ある日の昼下がり、
目を覚ましたら…そこは…!
異世界だった…!!!
「あれ、おかしいな、私さっきまでお昼休憩でお弁当食べてたと思うんだけど…」
あたりを見回すと、だだっ広い草原が広がっている。
広大な大地の中に大きな木が一本たっているのを私は見つけた。
「とりあえず、あの木までいってみよう」
私は歩き出した。
だけど、歩いても歩いても、大きな木との距離は縮まらない…
「おっかしいな…もう木までたどり着いてもいいと思うんだけど…」
なんだかおかしなことだらけだ。
あれ、木の下に誰かいる!!
私は男の人が木の近くで休んでいるのを発見した。
「すみませ~~~~~~ん!!」
私は叫んだ。
すごい形相だったのだろう、男の人は驚いた顔で振り向いた。
「すみませ~~~~ん!!ここってどこですか~~~???」
突拍子もない質問をしている自覚はある。だが、これ以外に聞きたいことが思いつかなかった。
すると、男の人はゆっくりと微笑みながらこちらへ近づいてきた・・・
・・・ように見えた、雰囲気から。
だってマスクをしているから本当の表情はわからない。
「ここはね、シールド王国だよ。僕は第一王子のシュガー。君の名前は…?」
私の変な質問にも答えてくれた。素直に嬉しい。
「私は…『 』です」
以降、『 』にはあなたの名前を入れてね★
「ってえ!??! おうじさま!?!?!」
「そうだよ、この国の王子さ!フフン」
なんだか、気品あるふるまいに見えてきた。
あれ、でもなんかいっぱい身に着けてるな…。
「あの、、、そのつけてる透明なものは何ですか?」
「これはフェイスシールドだよ。この国の名産品さ。」
「へー!フェイスシールド。。。マスクも必要なんですか?」
「そう、このフェイスシールドを使うときは、マスクと併用することで、
効果をさらに得られるんだ」
「そうなんですね…!じゃあ、そのサングラスは…?」
「サングラス??これは僕の目だよ!」
目…??よくわからないけど、まぁそういうことにしておこう。。。
「ところで、私、知らない間にここに、迷い込んでしまったみたいなんです」
「それは大変だね!じゃ、僕がこの国を案内してあげよう!」
「え、いいんですか?」
「もちろんさ!ほら、おいで!」
足元に気を付けてね、と、彼はサッと手を差し出してくれる。
うわーなんだか本当に王子様みたい。
・・・・
「あれが●●で~あれがほにゃららで~」
いつの間にか草原を抜けていろんな形をした建物が多いところまできた。
シュガー王子は親切に、歴史やうんちくやらをとても丁寧に教えてくれる。
「それでねー、あれがSHINJYUKU駅!」
「え!?!シールド王国にも新宿があるの?!」
「キミの世界にもあるのかい?一緒だね★」
いっぱい歩き回ったけどシュガー王子はとっても元気だ。
あ、あ、足がいたい…
「ちょっと、つかれさせちゃったかな。この辺で休憩しようか。
『 』はここで座って待ってて!」
あーやっと休憩できるー!と私は芝生に腰を下ろした。
しばらくたってから、シュガー王子は右手に何かをもってやってきた。
「ほら。僕の国で作っているフェイスシールド。『 』にプレゼントするよ」
――チャランララン~♪『 』はフェイスシールドを手に入れた!!――
「え、あ、ありがとう…!」
「これが色んなものからキミを守ってくれるよ!」
「つけてみてもいい?」
「もちろん!」
「うわーーー、視界がとってもクリア!
夕日がでてるけど反射も少なくってとても見やすいね!」
私はフェイスシールドを取ったりつけたりして、景色を比較してみた。
「そうなんだよ、僕の国のモスアイ技術っていうのを採用していてね、
曇りにくくて、反射も抑えられてて
仕事で必要な人にもとっても使いやすいんだよ」
「ほんとだね。うわ~~~すごーーーーい!!
軽いし着けてる感じがぜんぜんしないー!!」
なんか寝ころんでる王子の姿を見てたら、鼻息が荒くなってきちゃった。
ヤダ!私ったら!!
でも、鼻息にも負けず、シールドはやっぱり曇らない。
「王子!ほんとにちっとも曇らないわ!」
これだったら、私の萌え萌え鼻息もバレない!ヨシ!!
「このチタンフレームもおしゃれだねー!」
「キミにとっても似合うよ。かわいいね。」
王子はまっすぐ私を見つめて、言ってくれた。
その瞳(サングラス)が夕日に揺れてとってもキレイ。
ちょっと恥ずかしくて、顔が赤くなっているのを感じたけど、
バレないように、手で頬を隠しながらお礼を言った。
「嬉しい!ありがとう!」
「元気になったね、よかった!」
王子が私の頭をぽんぽんしてくれる。
恥ずかしくて、顔から湯気がでてるのを感じるけど、やっぱりちっとも曇らない。
「うん、、、ありがと。 知らないところにきて戸惑ってたけど、
このフェイスシールドでなんだかテンションあがっちゃった!
このすごさって、ほんとに付けたらわかるよね!
シールド王国の名産品って意味がよ~く分かった!!」
「ハハっ!嬉しいこといってくれるね!
じゃ、元気になったみたいだし、夕日もキレイだし
フェイスシールドつけて踊ろうか♪」
「うん♪」
「あははははは♪」
「うふふふふふふふふふふ♪」
「HAHAHAHAHAHAHAHAHA♪」
私たちは夜通し踊り明かした・・・・・
・
・
・
・
・
「ハッ!」
ぱっと目が覚めると、そこは会社の休憩室だった。
あれ、なんか不思議な男の人がでてくる夢をみていた気がする…!
ま、いっか!
私はいつものように、お弁当を片付け自分の席に戻った。
すると、
うちの部署に新しく異動してくるっていう人が来ていた。
「新しく、こちらでお世話になることになりました、シュガーです。
これからよろしく!」
あれ、私、なんだか彼をしっているような…
ま、いっか!
「それはそうと、シュガー君、耳が路線図みたいになってるよ…!」
「HAHAHAHA!僕の耳は新宿駅かってね!」
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