エアコンの電気代を節約するには?節約のコツを詳しく解説
2023年7月27日
「エアコンは電気代が高い」というイメージをお持ちではないですか?
リモートワークの広がりによって自宅で過ごす時間が増えたことや、物価の上昇などから、これまで以上に電気代が気になるというご家庭が増えていると思います。特にエアコンがフル稼働する夏と冬は、家庭の総電力消費のうち、エアコンによる電力消費が占める割合が最も多くなります。
この記事では、エアコンの使用で実際にいくらくらい電気代がかかっているのか、その計算方法や電気代を上手に節約する方法を紹介します。家庭で電気代の節約に取り組むということは、お財布に優しいだけでなく、CO2排出抑制にもつながります。この記事を参考に、実践してみましょう。
「エアコンの電気代」にフォーカスして、エアコンの利用で実際にいくらくらい電気代がかかっているのか、その計算方法から電気代を節約する方法まで紹介します。
■エアコンの電気代について
電気代の節約のためにこまめにエアコンを切ったり、ギリギリまで入れるのを我慢したり、といった工夫をされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。まずは、実際にエアコンを使用するとどれくらいの電気代がかかるのかを見ていきましょう。
エアコンの電気代の計算方法
エアコンの電気代は、冷房期と暖房期を合算し、1年間使用した電気代の目安として算出できます。日本工業規格(JIS)で定められた基準である「期間消費電力量」が、お使いのエアコンのカタログやメーカーのホームページなどに記載されています。これに電気料金目安単価31円/kWhを掛け算すると、年間の電気代目安を算出できます。
1年間の目安電気料金(円)=期間消費電力量(kWh)×31(円/kWh)
では、当社のエアコンから、省エネモデルとスタンダードモデルを例に、エアコンの1年間の目安電気料金を計算してみましょう。
✓省エネモデル(6畳用:AY-22X)の場合、
期間消費電力量578kWh×31円/kWh=17,918円
✓スタンダードモデル(6畳用:AY-R22N)の場合、
期間消費電力量717kWh×31円/kWh=22,227円
同じ6畳用モデルでも、製品によって年間4,300円以上の差があります。電気代が安い省エネエアコンを選びたいときは、この「期間消費電力量」を目安とすると良いでしょう。なお、期間消費電力量はJIS C 9612:2013に基づくAPFから算出されています。実際には地域や気象条件、ご使用条件等により電力量が変わります。
▶SHARPのエアコンは省エネ大賞受賞!環境に配慮したSHARPのこだわりのもの作りについては、この記事をチェック!
“省エネ大賞W受賞”の背景にあるスーパーグリーンプロダクトとは? | SHARP Blog
1年間の電気代とエアコン利用時期の関係
総務省統計局の家計調査によると、上記のグラフのように、電気代が高くなるのは1~3月、安くなるのは6、7月でした。
実際に電気を使用したのは請求月の1カ月前であることを考慮すると、気候が穏やかで過ごしやすい5、6月は、エアコンなどの冷暖房の使用頻度が少ないためだと考えられます。また12~2月は寒い日が続き、エアコンや電気ストーブ、電気カーペットなどの暖房機器を頻繁に使用していることが原因と考えられます。
では、エアコンを頻繁に使う夏と冬ですが、8~10月の電気代(7~9月の冷房にかかる電気代)より1~3月の電気代(12~2月の暖房にかかる電気代)の方が高いのはなぜでしょうか?次のトピックで詳しく見ていきましょう。
▶SHARPのCOCORO AIRアプリでは、アプリから電気代が確認できます!
冷房と暖房で電気代は変わる?
同じエアコンを同じ時間使っても、夏と冬で電気代に差が出た経験がある方も多いのではないでしょうか。実はエアコンは設定温度になるまでが、最も消費電力が高くなります。設定温度と外気温の差が大きいほど電力を消費するため、外気温との差がより大きい暖房の方が電気代は高くなるというわけです。
例えば外気温35℃の夏に28℃の設定温度で冷房運転する場合(7℃の差)と、外気温が7℃の冬に20℃(13℃の差)の設定温度で暖房運転をする場合では、冬の方が温度差は大きくなります。そのため消費電力も多くかかり、電気代も高くなります。
■冷房と除湿、どちらの方が電気代は安い?
