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ネットの向こうの声に励まされた1年を振り返って。
―<マスクで社会貢献③>―

2021年4月28日

著者:広報Y

当社は、昨年3月24日に不織布マスクの国内生産を開始し、4月28日より一般のお客様向けに販売を始めました。その販売を担当したのがシャープの連結子会社、株式会社SHARP COCORO LIFE(以下、ココロライフ)です。

これまでココロライフではシャープのECサイトを運営し、「ロボホン」や猫用システムトイレ型「ペットケアモニター」、ウォーターオーブンヘルシオやヘルシオホットクック用の食材キット「ヘルシオデリ」などをお届けしてきました。

今回は、ココロライフ社長の大山にマスクの販売について話を聞きました。

株式会社SHARP COCORO LIFE 社長 大山貞

――マスクの販売を手がけることになった時のことを教えてください

正直に言うと、ちゃんと売れるのかなと思いました。ただ、当社は液晶テレビで「世界の亀山モデル」というブランドイメージを築いてきたこともあり、液晶パネル工場(三重工場)のクリーンルームで生産したマスクを扱うことは、非常に楽しみでもありました。

生産開始当初は政府向けに納入していましたが、当時マスクは入手困難な状況が続いていましたので、政府からシャープに「国産のマスクを一般の人に販売してもらえないか」との要請がありました。そこで一般のお客様へ販売することになったのですが、ネット販売を開始するまでの準備期間はわずか1ヶ月弱。販売や物流の方法を検討したり、WEBページの仕様を決めたりする作業など、準備に追われました。

不織布マスク<MA-1050>

――店頭販売ではなくネット販売をすることになったのはどうしてですか?

ありがたいことに、マスクの生産を開始してからたいへん多くの引き合いやお問い合わせをいただいていました。個人のお客様はもとより、取引のあったご販売店様、さらには医療機関といった、これまで取引のなかったところからもご連絡をいただきました。しかし、当時はまだすべての問い合わせにお応えするだけの生産能力がありませんでした。そのため、できるだけ公平な販売方法として、当社のECサイトCOCORO STORE(ココロストア)でネット販売することに決めたのです。

――ネットでの販売を開始した直後、アクセスが集中してお客様にご迷惑をおかけする事態となりました。どういった状況だったのでしょうか?

これは想定が甘かったと言わざるを得ません。当初は先着順に販売する予定で、数万件程度のアクセスを予想して準備をしていたのですが、実際は予想をはるかに上回るアクセスがありました。そのためお客様がCOCORO STOREにアクセスできなくなり、初日は1枚もマスクを販売できませんでした。また、ネットでご購入いただくにあたってはCOCORO MEMBERSとして会員登録をしていただかなければなりませんが、この会員サイトにもアクセスが集中し、同じネットワークでつながっていたシャープの家電製品のAIoT機能にも影響が及ぶなど、大変なご迷惑をおかけすることになってしまったのです。

――その後、どのように改善したのでしょうか? また、工夫したことを教えてください。

急いでシステムを変更し、抽選販売に切り替えたことで、アクセスを分散させることができました。同時に、マスク販売用のネットワークを独立させました。加えて、当選者のみにCOCORO MEMBERSの会員登録をしていただくよう変更することで、家電製品に影響が出ないように対策を行いました。

また、この頃、コロナ禍による人々の不安定な気持ちにつけこむような詐欺が発生していたこともあり、フィッシングメール対策にも気を遣いました。当社からのマスク当選メールを装い、お客様に対して詐欺目的のサイトへ誘導するメールが送信されるかもしれないと警戒したのです。

詐欺サイトへの誘導を防ぐための具体的な対策として、当選メールでは購入申し込み用のURLを記載せず、当選番号のみをお知らせすることにしました。当選した方には、シャープの公式WEBサイトのマスク販売ページで当選番号を入力して購入の申し込みをしていただいています。お客様にはお手間をおかけすることになりましたが、詐欺被害を防ぐ対策としてご理解いただけたと思います。

実際のWEB画面。
当選メールに記載された当選番号を入力し、購入画面に進んでいただきます。

マスクのパッケージにもこだわっています。ラインの入れ方ひとつにも議論を重ね、シャープのデザインセンターの担当者にも意見を求めながら決めていきました。国産のマスクとして、高級感を感じていただける光沢のある箱を採用したところ、お客様からご好評をいただくことができました。

――お客様からはどういった反響が届いていますか? また、どのように対応していますか?

