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シャープ特選工業が丹比荘(たんぴそう)病院にて講演を実施!-シャープ創業者 早川徳次の想いを受け継ぐ社会貢献活動の取り組みを紹介-

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丹比荘病院デイケアセンターでの講演の様子

当社関係会社のシャープ特選工業株式会社(以下、シャープ特選)は、日本で最初に認定された特例子会社です。シャープ特選では、当社創業者 早川徳次の想いを受け継ぐ社会貢献活動として、障がいのある方々の就労の一助となる「キャリア教育支援活動」を当社ESG・品質推進部とともに実施しています。

※ 特例子会社:「障がい者の雇用の促進等に関する法律(1976年制定)」に定義されている、障がい者の雇用に特別の配慮をした子会社。資本や役員の構成、障がい者雇用率など一定要件を満たす場合、特例として、その子会社で雇用される労働者を親会社が雇用しているとみなして雇用率を算定できる。

キャリア教育支援活動の一環として、4月17日、丹比荘病院(大阪府 羽曳野市)にて「特例子会社での働き方」をテーマに講演を行いました。丹比荘病院は精神科、心療内科、内科に加え、デイケアセンターなども併設し、地域のメンタルケアに注力・貢献されています。

丹比荘病院

今回は、講演内容を紹介するとともに、講演終了後のデイケアスタッフおよび講演参加者へのインタビューについてご紹介します。まず、講演の様子です。


■講演の概要

 講演名:特例子会社での働き方
 日 時:2024年4月17日(5月15日にシャープ八尾事業所内のシャープ特選エリアの見学も実施)
 場 所:丹比荘病院 デイケアセンター
 参加者:精神障がいをお持ちのデイケア利用者 29名

<講演内容>

「会社概要」「障がい者雇用の傾向と特例子会社制度」「企業が求める人物像」「働き続けるための取り組み」の4パートに分け、社会貢献活動・労務管理を担当している福祉の専門知識をもった社員が講演を行いました。

シャープ特選 平野(講師)

・「会社概要」

シャープ特選の業務内容と障がい別の雇用状況の推移などを紹介し、多様な業務が存在し、障がいの程度や種別にとらわれず、さまざまな方が幅広く活躍できる場があることを説明しました。

シャープ特選の多様な業務例 (左より、電子部品の加工・検品、データ入力、清掃)

・「障がい者雇用の傾向と特例子会社制度」

民間企業の雇用推移と特例子会社制度について紹介し、障がい者の雇用者数・実雇用率とも増加し続け活躍の場が広がっており、さらに、能力を発揮する機会が確保されていることを説明しました。

・「企業が求める人物像」

企業が求める人物像として、「あいさつをはじめ基本的なことができること」「向き・不向きなど自分の特性を理解していること」「作業遂行の基本的な能力や対人関係など働く準備ができていること」など、例を挙げて紹介し、働く上でのスキルを身に付ける(=働き続ける)ため、常に現状の自分に必要なことは何か意識することが必要であることを伝えました。

企業が求める人物像(スライド資料)

・「働き続けるための取り組み」

シャープ特選では、職場リーダーを設置するなど、障がいのある社員に対してのサポート体制が構築されており、サポートを受けながら働ける環境があることを紹介しました。


講演後、参加者から「入社したらPCなどの指導はしてもらえるのか?」「通院しながら就業できるのか?」といった質問から、「交通費は?」「何歳まで働けるのか?」「通勤方法は?」など細かい就業条件に至るまで、多くの質問があり、働くことへの意欲や関心の高さが感じ取れました。

参加者からの質問に回答している様子(右:吉永)


続いて、丹比荘病院デイケアスタッフの嘉納様(地域医療支援室 精神保健福祉士)、さらに、講演会の参加者を代表してT.T様にお話を伺いました。

■デイケアスタッフ 嘉納様

- なぜ、シャープに講演を依頼したのですか?