エアコンの「除湿(ドライ)運転」は蒸し暑い季節に活躍する機能ですが、電気代は冷房と除湿のどちらがよりお得なのでしょうか。状況や使い方によってどちらがお得かはケースバイケースです。冷房と除湿を上手に使い分けるとより快適に過ごすことができ、電気代の節約にもなります。
冷房と除湿運転それぞれの特徴を見ていきましょう。
✓冷房は室温を下げるための機能、除湿は湿度を下げるための機能
・冷房
冷房はエアコンに取り込んだ室内の空気を、熱交換器で冷やして水分を結露させ、そこでできた結露水をドレインホースで室外に排出します。冷房しながら除湿もしているわけですが、冷房は「設定温度」まで部屋の空気の温度を下げるための機能です。
・除湿
除湿も基本的な仕組みは冷房と同じです。冷房が室温を下げるための機能であるのに対して、設定湿度まで湿度を下げることを目的とした機能が除湿です。
※一部、湿度設定が出来ない機種もあります。
✓除湿機能には「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2種類がある
一般的なエアコンに広く搭載されている除湿機能は「弱冷房除湿」です。「弱冷房除湿」は、湿度を下げる際に冷えた空気を放出し、空気を冷やしながら湿度を下げます。空気が冷たく感じられ、弱い冷房と同じような環境を作りながらも、消費電力は少なくて済みます。「再熱除湿」は、部屋の温度を下げないように除湿で冷えた空気を温め直して放出するため、その分多くの電力を消費して電気代が高くなります。部屋の温度を下げずに、湿度だけを下げたいときに有効です。
▼夏の暑い日は「冷房」がおすすめ
除湿運転でも室温を下げることはできますが、夏の暑い日は熱中症を防ぐためにも冷房運転がおすすめです。
▼雨の日、洗濯の部屋干しには「除湿」がおすすめ
人が快適に過ごすことができる湿度は40~60%前後といわれています。室内の湿度は60%を目安に除湿運転を利用すると良いでしょう。さらに就寝時などは身体を冷やしてしまわないように、設定温度を守りながら湿度を調整する除湿運転がおすすめです。
▼電気代重視なら送風を活用
エアコンの電気代を少しでも安くしたいなら送風モードを上手に使いましょう。送風は部屋の温度を変えることがないため、消費電力量もわずかで、エアコンの運転モードの中では一番電気代を抑えられます。
▶進化系『氷結ドライ』でパワフル除湿、さらに省エネ!
当社のエアコンR-Xシリーズに搭載の進化系除湿「氷結ドライ」は、熱交換器の温度を氷点下まで下げることで、これまで除湿しにくかった室温が低いときでもパワフルな除湿が可能です。またファンの回転数を落として風量を弱くすることで、冷気の広がりが抑えられて部屋が寒くなり過ぎません。さらに消費電力も抑えて効果的に除湿します。
■電気代が節約できるエアコンの使い方
エアコンの電気代の計算方法や機能の特徴が分かったところで、ここからは電気代を抑えられるエアコンの使い方を紹介します。ちょっとした心がけで節電ができます。
電気代を節約できる温度設定
節電・節約のためにまず意識したいのが温度設定です。無理のない範囲で「夏は高め、冬は低め」を心がけましょう。例えば、エアコンの設定温度を1℃変えるだけで、電気代が10%変動するといわれています。
経産省の省エネポータルサイトによると、外気温31℃の夏場に、冷房の設定温度を27℃から1℃上げて28℃に設定して1日9時間使用した場合、年間で約940円の節約になります。同様に、外気温6度の冬場に暖房の設定温度を21℃から20℃に1℃下げて、1日9時間使用した場合、1,650円もの節約になります。
前述の通り、エアコンが最も電力を消費するのは、運転を始めて室温度が設定温度に到達するまでの間です。節電のためには室温と設定温度の差をなるべく少なく設定することがポイントです。
自動運転を活用する
エアコンをつけて快適に過ごしながら、電気代も節約するコツの一つが、エアコンの「自動運転機能」です。自動運転とは、効率良く設定温度になるようにコントロールしながら自動的に運転する機能のことです。
例えば、電気代がもったいないからと風量を「弱」で設定すると、なかなか室温が設定温度に到達せず、かえって電力を無駄に消費してしまうこともあります。自動運転では設定温度になるまで一気に風を送って、その後は設定温度を維持するために自動的に調整しながら運転するので、省エネと電気代の節約につながります。
最新のエアコンは自動運転の性能も非常に向上しています。高精度のセンサーで人のいる場所を判断し、日差しなどによる室温の変化予測までして効率的に運転できる製品もあります。
▶エコ自動運転搭載のおすすめモデル 『R-Xシリーズ 』
当社のエアコンR-Xシリーズの“エコ自動運転”は、無駄を見つけて賢く運転!
