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「『マスクを作ってくれてありがとう』との感謝の言葉があったから・・・」 マスク作りへの苦労や挑戦、想いなど担当者の本音を聞きました!―<マスクで社会貢献⑥>―

2021年6月11日

著者:広報H

作業改善などを担当する奥村さん

作業改善などを担当する奥村さん

いままで連載で5回にわたり、シャープマスクを紹介してきました。前回は三重工場の生産に携わる担当マネージャーに初めてのマスク作りへの取り組みやこだわりなどを聞きました。今回は、マスク生産に関わるシャープディスプレイテクノロジー株式会社(以下、SDTC)の実務担当者6名(開発・出荷管理・材料調達・業務改善・品質保証・装置関連)に、マスク作りでの苦労や挑戦、想いなど、本音を聞きました。

 

― まず、みなさんの業務内容を教えてください。

上(左)  事業本部 第六事業部 営業管理部 主任 宮村 健介、 (中央) 事業本部 第六事業部 NB推進部 主任 石田 禎明、 (右)  経営管理本部 生産企画・調達統轄部 資材部 係長 中嶋 良介<テレビ会議での参加>、 下(左)  パネル生産統轄部 第四生産部 担当 奥村 ひかり、 (中央) 事業本部 第六事業部 品質保証部 係長 宮本幸和、 (右)  パネル生産統轄部 実装展開推進部 技師 山田 剛 * 6名ともに、シャープディスプレイテクノロジー株式会社(SDTC)所属

上(左)  事業本部 第六事業部 営業管理部 主任 宮村 健介、
(中央) 事業本部 第六事業部 NB推進部 主任 石田 禎明、
(右)  経営管理本部 生産企画・調達統轄部 資材部 係長 中嶋 良介<テレビ会議での参加>、
下(左)  パネル生産統轄部 第四生産部 担当 奥村 ひかり、
(中央) 事業本部 第六事業部 品質保証部 係長 宮本幸和、
(右)  パネル生産統轄部 実装展開推進部 技師 山田 剛
* 6名ともに、シャープディスプレイテクノロジー株式会社(SDTC)所属

宮村さんサムネ

(宮村) 耳ひも・ノーズフィッターなどの部材にどのような材料や形状等を用いるかを規定する仕様書作成の仕事をしていました(現在はマスクを離れて液晶関連の業務を担当)。

石田さんサムネ

(石田) 生産状況を見極めながら、マスクのECサイト販売を行う株式会社SHARP COCORO LIFE(以下、ココロライフ)への出荷スケジュールの確認、採算管理などをしています。

中嶋さんサムネ

(中嶋) マスクの材料調達・価格交渉などを行っています。

奥村さんサムネ

(奥村) 当初はマスク生産立ち上げに携わり、その後は、生産現場の作業効率や環境改善などを担当しています。

宮本さんサムネ

(宮本) マスクの市場品質担当です。ココロライフに届いたお客様からの品質情報をフィードバックしてもらい、関係部門と連携しながら製品の改善を進めています。

山田さんサムネ

(山田) マスクの新規装置導入や装置トラブル対応、マスクの品質改善、新規材料検討などをしています。

 

― 液晶パネルの担当からマスクの担当へ変更になり、どう感じましたか? また、ご家族・ご友人の反応も教えてください。

宮本さんサムネ

(宮本) 「電機メーカーのシャープがなぜマスクを?」と思いましたが、生産決定当時はマスクが不足していて購入しづらい状況だったので、会社の判断に共感できました。

中嶋さんサムネ

 

 

(中嶋) 昨年2月、「出張してる場合じゃない。すぐ戻ってこい」と言われたのが、関わることになった最初の出来事です。液晶にはフォトマスク工程というものがあり、最初はそのことかと思い込んでいました。顔に装着する方のマスクだと聞いてびっくりした覚えがあります。

※ フォトマスクとは液晶パネルなどの電子部品を製造する際に使われる部材であり、その表面に描かれた模様をもとに、電子回路が形成されます(言わば電子回路の原版)。

石田さんサムネ

(石田) 驚きもありましたが、すでに納入日程も決まっていたので、当時は何も考えられないぐらいバタバタしていました。

奥村さんサムネ

(奥村) シャープの新たな取り組みに携われるので、ポジティブに考えていました。私がマスクを担当することを知った友人から、「マスクが欲しい」と言われましたが、私たち従業員が優先的に買えるわけでもなく、困ったことを覚えています。

