シャープのVR用ヘッドマウントディスプレイの開発企画者を直撃!「日常の中で気軽に」がコンセプトのプロトタイプをご紹介します
2023年2月15日
わっしょいしょい!
先日、ブログでご紹介した、シャープのVR用ヘッドマウントディスプレイ(HMD)のプロトタイプですが、シャープがVRゴーグルをつくるの?!と、みなさんびっくりされたことと思います。
前回ブログはこちら
シャープは、1月5日(木)から1月8日(日)まで、米国ネバダ州ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2023」に、VR用ヘッドマウントディスプレイのプロトタイプを参考出展していたのですが、そこに立ち会っていた、開発企画担当者を直撃しましたー! 出展して感じたことをご紹介いたします!
① 今回、VRゴーグルを企画することになった経緯を教えてください。
私はシャープの通信事業本部で、スマートフォンの開発を行っていたのですが、次世代の通信機器としてXRデバイス(※)にとても可能性を感じており、また、VR機器はシャープのアセットを活かせる部分が多いので、XR参入の第一段としてVRゴーグルを企画しました!
VRって、視覚と聴覚が支配されるので、相手との距離感や息遣いまで感じられて、距離や時間の制約を越えて、まるで隣に本当にいるように感じたり、実際に触れられているように感じたりするんです。面白くないですか?
※「XR(クロスリアリティ)」 とは、 VR(仮想現実)・AR(拡張現実)・MR(複合現実)・SR(代替現実)など、現実世界と仮想世界を融合して、新しい体験を作り出す技術の総称。
② どこにこだわりましたか? こだわりポイントを教えてください
「日常の中で気軽にXRを」というコンセプトを基に、軽量化とデザインにこだわりました!
VR機器の多くは重くてゴツく、素晴らしいハードウェアではあるんですが、なかなか気軽に使えそうなものがなくて……。世界最軽量クラスのハードウェアと、軽量だからこそ実現できる掛けやすい「メガネ形状」。それに、「思わずかけたくなるようなワクワクするデザイン」にこだわりました。また、コントローラーを持たなくていいハンドトラッキング操作や、機器を装着したままでも外が見えるフルカラーパススルーカメラにも対応していて、『日常の中で気軽に』使っていただけるコンセプトに沿って開発しました。
また、今回のプロトタイプは、シャープグループの独自技術を盛り込んで企画しました! シャープディスプレイテクノロジー(株)のディスプレイ、シャープセンシングテクノロジー(株)のカメラモジュール、シャープセミコンダクターイノベーション(株)の近接センサ、カンタツ(株)のポリマーレンズユニットと、今までシャープグループがスマホや液晶の開発をする中で培ってきた技術を結集しています。
【小山’sワンポイント!】
また、映像酔いしにくい仕様にもこだわりました。
VR映像を見るときは、高精細&高リフレッシュレートディスプレイで目が疲れにくくて酔いにくく、さらにパススルーモードで外の世界を見るときは、超高速AF&画角の変わらないカメラモジュール(ポリマーレンズ搭載)が激しい動きの中でも安定した動作を実現するため、VR酔いを防ぎます。
【小山’sワンポイント!】
③ CESで多くの方々にアピールできたと思います。率直な感想を聞かせてください。
今までにあまりないコンセプトとデザインだったので正直不安は大きかったですが、かなり多くの反響をいただけて嬉しかったです。ありがとうございました。
商用機開発への自信に繋がりました。
やっぱりみんな光るハードウェアデザインが好きなんですね! 私もです。
④ 来客の反応はいかがでしたか?
「Cool!」ですって。
アメリカでは日本よりもVRが定着しているので、特に軽さに驚いていただけたと思います。
⑤ アメリカならではの出来事はありましたか?
初日にアメリカのテック系ユーチューバーさんがいらっしゃって、「へ~、シャープも見てもらえるなんて嬉しいなあ~」程度に思ってたら、登録者10万人オーバーで、動画も3万回以上再生されてて、さらに後日「彼の動画を観て、ここに来たんだ!」っていう方までいて「ヒィ」って声が出ました。
その時の動画はコチラ
https://www.youtube.com/watch?v=m7_y1iLO-b0&t=1s
⑥ 今回、出展したのはプロトタイプということですが、どういった商品にしていきたいか、これからの展望をお教えください。
評価いただいたところをきっちりとキープ&ブラッシュアップしていって、今回詰め切れなかった部分はこれから改善して、「日常の中で気軽にXRを」というコンセプトに沿った、ワクワクするデバイスやサービスを作っていきたいです。
⑦ 最後にメッセージをお願いします
VRやメタバース、NFTなどは、半ば”怪しい”単語群に足を突っ込んでいるような気もして、XR事業の将来性には半信半疑な方も多いと思いますが、デバイスの進化も、ソフトウェアの進化も、けっこう凄いところまで来ていて、多くの方々が“日常の中で”XR機器を使う時代は必ず来ると確信しています。
そしてそれは、遠い未来の話ではありません。
単純にめちゃくちゃ楽しくて便利な世界ですので、興味を持った方はぜひ体験してみてください!
……某VR SNSで女の子のアバターを纏った私を見かけても見なかったことにしてくださいね!
小山さん、ありがとうございましたー!
夢が広がる、、、! 新世界の幕開けかも!?
それにしても、最後の一文はそういうことなのか・・・?
そして、2月2日(木)に渋谷ストリーム ホールにて行われた、『地方創生 x メタバース』の大規模カンファレンスイベント、「Japan Empowerment Summit 2023 presented by Metaverse Japan」にも出展しましたので、そちらの様子もご紹介します!
ご来場いただいた方からは、「商品化はいつ?」「どうやったらこんなに軽くなるんですか!?」という質問をたくさんいただきました。電池がない(スマホで駆動)というのが大きな要因の一つですが、スマホの開発で培った小型化技術や、シャープグループ製の小型軽量部品の採用により、少しまた少しと軽くすることで、この軽量デバイスを実現することができました。商品化については検討中です。
■関連リンク
・リリース
スマートフォン接続型VR用ヘッドマウントディスプレイのプロトタイプを開発
https://corporate.jp.sharp/news/230106-a.html
・「Japan Empowerment Summit 2023 presented by Metaverse Japan」
https://metaverse-japan.org/news/mvjs2023prog/
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