第1回目の抽選には約470万人の方からご応募があり、4万人の方に当選メールをお送りしました。当選者の方たちがすごく喜んでくださったことが、Twitterなどを通じて伝わってきました。

また、マスクが品薄な状況で、家電メーカーであるシャープが非常に短期間のうちに日本国内でマスクを生産・販売したことに対し、多くの好意的な声をお寄せいただいています。SNSに感謝の言葉を投稿してくださっている方も多く、大きな励みになっています。一方で、なかなか当選しないというご不満、あるいはネットで申し込んだ後、いつ届くのかわからないという不安の声をいただくこともありましたが、そういったご意見に対しても、三重工場のマスク生産部門と連携し、品質やサービスの向上に活かしています。

ココロライフは、シャープのお客様相談センターを運営しています。お客様相談センターは長い歴史がある部門で、これまで家電製品を中心としたお問い合わせに対応してきました。マスクの問い合わせに対しても、家電製品と同じようにお客様の気持ちを真摯に受け止める対応を心がけています。マスク販売当初は非常に多くのお問い合わせをいただき、一時的に多くの社員がお客様への対応を行いましたが、長年のノウハウがあったからこそ誠実に対応することができたと思っています。

――今年3月25日に、当社のマスク生産が累計2億枚を突破しました。これからの取り組みについて、教えてください。

2億枚を突破したといっても、日本のすべての皆さんが使ってくださっているわけではありません。これまでシャープのマスクを手にしていない方にも使っていただきたいので、マスクの品質、そしてサービスもまだまだ進化させていかなければならないと思っています。

昨年12月には定期便サービスを開始しました。これはマスクを毎月30枚ずつ定期的にお届けするサービスですが、「買い忘れがなくて助かる」とご好評をいただいています。一方で「外出する日にしか使わないので、余ってしまう」といったお声もあり、定期便をひと月お休みしたり、逆に早く欲しいという方には受取日を早めたりできるようにしました。この他にも、マスクの生産拠点がある三重県多気町のふるさと納税の返礼品への採用や、1,200枚セットの大口のお客様向けの販売を開始するなど、お客様の声に耳を傾けて、買いやすく、使いやすいサービスを次々と実現していくことで、多くの方にシャープマスクを手にとってもらえるように取り組んでいきます。

――最後に、マスクについて大山さんの思いを聞かせてください。

この1年間、本当に大変でしたが、社会貢献につながる取り組みに関わることができ、誇らしい気持ちでいっぱいで、やって良かったなと思います。改めて聞いたことはありませんが、担当した社員たちも同じように思っているのではないでしょうか。品質面とサービス面で、まだまだ改善できる余地はあると思いますので、それらの向上に継続的に取り組み、お客様にとって買いやすく、使いやすい製品にしていきたいです。今後、マスクが必要なくなるのが一番ですが、しばらくはまだマスク生活が続くかもしれません。そういった時、多くのマスクの中からシャープのマスクを選んでいただき、さまざまな職業の方やお客様のお役に立つことができれば嬉しいです。

――ありがとうございました。

マスクの販売については、当初お客様にご迷惑をおかけしたこともあり、販売を担当したココロライフとしては心苦しい部分もあったと思います。ですが、それを糧に、そして多くのお客様の励ましを胸に、これからも多くの方にマスクをお届けしていくという目標を掲げています。次回は、ココロライフで実際の業務にあたっている担当者の話をお届けする予定です。

※  記載されている内容は、掲載日時点の情報です。

(広報担当:Y)

※「AIoT」は、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット化)を組み合わせ、あらゆるものをクラウドの人工知能とつなぎ、人に寄り添う存在に変えていくビジョンです。「AIoT」はシャープ株式会社の登録商標です。

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■製品情報:不織布マスク
■ECサイト:COCORO STORE(マスク抽選販売 / マスク定期便)
■ニュースリリース:
 マスク生産開始のお知らせ
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 個人のお客様向け「不織布マスク(小さめサイズ)」を発売 
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