宮村さんサムネ

(宮村) びっくりしましたが、ちょうど新しい仕事を覚えようとしていたところだったので、素直に受け入れられました。妻が医療機関で働いていてマスク調達に困っていたこともあり、「マスクを作ってくれるなんて嬉しい」と喜んでいました。

山田さんサムネ

(山田) 最初はどう作ったらいいのか分からないし、悩みました。でも、社会貢献になりますし、次第にやりがいを感じていくようになりました。私の妻も昔は看護師で、いまは保健師です。マスクが不可欠なので「早く作ってよ」と迫られました。

左:仕様書の作成などを担当した宮村さん 右:出荷管理担当の石田さん

左:仕様書の作成などを担当した宮村さん 右:出荷管理担当の石田さん

 

― 実際にマスク作りを担当する中で思ったこと、取り組んだことや大変だったことを教えてください。

(山田) 生産装置は何とか納入できたのですが、初めてのマスク作りですので、材料の不織布のセットの仕方などもよく分かりませんでした。ネットなどで調べながら試行錯誤を繰り返すことで生産フローを自分たちの力で構築し、マスクができあがった時は本当に嬉しかったですね。

(宮村) 私を含めマスクへの知見を持った人がいなかったため、当初は、基準づくりにおいても、さまざまな試行錯誤を繰り返して進めていかなければなりませんでした。

(石田) 初めてのマスク作りの中、当初は人手も潤沢でないにもかかわらず、納期も決まっていたのでスピードが求められました。お尻に火がついたような状況で、分からないことがあればすぐに色んな部門の方に相談しに行きました。みんながそうだったのではないでしょうか。でも、逆にそのおかげで、すぐに情報が伝わるようになりましたし、部門間の壁がなくなっていきました。部門という捉え方ではなく、マスクを作る運命共同体みたいな感じでしたね。

(奥村) 何が正しいかを模索するところからのスタートでしたが、設備担当部門などの協力を得てなんとか生産までたどりつきました。その後は作業改善などを担当しているのですが、液晶と同じやり方では効果が得られない場合が多々あります。また、装置台数や生産数量が増えると、製造工程も変わってくるため、その調整と同時に品質を高めるのにも手間取りました。

(宮本)マスクはお客様の肌に直接触れる商品なので、髪の毛などが付いていたら大問題です。まずは、そうした異物混入を撲滅することからアプローチしました。

 

 

 

 

(中嶋) まずは、マスクの部材メーカーを手当たり次第に調べました。電話で問い合わせたところ、専門用語でたたみかけられ、相手にどんな材料が欲しいかを上手く伝えることができませんでした。そこで、基本的な知識を一通り勉強し、再度問い合わせましたが、繁忙の中、お話しを聞いていただける部材メーカーがなかなか見つかりませんでした。そのような逆境の中ではありましたが、粘り強く問い合わせを重ね、最終的にはなんとか部材サンプルを集めて、マスクの開発・生産までたどり着くことができました。まさに寝る間を惜しんでの仕事でしたね。いまでも、さらに良い材料を求めて肌触りを自ら試すなど、努力を続けています。

左:市場品質担当の宮本さん 右:部材調達担当の中嶋さん

左:市場品質担当の宮本さん 右:部材調達担当の中嶋さん

 

― そうしたみなさんの奮闘のおかげで、累計生産2億枚を突破し、シャープマスクへ高い評価もいただいています。このことについての感想を教えてください。

(石田) こんなに続くと思っていませんでした。お客様と直接コンタクトをするココロライフの対応が良かったからだと思いますが、スタート時を考えると2億枚というのは凄い数字ですね。私個人としては、生産規模がどんどん大きくなっていくという経験は初めてでした。苦労もたくさんありましたが、みんなが求めている製品を担当するという経験、これはやりがいがありました。

 

 

(中嶋) 部材を集め始めたときに、材料メーカーさんからは口をそろえて「3月に欲しいと言ってきて、3月中に納品なんて無理に決まってるやろ」と言われました。そんな中、困難をいとわず、在庫を素早く出荷してくれたメーカーさんがありました。マスクが逼迫する中、異業種から参入してきたシャープの決断に共感いただいたからであり、本当に感謝しています。苦い思い出もたくさんありましたが、なかなか味わえない貴重な体験です。

