オンライン(SHARP Webinar)で「モノづくりセミナー」を開催
―シャープのオープンインキュベーション事業<3>―
2021年2月24日
第3回「SHARP Webinar」として開催された「One Day Bootcamp ~これから始めるモノづくりセミナー~」の画面
(講師:研究開発事業本部 オープンイノベーションセンター 所長 金丸 和生)
新たに事業を立ち上げようとしているものの、モノづくりの方法・手段などが分からないと思われているスタートアップ※1は多いのではないでしょうか。当社は、長年培ってきたモノづくりのノウハウをもとに、2016年以降、スタートアップを支援するオープンインキュベーション※2事業を進めています。モノづくりに興味を持つスタートアップと当社をつなぐ最初のきっかけの場として、事業化、製品化における課題や解決策などを紹介する「シャープモノづくりセミナー」を全国各地で実施しています。
しかし、ご存知のように、現在は人を集めてのセミナーが難しい状況にあり、また、モノづくりに興味を持たれている学生さんなどにも対象を広げたいと考え、「SHARP Webinar」を活用したオンラインセミナーを行うことにしました。以前、SHARP Blogでも取り上げましたが、2020年11月より、当社ならではの視点で様々なテーマを取り上げて発信する「SHARP Webinar」(オンラインセミナー)をスタートしており、今回は、その3回目となる「One Day Bootcamp ~これから始めるモノづくりセミナー~」について、ご紹介します。
※1 スタートアップ(Start up):ビジネスにおける「立ち上げ」や「起業」などの意味で使われていて、新しいビジネスモデルで急成長をめざす、市場開拓フェーズにある企業のこと。
※2 インキュベーション(Incubation):英語で「(卵の)孵化」という意味があり、転じて、「新規事業の創出や起業の支援を行い、その成長を促す」こと。
<「One Day Bootcamp ~これから始めるモノづくりセミナー~」>
本セミナーは、研究開発事業本部 オープンイノベーションセンター所長 金丸和生を講師として、今年(2021年)1月20日18:00から約1時間、以下の3部構成で実施しました。
「One Day Bootcamp ~これから始めるモノづくりセミナー~」の様子(右:配信を行う金丸さん)
<第1部>メーカーがQCDSEを実現するモノづくりの基本プロセス
QCDSEとは、Q(品質)・C(コスト)・D(納期)・S(安全)・E(環境)のことです。第1部では、メーカーがQCDSEを実現するため、モノづくりにはどんなプロセスがあるのかを紹介しています。さらに、その「商品企画」から「量産設計」「0次試作」「1次試作」「量産」「倉入れ・出荷」までの各プロセスにおいてどんなことを検討・実行しなければならないのかを説明しています。
「量産設計」の目的について(セミナーで使用された資料)
<第2部>モノづくりスタートアップが直面する「量産化の壁」
スタートアップを取り巻く環境は決して易しいものではなく、直面する課題のひとつとして、量産化のための試作品や生産ラインの選定でつまずくケースが多くみられます。こうした「量産化の壁」を乗り越えるため、「仕様の決定」「量産設計」「金型作成」「組立、検査」など各工程で対策を立てる必要があることを説明しました。
スタートアップの課題「量産化の壁」について(セミナーで使用された資料)
<第3部>「量産化の壁」の突破をサポートするシャープの取り組み
「モノづくりブートキャンプ」・「量産アクセラレーションプログラム」・「天理市との連携協定」・「モノづくりプロ.net」・「Product Quality.net」の5つの施策を中心に、スタートアップやモノづくりを目指す企業の課題突破のため、当社が実施しているオープンインキュベーション事業の取り組みを紹介しました。
シャープのオープンインキュベーション5つの施策(セミナーで使用された資料)
「モノづくりブートキャンプ」(セミナーで使用された資料)
<Q&A>
最後に視聴された方からの質問に回答しました。
(抜粋)
①質問「シャープが扱っているものと違うジャンルの製品を検討しているが、シャープが提供するオープンインキュベーションは役に立つのか?」
回答「安心・安全にお客様にご利用いただける製品を作るという最終目的は同じであり、基本プロセスは変わらない。お役に立てるはずです。」
②質問「シャープのオープンインキュベーションを活用して量産化したら、その製品の売上の数パーセントを支払わなければならないのか?」
回答「オープンインキュベーションで提供した個々のサービスに対して費用をいただいています。売上に対するロイヤリティなどはいただいていません。」
③質問「出張講義は可能か?その場合、費用はどれぐらいか?」
回答「出張講義は可能です。費用については基準がありますので、お客様のご要望をお伺いした上で、相談させていただきます。」
今回は、初めてオンラインで開催した「モノづくりセミナー」の概要を紹介しました。スタートアップの方はもちろん、大手企業の技術者、個人でのモノづくりを検討されている方、学生さんなど、86名の方に参加いただき、たいへん盛況でした。
シャープの「モノづくりセミナー」はスタートアップだけでなく、モノづくりに興味を持つあらゆる方を対象にしたものです。ほかにも、当社のオープンインキュベーション事業では、スタートアップのフェーズにあわせたさまざまな研修プログラムを用意しており、実際にモノづくりを進めるフェーズに入ったスタートアップには、必要な知識を具体的にお伝えする研修プログラム「モノづくりブートキャンプ」を提供しています。当社施設で6日間もしくは10日間、あるいは出張講義で2日間の研修を行っており、この「モノづくりブートキャンプ」も、先日オンラインでの研修をスタートさせました。後日、その内容と受講者の感想などをご紹介したいと考えています。シャープのオープンインキュベーション事業や「モノづくりブートキャンプ」に興味をお持ちになった方、是非お楽しみに!
* オープンインキュベーション事業、「モノづくりセミナー」「モノづくりブートキャンプ」などの詳細
⇒ シャープオープンインキュベーションサイト
なお、「SHARP Webinar」では、今後もさまざまテーマをピックアップし、定期的にオンラインセミナーを開催する予定です。次回予定はhttps://webinar.jp.sharp/でご確認ください。
(広報担当:H)
<関連サイト>
■SHARP Blog
スタートアップ向けオンラインマッチングサービス「モノづくりプロ.net」とは ~シャープのオープンインキュベーション事業~
Related articles