この箱は一体・・・？

初めてこの写真を見て、すぐにこれが何か分かる人は少ないはず。

この箱は家具ではありません。家電です。

今回は当社が異業種とコラボして作り出した新しい家電の発表会から見えてきたものをご紹介します。

9月26日（木）、「東京エディション虎ノ門」で、隈研吾建築都市設計事務所（本社：東京都港区、以下、KKAA）デザイン監修のもとで開発した、プラズマクラスター空気清浄機＜FU-90KK＞のメディア向け発表会を開催しました。

この発表会に、当社からは代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの沖津をはじめ、Smart Appliances & Solutions(以下、SAS) 事業部 副本部長の永峯、プラズマクラスター・ヘルスケア事業部 国内PCI商品企画部長の花房、デザインスタジオ課長の奈良が出席しました。
そして、ゲストとしてデザインを監修していただいた建築家 隈研吾氏、製品外装の木材部分を製造していただく岡﨑木材工業株式会社（以下、岡﨑木工） 代表取締役 岡﨑氏にもご出席いただきました。

異色のコラボレーションは何故始まったか。

KKAA様と当社との関係は、現在は当社社長の沖津が本部長だった2年半前にさかのぼります。その頃は新型ウイルスによるパンデミックによって、世界中で生活環境が大きく変動していました。

突然、空気や気流が重要視されるようになった世界で、KKAA様は安心して対面でのコミュニケーションができるようにと、当社のプラズマクラスター空気清浄機を12台、青山タワービルの事務所に導入していただきました。結果、当社製品の静音性を実感いただくとともに、プラズマクラスター技術が自然を応用したものであることだということに、KKAA様が目指しているものと親和性があると感じていただけました。

きっかけは、空気の質の改善を図りたいと思いつつ、空気清浄機の導入をためらっているお客様の声。

空気清浄機に限らず、ともすれば機械的で無機質に映りがちな家電は、その素材感や形状から、特に上質な空間の中では異質な存在となってしまう事があります。

KKAA様も同じ思いを抱いていた。

「今まで建築家は家電という機械的なものをいかに隠すかという考えでやってきた。しかし今回は初めて家電をデザインしたことで、今までになかった新しいことができたと思う」（隈研吾氏）

同じ思いを共有できたことで、当社のプロダクトをベースとして、KKAA様が外装をデザインし、上質な空間に違和感なく調和する空気清浄機を目指し、本製品の開発がスタートしました。

一番のチャレンジは外装に木材を使うことだった。

しかし実際に開発を始めると、困難の連続でした。KKAA様から届いた最初のデザイン提案を見た時、当社のチームに衝撃が走りました。近年の家電は、量産性やコスト面から外装に樹脂や金属を使うことが一般的で、木材を使うことはありません。今回はKKAA様から岡﨑木工様のご紹介を受け、協業させていただくことで可能になりました。

月産生産台数最大100台の理由

さまざまな試行錯誤の結果、縦格子には高級家具などに使われるホワイトオークの無垢材を選定しました。しかし、角度が付けられた格子はプレス機を使えないため、木工職人の手で一本一本、木材の凹凸と糊で接着していく必要があり、大量生産ができません。そのため、希望小売価格55万円、月産生産台数が最大100台となりました。
「月100台の生産もチャレンジングな内容」（岡﨑氏）

シャープと隈研吾氏の思い、家電の新しい可能性

発表会の冒頭で沖津が「世界的な建築家、建築事務所との戦略的な協業により、これからの家電の新たな可能性の一端をお見せできたと考えております」と我々の思いを語りました。また隈研吾氏は、「今回完成したプロダクトを見て、機械っぽさが完全に消えたと自分でもびっくりしました。和の空間はもちろん、そこに在るだけであらゆる空間全体を引き立てる力があると思っています。木の家電を建築の中にどんどん使っていくような時代がここから始まるかもしれない、そのぐらい大きな期待を持っています。」と感想を述べられました。

本製品は、10月21日（月）に販売を開始しました。

皆様にとって本製品が家電を超えた存在になれたらと思っております。

（広報トム）

＜関連サイト＞

本製品に関する情報：Plasmacluster air purifier<FU-90KK>

ニュースリリース：プラズマクラスター空気清浄機＜FU-90KK＞を発売