半年間、ある中学校で、「4K-eDESK」の試作機を使った遠隔授業によるリメディアル教育が実施されました。

リメディアル教育とは、学習が必要な生徒に対して行う補習教育のことで、その一つに少人数教室に登校する生徒をサポートするものがあります。

その中学校では、保健室の少人数教室に通っていた複数の生徒が、「4K-eDESK」によって通常学級に復帰することができました。

教室に復帰できない理由の一つに、教室の雰囲気がわからないことがあるそうです。「4K-eDESK」で教室の雰囲気を知ることができ、事前に慣れることで教室に復帰できたと言います。

大画面・高画質を活かした遠隔授業が、新しいICT教育の取り組みとして高く評価いただいたことは大変嬉しいことですね。

 

4Kってどれくらいキレイなの?

4Kがどれくらいキレイなのか、フルハイビジョンと4Kで比較をしてみました。下にいくほど、文字が小さくなるこちらの画像で見てみましょう。

左:フルハイビジョン(解像度:1,920×1,080)
右:4K(解像度:3,840×2,160)

オレンジの四角で囲った部分を接写してみました(拡大表示はしていません)。
左がフルハイビジョン、右が4Kです。フルハイビジョンは、文字によっては読めないものもありますよね。4Kでは、小さな文字もはっきりと読むことができます。

新聞や雑誌などの様々なコンテンツを表示する4K-eDESKでは、高精細であることが「読める」か「読めない」かを左右する大切な要素となります。

 

4K-eDESKを生んだモノづくりチーム「アイラボ」

この「4K-eDESK」は、栃木事業所の有志の活動からスタートした「アイラボ」というモノづくりチームから生まれた商品なんです。

開発メンバーが「4K-eDESK」を利用している様子

2012年8月、会社に貢献したいと有志のメンバーが集まり、事業に繋がるアイデアを議論する自主活動がスタートしました。アイデアだけに終わらせまいと、業務時間外に集まり、試作機を作成しました。

最初のアイデアは、ベッドに寝ながら映像を楽しむことができる「ベッドマウントディスプレイ」だったそうです。

実際にモノをつくってみると、想像以上に面白かったとメンバーは言います。はじめは有志メンバーだけの活動だったものが、「面白い」と人から人へと話が伝わり、社内に広がっていきます。しかし、自主活動では限界がありました。そこで、社内の各部署と調整し、会社がバックアップできる仕組みをつくりました。

ロゴマークの入ったオリジナル缶バッヂ

試作したものは、年1、2回行われる社内の展示会で発表され、経営幹部を交えて真剣に議論されます。2013年から2016年までの間に、計5回実施された展示会には、毎回数百人の社員が集まったそうです。展示会では、様々な視点からのコメントが集まり、それを元にさらに改良が行われます。

過去に展示された試作品の一つを特別に教えてもらいました。それがこちら、「プライベートコンサートホール」です。箱の中に顔を入れ、コンサート会場のような臨場感あふれる音を楽しむものなのだそうです。試作機ながらハードウェアの作り込みがすごい作品ですね。

 

展示会で行われるコンテストの優秀作品は、事業化への検討に進みます。

「アイラボ」活動から生まれた商品化第一弾は、テレビをハイレゾ対応にするスピーカー「サイドバーシアターシステム」です。以前ブログでご紹介してからというもの、私もハイレゾの世界に魅了されてしまいました。

 

液晶テレビAQUOSをハイレゾ対応にして、“良い音”を楽しもう

そして商品化第二弾が、今回ご紹介する「4K-eDESK」です。

液晶モジュールの開発中に出てきた最初のアイデアは、新しい学習机でした。好きなキャラクターの学習机が欲しいお子さんと、長く使えるようにシンプルなデザインにしたいご両親の願いを両立させるために、コンテンツを入れ替えることで長く使える学習机があったらいいなというアイデアだったそうです。

所属する部門だけでは実現が難しく、担当者が上司に相談したところ、「アイラボ」を紹介してもらったことからモノづくりがスタートしました。社宅で社員のお子さんに試してもらいながら、開発は進められたそうです。

社宅での実験風景

試作機を展示会に出したところ、「学校で使っていただけるのでは」との意見があり、まずは実証実験から始めようという話になりました。ここから、「アイラボ」活動の枠を超え、事業化に向けて一気に加速していきます。

学校関係者との意見交換を通じて、様々な改良が行われました。例えば、テレビ会議を繋ぐ際には、相手の番号を入力しますよね。操作が難しかったり、手間どったりするこの作業を、ボタン1つで行えるようにしました。

これらの改良を重ねることで、中学校での実証実験に繋がっていきます。

「本当に教室で授業を受けているみたいだった」

もちろん学校やご両親のサポートがあってこそですが、生徒の一人にそう言っていただいた時に、少しは役に立てたと思いました。担当者はそう振り返ります。

 

「アイラボ」メンバー

 

「アイラボ」メンバーに“Be Original.”について聞いてみました

2016年11月に当社が制定した新コーポレート宣言“Be Original.”について、担当者に本音を聞いてみました。

“Be Original.”の一つ目の意味は、創業者の早川さんが残した「誠意と創意」の精神を、これからも私たちの「原点(オリジナル)」として受け継いでいくということですよね。事業所近くの飲食店に、早川さんの書いた色紙が飾ってあるんです。創業者の最初の想いがもっと浸透して、再認知されたらいいなと思っていたところでした。

入社する前から、シャープって着目点が斬新なものとか、ユニークなものをつくる会社という印象がありました。“Be Original.”のメッセージの中にもある「あなたのためのオリジナル」をつくる仕事はとても大変ですけど、その分楽しいですよね。

自主活動を会社が認めてくれたことは、大きなことだと思います。とにかくやってみることで、シャープが良くなっていく。大変な面もありますが、アイラボの輪を広げていくことで、シャープオリジナルの面白いアイデアがどんどん生まれて、商品化されたら嬉しいです。

“Be Original.”ブランドサイト
http://www.sharp.co.jp/brand/beoriginal/

モノづくりをしたい人が、モノをつくれる仕組みがある。会社に貢献したいと集まった当初の狙い通りになったのでは? との問いに、「今にして思えば、そうなりますね」と笑顔を返されました。

最初に事業化された「サイドバーシアターシステム」も、この「4K-eDESK」も、会社の仕組みだけでは生まれなかったと思います。開発者たちの熱意や創意があってはじめて生まれるものだと、「アイラボ」メンバーを見ていて思いました。

(広報担当:M)

 

サイドバーシアターシステム「HT-SP100」
http://www.sharp.co.jp/support/aquos/option/tbs/

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