人の在室状況や床面の冷え具合、日差し、季節と温度状況などを総合的に判断して、状況に応じた運転と設定温度をエアコンが自動選択。日差しに合わせて暖房運転を控えるなどして、無駄な電力消費を抑える省エネ運転で電気代も節約できます。
■使い方以外でエアコンの電気代を節約する方法
ここからは、エアコンの使い方以外で電気代を節約できる手軽な方法を紹介していきます。
▶節電のアイデアについて詳しく知りたい方はこちらもおすすめ
シャープエアコンの暮らしを変えるアイデア集 | エアコン:シャープ
フィルターの掃除
エアコンは空気中に浮遊するホコリなども一緒に吸い込むため、使用するうちにフィルターにはホコリがたまっていきます。フィルターがホコリで目詰まりを起こすと、エアコンが空気をスムーズに取り込むことができず、余計に電力を消費してしまいます。定期的に掃除してフィルターの目詰まりを取り、効率良く空気を取り込めるようにしておくことが節電のポイントです。
環境省COOL CHOICE 「家庭でできる節電アクション」によると、2週間に1度フィルター掃除をすると冷房運転で約4%、暖房運転で約6%の節電になるといわれています。
▶SHARPエアコンの“フィルター自動掃除”搭載モデルなら、お手入れラクラク!
面倒なフィルター掃除を自動で行う「フィルター自動掃除機能」では、フィルターについたホコリを自動でブラシがかき取ってダストボックスへポイ。フィルターの目詰まりを自動で抑えるので、省エネ性が長く持続します。
SHARPエアコンのフィルター自動掃除搭載製品『R-Fシリーズ』
自分でエアコンのお掃除が難しいという方には、エアコンクリーニングサービスを使ってみるのも手!プロに徹底的にお掃除してもらうことで、ホコリやカビで汚れて低下していたエアコンの能力が回復。設定温度までの到達時間が約1/3になるといわれています。先述の通り、設定温度までの到達時間が短くなると消費電力量を抑えるので節電になります。シャープのサービスですが、どのメーカーのエアコンでも受付可能です。
● 当社試験による参考値です。実際のご使用条件により異なります
※1 AY-G25Gにおいて、当社試験室(8畳)にて室温35度、湿度50%の条件で冷房運転を実施。エアコンクリーニング前と後で設定温度26℃までの到達時間を比較。クリーニング前は90分、クリーニング後は30分で設定温度に到達。説明のための目安であり、設置環境や設置状況により効果は異なります。
※2 AY-G25Gにおいて、当社試験室(8畳)にて室温35度、湿度50%の条件で冷房運転を実施。エアコンクリーニング前と後で設定温度26℃までの積算消費電力量を比較。クリーニング前は950Wh、クリーニング後は500Whで設定温度に到達。説明のための目安であり、設置環境や設置状況により効果は異なります。
室外機の環境をチェック
室外機(室外ユニット)を置く場所はエアコンの稼働効率に大きく左右し、電気代にも影響します。直射日光が当たる場所は避けて設置し、周囲は整理整頓をして風通しが良いようにしておくことが省エネのコツです。
室外機は周囲の空気を吸い込んで熱交換をしています。強い日差しで熱くなってしまうと熱交換がスムーズに行えず、電力消費が大きくなったり、エアコンの効きが悪くなったりします。直射日光の影響が避けられない場合は、日よけをつけたり打ち水をしたりするなどして、室外機周辺の気温を下げると良いでしょう。