デイケア利用者が卒業した後の将来を見据え、一般の会社を見学できればと常日頃思っていました。費用やデイケアの患者さんの移動の負担などを考え、この病院から近い特例子会社を探す中、シャープ特選にたどり着きました。ホームページを見ると、目立つ位置に社会貢献事業と書かれていて、障がい者雇用に力を入れているんだなと感じました。

- 講演を依頼した目的は?

精神科のデイケアに来ている人は、症状はさまざまですが、重い方だと何年も入院していた方や、コンビニに一人で行くことも簡単でない方もいます。まだまだ、一般の会社で働ける状態とはかい離があります。その隙間を埋めるべく、まずは、障がい者が働ける企業があることを知って欲しいと思い、今回依頼をしました。いますぐは難しいかもしれませんが、一人でも就業につながればと思っています。

- 講演の感想を教えてください。

講演をきくまでは、やはり就業へのハードルは高いのでは、と思っていました。しかし、世の中で障がい者雇用数が増加し、活躍の場が広がっている状況を知り、就職できる可能性を感じました。できれば、今後も定期的に講演を開催してもらえれば助かります。

■講演会 参加者のT.T様

- どんな症状をお持ちなのですか?

統合失調症です。風の音などに合わせて人の声が聞こえて来るなどの幻聴が起こります。

- 講演に参加したきっかけは?

デイケアで、朝・昼の挨拶の時間に案内があり、(就労支援)特別プログラムがあることを知りました。以前、企業説明会に参加したことがありますが、その当時と比べて障がい者の雇用環境がどこまで改善しているのか知りたいという想いから参加することにしました。

病院1階に講演案内のポスターを掲示

- 企業説明会に参加した経験があるということは、以前働かれていたのですか?

飲食店の店舗で正社員として働いていました。 

- 職場はどうでしたか?

とにかく忙しく立ちっぱなしの職場でした。お客様の注文もさばききれないほどで、その忙しさに加え、お客様の声から幻聴も聞こえてきて、注文が聞き取れないこともありました。

- 統合失調症について会社には話していなかったのですか?

はい。会社による病気への理解があれば続けられたかもしれません。勤めていた飲食店は大手のチェーン店でしたが、その当時は障がい者雇用もありませんでしたし、症状のことは言えませんでした。

- 講演を受けての感想を教えてください。

障がい者が働きやすい環境が整ってきているし、雇用する枠が広がっていることも実感しました。また、シャープ特選については、相談も聞いてもらえるし、その人の症状や特性も知った上で、雇用してもらえるというのが分かりました。

- 今後の抱負を教えてください。

まだ、次の就職のことは具体的に考えられていませんが、コツコツと作業することが好きなので、就職できれば真面目に働く社員になりたいと思います。

- 嘉納様、T.Tお忙しいところありがとうございました。

訪問授業運営スタッフ(当社ESG・品質推進部、シャープ特選)と
丹比荘病院デイケアスタッフの嘉納様(中央)


取材中、昼食の休憩時間にも、シャープ特選のスタッフに質問される方が多く、参加者の就業意欲が高いことや、こうした取り組みを求めている方が多くおられるのを実感しました。

今年3月に、当社八尾事業所で、ダイバーシティ・マネジメントの取り組みの一環として、従業員が互いに尊重し想い合い、より良い職場環境を醸成することを目的とする「生理痛体験を通した想い合い研修」を実施し、その様子を紹介しました。これは従業員に対しての取り組み・配慮ですが、シャープは雇用においても「人権の尊重」として、国籍や性別、性的指向、信条などはもちろんのこと、心身での障がいの有無による差別行為を一切行わないと「シャープ行動規範」に定めています。

シャープはこれからも、早川徳次の障がい者支援の想いを受け継ぎながら、「ESG(環境・社会・ガバナンス)」に重点を置いた取り組みを進めていきます。

(広報H)

<関連サイト>
■シャープサイト
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経営理念
行動規範
ダイバーシティ・マネジメント

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