(宮村) 意思決定を含めこのスピード感。振り返ってみれば、改めてすごいと思いました。必要とするお客様にマスクを提供できていますし、少しは社会貢献を果たせたのかなと思います。

(宮本)不良があったにも関わらず、そのご指摘だけでなく、「次もシャープのマスクを買います」、「期待しているからシャープのマスクを買います」という風に激励を交えたお声を頂戴する機会も多いです。実は、お客様から届くコメントの8割ぐらいが感謝をお伝えいただいたものであり、心底この仕事を担当してよかったと感じています。今後も品質向上に向けて頑張っていきたいです。

(山田) 最初は1週間だけ身体を貸してと言われて始めた仕事ですが、半年そして1年が経ち、ついには、生産2億枚にまで到達しました。ここまで来られたのは、生産を担当する私たちの力だけでなく、販売担当のココロライフを始めご協力いただいた社内外の関係者、そして、なによりシャープマスクに期待してご購入いただきましたお客様のお蔭です。

(奥村) 生産現場にもお客様からの御礼のお手紙などが貼り出されており、直接、感謝の言葉を目にする機会が多いです。「マスクが手に入りにくい状況の中、マスクを作ってくれてありがとう」という言葉があったからこそ、みんなここまでやってこられたのではと思います。

左:新規装置導入などを担当する山田さん  右:3月25日にマスク生産(出荷)2億枚を達成

左:新規装置導入などを担当する山田さん  右:3月25日にマスク生産(出荷)2億枚を達成

工場内にはお客様からのお手紙のほか、経済産業大臣からの感謝状も飾られています。

工場内にはお客様からのお手紙のほか、経済産業大臣からの感謝状も飾られています。

 

― 最後に、マスクへの想いや、これからやっていきたいことなどを話してください。

(宮村) いまはマスクの仕事から離れましたが、シャープマスクへの愛情は変わりません。引き続き担当するみなさんに頑張って欲しいです。


(石田) 感染症対策だけでなく、今後も花粉やPM2.5などへの対策としてもマスクは必要です。シャープらしい商品でお客様に喜んでもらいたいです。


 

(中嶋) シャープは世の中にないものを生み出してきた企業、だからこそ世の中にないマスクを開発できたらと思っています。家電メーカーなので、マスクに空気清浄機能を付けて『プラズマクラスター空気清浄マスク』とかどうでしょうか(笑)。「こんなものを期待していた。やっぱりシャープだ」といってもらえるような製品を生み出していければと思っています。


(奥村) 私は入社して5年目なのですが、まったく新しいことに取り組むのは初めてでした。だから、マスクには強い思い入れがあります。これからもマスクへの新たな取り組みは続けていきますが、さらに新しいことや未経験なことにも前向きにチャレンジしていきます。


(山田) いままで付き合ったことのない業種の方と仕事ができ、視野が広がりました。現在はトラブルなく安定して生産できるよう日々奮闘していますが、いかに少ない人数で高品質のマスクがつくれるかを目標に装置改良を進めていきます。

(宮本) ダイレクトにお客様の声が届くマスクを担当することで、品質に対する意識も変わりました。マスクの生産を続けていけたらと思います。“Made in JAPANのマスクはシャープ”と言われるようにがんばっていきます。

 
― ありがとうございました。


三重工場の方のお話を2回に分けて紹介してきました。その取材の中で感じたのは、マスク製造に関わる方々全員のチームワークの良さです。お客様からの期待にこたえ、”Made in JAPANのマスクはシャープ“と呼ばれるようなマスクを作りたいとの情熱が、部門の壁を超えてみんなの気持ちを一つにしているんですね。このチームワークの良さも累計生産2億枚を達成できた要因の一つかもしれません。熱い想いで作られたシャープマスク、ぜひみなさんもご愛用いただけたらと思います。

※  記載されている内容は、掲載日時点の情報です。

「日本製だからこそ品質の高いマスクを作りたい!」三重工場での生産の取り組みやシャープマスクへのこだわりについて紹介します―<マスクで社会貢献⑤>―

(広報担当:H)

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■製品情報:不織布マスク
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 個人のお客様向け「不織布マスク(小さめサイズ)」を発売
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