また、室外機の吹き出口のそばに物を置いてふさいでしまうと、空気をスムーズに吸い込めず冷暖房効率が低下します。余計に電力を消費することになり、無駄な電気代がかかってしまいます。
サーキュレーターや扇風機を利用
エアコンで冷やされた空気は部屋の下の方に、暖かい空気は上の方にたまっていきます。室内に温度ムラができると、エアコンは「まだ設定温度に達していない」と判断して、必要以上に稼働し余計な電気を使ってしまいます。
サーキュレーターや扇風機を使って、室内の空気を循環させると、室温が早く均一になって冷暖房効率が高まります。
また、サーキュレーターや扇風機の風が直接人の体に当たると体感温度が下がるので、涼しさを感じやすくなります。サーキュレーターや扇風機の電気代はエアコンの約10分の1です。賢く利用して節電につなげましょう。
<PJ-R3DS>
当社では柔らかい風を生み出すリビングファンや、上下・左右に首を振る3Dターンができるサーキュレーションファンなどさまざまな扇風機をご用意しています。
省エネ効果が高いエアコンにする
最新のエアコンは省エネ性能の向上によって消費電力が大幅に抑えられるため、電気代も抑えられます。一般社団法人日本冷凍空調工業会によると、省エネルギー型のエアコン代表機種の単純平均値で、2011年製のエアコンの消費電力量が845kWhだったのに対して、2021年製は806kWhでした。
また当社の従来モデルで調査したところ、10年使用したエアコンはエアコン内部の汚れなどによる風量低下などによって、使用開始時と比べて約21%も消費電力が増加することが分かっています。
最近は技術革新がめざましいAIoT(モノのインターネット)にも注目が集まっています。当社のCOCORO AIRは、スマホアプリとの連携で、外出先からエアコンの操作ができるだけでなく、エアコンを設置している部屋の冷暖房の効き方や使う人の生活リズムをAIが学習して、居住者の生活パターンに合わせて運転します。さらにお住まいの地域の気象データを取得して解析し、お部屋の環境変化の予測まで行い、さまざまな無駄を見つけて快適かつ省エネな運転を自動的に行います。
なお、エアコンの寿命は約10年といわれています。もし今お使いのエアコンが購入して10年以上経過しているなら、省エネ性能の高いエアコンへの買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。
▶省エネ大賞受賞のSHARPのエアコン『Airest(エアレスト)』は、エアコンと空気清浄機1台2役!
一般財団法人省エネルギーセンターが主催する「2020年度省エネ大賞」製品・ビジネスモデル部門において空気清浄機と呼べる唯一のエアコン「Airest」が、最高位の「経済産業大臣賞」を受賞しました。
■まとめ
エアコンは設定温度に到達するまでの間が一番電力を消費します。節電のためには、室内を効率的に省エネ運転する自動運転の利用がおすすめです。
さらに、カーテンやブラインドで窓から熱の出入りを防ぐ方法も取り入れてみてはいかがでしょうか。夏は直射日光を防ぐだけで約5%の省エネ効果があるといわれています。冬は、日中は日光(熱)を窓から取り込み、夜間はカーテンやブラインドでお部屋の暖気が逃げるのを防ぎましょう。
今回紹介した節電のポイントを意識して、日々の生活に取り入れながら電気代の節約につなげていきましょう。
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